現代催眠を考える|催眠はイメージ療法として様々な心理療法の中で生きている
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【お返事】前世療法というものがあります。私もかつて20年以上前にやっていました。催眠を利用して、自分の前世に戻っていくわけです。今回は現代催眠についてざっとお話しましょう。
※この記事は、Twitterの質問箱に来た質問を深掘りして回答したものです。
■現代催眠というもの
現代催眠ってよく分かりにくい命名ですよね。「催眠をつかったイメージ療法」です。ですから結構範囲は広くなります。
例えば、カウンセリングでも用いています。目を閉じて安静にして(無意識下)いなくても、開眼(意識下)で暗示を入れるということは、普通にカウンセリングでもやっているわけです。私も実はやっています。
これをかなり高度に意図的にやっていたのが、ミルトン・エリクソンです。彼は素晴らしすぎます。(発達課題のE.H.エリクソンとは違います。)
家族療法の逆説処方なんかも催眠の流れですし、ハコミセラピーだって催眠と言えなくもありません。マインドフルネス瞑想は、ほぼ催眠ですね。ですから、催眠のスパイスというものは、現代のカウンセリングの中に生きていたりします。
M.エリクソンの逆説処方は、例えば、夫婦のセックス相談などで、「1週間の禁欲生活のあとで二人で登山をしなさい」という指示を出したりします。二人で実際に山に登るわけですが、「登山」という言葉にセックスの意味を持たせたりしています。しかし、そのことはあえて言わないわけです。
このM.エリクソンのスキルは、カウンセリングの中でも多彩に生きています。斉藤学先生の独壇場は「逆説処方」ですね。
■狭い意味での現代催眠
狭い意味でも催眠を考えると以下の4つのスキルになるかと思います。あくまでも高間の考えです。
インナーチャイルド
年齢退行
前世療法
リラックス退行(意図的でない退行)
インナーチャイルドはその名の通り、自分の幼少期の子どもに会いに行くセッションですね。
年齢退行は、過去の自分に戻っていくセッション。
前世療法は、前世へ戻る。質問者さんの質問にありましたが、これは実際に前世に戻るという設定を通して、自分のセルフイメージを明確にしていくセッションです。人によっては、前世がバスタブだったという人もいます。それは何だっていいわけです。例えば、前世がバスタブの人は、そうやって人々をしっかりとホールドするような役割をしていたということに気づいていきます。そして、それが今の自分には足りないのかな、とおっしゃっていました。つまり、前世療法の目的は、そのような自分に出会うためなんですね。
リラックス退行については、あまり知られていませんが、これが一番安全な催眠ではないでしょうか。アイテムとしては「草原」や「一本の木」を使います。そこへ行って自分の気持ちに会いに行くのです。
「意図的でない」というのは、過去へさかのぼるなどの意図がまったくないという意味です。すべて自由にしていい瞑想です。
強制されない自由さがありますが、どこへ連れていかれるのか分からない不安もあります。人によっては潜在意識を信じていればいいと言いますが、怖いものと遭遇することもあります。
そのためカウンセラーは、誘導しながらも、相談者が危険な状態に陥らないように注意している必要があります。急に怖いシーンが出てきたときの対応がしっかりできない治療者には催眠はできません。催眠はプロトコル(誘導文言)が決まっており、やりやすいとも言えますが、臨機応変な対応も必要とされるのです。
私は、催眠はほぼやってません。理由は、イメージ療法をやるには、あえて催眠をやる必要もないと思うからです。催眠で過去性退行するのは、健康な人ならいいでしょうが、そうでない人には十分な注意が必要です。あえて、危険なこと(催眠)をする必要もないわけです。とはいえ、時々乞われるままに、催眠をするときもたまにあります。この場合は、自分では温故知新という意味合いも感じています。
■まとめ
催眠は様々な心理療法あるいはカウンセリングの中に取り入れられている。あえて意図的にやる必要はない。
M.エリクソンの意識下の催眠は秀逸!
狭い意味での現代催眠は4つ。インナーチャイルド、年齢退行、前世療法、リラックス退行(意図的でない退行)
催眠をする場合は、危険を回避できるだけの技術が必要
余談:朝方の白んでいく満ちた月
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