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マインドブロック(認知の歪みや倫理規範)はあなたのお友だちかも!?

【質問】いわゆるなんちゃってカウンセラーの言う 「マインドブロック(やりたいことを阻む心理作用みたいなもの)」は、心理学ではどのように説明できるのでしょうか?

【お返事】マインドブロック、よく自己啓発界隈で聞く言葉ですね。だいたいが、「マインドブロックを外す」という文脈で使われています。このマインドブロック、心理学的に解説すると、認知の歪みと倫理規範が該当するでしょう。まだまだあると思いますが、臨床上、使う概念としては、この2つはトップバッターだと思います。

※今回の記事はラジオでも視聴できます。テキストを見ながらどうぞ▼

※この記事は、Twitterの質問箱に来た質問を深掘りして回答したものです。

■マインドブロックとは、認知の歪み

認知(行動)療法では【認知の歪み】という言葉を使います。これは、「あなたの考え方は偏っているので、バランスのとれた正しいものに修正しましょう」というものですね。例えば、認知の偏りの中に、「悪い部分だけを見てしまう思考」というものがあります。

  • たった1人の人に言われたことをずっと気にしてモヤモヤが晴れない

  • 自分の鼻がコンプレックスなので、自分の顔全体、ひいては自分の性格が嫌いだ

などです。他にも、0/100思考、拡大解釈と過小評価など、いくつかあります。「一方向しか見ていないことで、全体を評価することを拒む」ということですね。

認知療法的には、マインドブロックを外すということは、認知の歪みを正すことになるでしょうか。例えば、「1人に否定されたのであって、残る99人は、あなたに賛成している。」そういうことになるでしょうか。
ただ、完璧主義でなくても、1人に否定されたら、ずっと残ってしまうというのは、人間的な気がしますが、認知療法はそれを許さないわけですね💦

■マインドブロックとは、倫理規範

もっと広い意味で、心理的にマインドブロックを捉えると、倫理規範といえるでしょうか。

倫理規範とは、思春期を通過して成人期になった人々が持っている、自分の生きる規範です。ここには、善や悪、良や不良などはありません。それぞれが思春期で形成してきた、自己のアイデンティティに基づく生き方です。

このように倫理規範は、大人になったら、誰しも持っているもので、規範が強かったり、弱かったりはします。強いと生きづらくなるかもしれません。しかし、これは成人期の中での現象なので、誤差範囲といえば、いえなくもありません。

さて、マインドブロックを外すとは、その人の倫理規範を弱めようということになるでしょう。

でも倫理規範は、その人が必要があって、その強度のものを作り上げているわけなので、そう簡単には操作できませんし、むしろ操作する必要もないかもしれません。

その強い規範で生きることがしんどい場合は、カウンセリングに来られます。そしてその規範について、あれこれと自分で理解し始めます。
そういう理解があれば十分で、それを弱めるお手伝いをしようなんてのは余計なお世話かもしれません。

ですから、マインドブロックというものは誰にでも存在するもので、それをどうにかしようというのはナンセンスであるというのが、どうも今回の結論になりそうです☺

■まとめ

  • マインドブロックを心理学的に言うと、認知の歪みや倫理規範と言える。

  • マインドブロックを外すとは、認知の歪みを正すようなもの。しかしそれは、人間的なものを否定してしまうかも。

  • マインドブロックを外すとは、倫理規範を弱めること。しかしこれは、余計なお世話かも。

◇ラジオのおやすみ談話室:催眠を使ってマインドブロックを外しても、すぐ戻るという現実。(おそらく)最強の方法は、マインドブロックを外そうとせず、マインドブロックと「友だち」になること。

■他の助けを求めるのもいいでしょう

もし、あなたが何かのストレスで行動できなくなっているときは、臨床心理士などの心理の専門家にアドバイスを求めるとよいでしょう。あなたが様々なストレスにうまく対処できるように、心理士は特別なトレーニングを受けています。

⇒解決しない悩みのある方は、ソレア心理カウンセリングセンター へご相談ください。

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