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ダッチデザインウイーク2024! DESIGN Futureのコンフェレンスでは興味深い発表が二つ、その後のディナーは?
秋は私の住むオランダの地方都市EINDHOVENでは、デザインウイークで盛り上がります。今年は、10月の19日から、27日まで。
いつもはいそいそ出かけるのですが今年は、他のやるべき締め切りが幾つもあり、プライベートもバタバタで、行けるのかという感じでしたが、なんとか少しだけでも見てくることができました。
ところで、初めにお断りさせてもらうとEindhovenでのダッチデザインウイークは、大量に生産されるものがデザインという意味での現代的、社会的なデザインです。
シティデザイン、フードデザイン、環境デザイン、モビリティデザイン、未来予測デザイン、ロボットデザイン アプリデザインetc あるいは商品の手前のマテリアル研究のショーであったりします。
ミラノサローネのようなモノづくり中心、製品化されたものとはだいぶ内容が違います。ですからそちらを期待される方は、ごめんなさい。
一応モノづくり系の日本人デザイナーたちも今回は参加していたので、次回はそちらも少し載せますのでお待ちを。前置きが長くなりましたが、
今回は『デザインの未来』コンフェレンスの模様があまりに興味ぶかかったので、そのレポートです。
Desigin Future conference
ダイバーシティが好きなオランダらしくスピーカーは色々なジャンルや国からから選ばれていました。
その中で、特に興味深い話をしてくれたスピーカーはこの二人。
FRANK KOLkMAN)Designer and critical maker
Zack Denfeld - Co-founder at Genomic Gastronomy
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SF映画に出てくるようなDIYオペレーションロボットを彼は立案&制作。実際に試行錯誤している人。なぜ彼がこのアイディアを形にしたいのかは、今ある不公平な世の中への危惧でした。
アメリカの高価な医療制度で多くの人が治療を受けられない、アフリカなどで医療者がいなく手術が困難な場所で、これがあれば人々は助かるという考えからの発案です。
発表では自分は医師や医療機械関系者でもエンジニアでもないが、自分が困ってる人々を救うという、強い決意を漲らせていました。
いわゆる発明家タイプのオランダ人です。業界の違う人々を巻き込んでいけるのはこの社会正義から来た情熱があるからで、まさに彼もそのタイプ。
ちなみに彼がまず初めに手掛けているのは歯。入れ歯、ブリッジ。まさに私が自分で作れたらと思ってる部分です。
もしかしたら数年後にそれは可能になるのかもしれないと、この人の話には期待と応援の気持ちが湧き上がりました。
この話を聞いて彼に投資を考えた人も多そうです。それもオランダだからかも?
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彼の研究はオープンソースです。競争相手を歓迎、競争、切磋琢磨していくことで、このDIYオペレーションを世界中に広めていくのが狙いです。
作る人によって、体の部分へのアプローチは変わり、最終的には一つのものを作るという計画でしょう。(これははっきりとは言わなかった)
もちろんビジネス的にもおそらく実はその方がいいのかもしれなく、ドリンクの時に知りあったオシャレ系オランダ人の男性とそのことで盛り上がりました。
さて、ドリンクを飲んだ後は、大会場へ移動。
400人から500人の入れる会場は建物の屋上にあり、外階段から上がって行きました。日本人が階段で上へ登りながら、人によってはお辞儀をして名刺をお互いに渡していた姿はどう見ても日本人なのは明らか。
後ろにいる大勢のオランダ人にはウケていたと思います。こんなところに多くの日本人たちが、なんという器用な、という意味でも! 基本ゲルマン系の方々はマルチタスクはできないです。
Creative Industry Dinner Experience
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そして、クリエイティブインダストリアルダイナー エクスペリエンス(長い!)、と名付けられた食事会が始まりました。デザイナーへのインタビュー、脳波を測ってそれをそのまま大画面で見たりの研究発表、歌手による歌もありました。そしていつ聴いても少しウザい司会者のオランダ国自画自賛はきちんとプログラム中にあります。『小国だけど、私たちはできることを上手くやってる』と。(在蘭長いと聞き流しモード)
そういうカオスのエンタメの合間にスターターが始まりました。
まず何人かに配られたのが丸いパン。トルコのふわふわパン。テーブルに置かれたのはディップの皿。どうやら全員でそのパンを回して食べろということで、ナイフもフォークもなし。
かなりお腹が空いていたので黙々とみんな手を伸ばし一つのパンをちぎりディップにつけました。
なんだか、動物的でありました。みんなどこを触ったかわからない手でパンを触るので、汚いと言ったら汚い。コロナがあったのを完璧忘れているのは確か。(今もあるけど当然それは無視)
その後に出たのが、これ。写真参照↓
白い長いものが見え、日本人一同、麺があるかもと期待。
なんと大根でした。
食べれるお花が目に引くビーガンフード。期待しましたが、真っ暗闇で私が食べたのは白い紐状の大根のみ。でも花か何かに唇が触れていたらしく、多くのアレルギーを持つ私は、薬を飲むハメに。(泣笑)
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このディナーは、おそらくこの上の人のスピーチ内容と関連しているのは確か。ゲノミクスのガストロジー会社をインドで経営している方。スピーチでは、気象異常の話や食糧不足についても話していました。
これはゲノム編集食品をなんとかEUに入れようとしているのではないかと、疑う案件。日本とは違い、ヨーロッパは伝統的な食品も守ろうとしている人たちが多くいて、遺伝子組み換えには反対だけど、ゲノム編集のものは、比較的緩く入っているのかもしれないということに気づきました。
と思って調べたらやはり2019年からまだ研究段階ではありますが、EUでもなんとかゲノム技術を動植物と動物、人間にとり入れられるのかの可能性を探っているところのようです。(やはり!)残念な未来しか研究者の頭に浮かばないのでしょうか?
とにかく全体的に今から来る気象変動にもよる食糧不足に備え、花も食え、パンはみんなで分けて食べろということなのでしょうか?
強烈な洗脳的なメッセージの会食でした。食べ物の中は何を、と聞いてもウエイターたちはわからないとの一点張り。私はパンと、大根を食べてからは一切食べず。暗い会場で何が中に入ってるのかわからないので。正直驚きのディナーでしたが、確かにすごい体験をしたと思うので、これはこれで楽しい体験となりました。食欲の秋に、この体験。実にオランダらしい。
この大エクスペリメンスのイヴェントに呼んでくれたのは、
このイヴェントのオーガナイズメンバーの一人山本直子さん。
彼女の最近の記事はこちら👇 チップに変わる新しいフォトニックチップの話が載っています。(興味のある方はぜひ)
この会場では普段会ったことのない、日本人のアムスからのデザイナーとか、建築家も呼ばれていたのですが話を聞くと、オランダ人の中でもみくちゃになりながら戦ってる人が多く、長年いても他の日本人との繋がりはない方が多いようでした。
日本のイヴェント会社の方オランダに支店をもつようで下見のため三人が来ていました。このイヴェント体験をどう日本で彼らは伝えるのでしょうか?あるいは、日本の最新のイヴェントをどうオランダに持ち込んでくれるのでしょうか、楽しみであります。
では、次回は、PIET HEIN EEKの会場レポートでまた。
去年はこちら👇
3年前はこちら👇