細菌名の由来ってどうやったら調べられるのか?

細菌の名前は、
Staphylococcus aureus
のようにラテン語で表現されています。
はじめのころは覚えられなくて辛かった!のですが、今は日々、仕事で使う中で、とてもよくできているな~と感心しています。


生物名は決められた方法で表現することが国際的ルールになっています。これも一つの学問になっていて分類学というそうです。分類学については、講談社ブルーバックスから出版されている、岡西 政典著「生物を分けると世界が分かる 分類すると見えてくる、生物進化と地球の変遷」がわかりやすく面白かったです。

で、この覚えにくい菌名を何とか興味を持って覚えられないかとなんとな~く考えていたところ、大好きなゆる言語学ラジオで語源で学ぶ英単語の回をやっていました。じゃあ菌名も語源と一緒に覚えれば、いくらか覚えやすいか?

菌名の由来でどうやったら調べられるんだろう?
wikipediaのStaphylococcus aureusのページには属名Staphylococcus のStaphylo-は「ブドウの房状の」、coccus は「球菌」の意であり、種小名aureus は「黄金色の」を意味する(の元素記号や、オーロラなどと同じ語源)と記載されているが、引用文献もなく確認しようがありません。

ヤクルト中央研究所のサイトには、”細菌の命名は「国際原核生物命名規約」に従って行われます。この規約は「国際微生物連合」の「国際原核生物命名委員会」によって定められたもので、公式出版物である「International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology」に掲載されるか承認されたものだけが分類名として認められます。”とあります。

なるほど、ではこの知識を使って以前、Case reportを書いたことのある(比較的珍しい菌種である)Klebsiella variicolaの語源を調べてみよう。

Pubmedで、
International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology[TA] AND "Klebsiella variicola"
と検索すると、ヒットするのはKlebsiella quasipneumoniaeに関する論文1件のみ(PMID: 24958762)で関係ありませんでした。
だめか~

気を取り直して別の方法で探す。そもそもKlebsiella variicolaに関する論文は多くはないので、Pubmedで"Klebsiella variicola"と検索すると、186件しかヒットしない。

ではこれの一番古いものを調べてみます。一番古いのはこちら↓

Systematic and applied microbiologyという雑誌で、前述のInternational Journal of Systematic and Evolutionary Microbiologyとは異なりますけどね。

そしてこの論文中に、
Characteristics of the novel species Klebsiella variicola sp. nov.
(va.ri.i’ co.la. L. adj. varius different, differing, various,
L. suffix n. -cola inhabitant , N.L. fem./masc. n. variicola
inhabitant of different places):
とあるので、variicolaがいろいろなところに住み着いている細菌、という意味であることが分かりました。

これでよいのかな?


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