バラード(艶歌)|人間の持つさみしさ、怒り、執着、そして決別(あきらめ)

【お便り】さみしくて仕方なくて、一人になりたくなくて、合わせてヘラヘラしてる間は楽しくて適当に満たされて、でもやがて別れが来た後で、時差でぐったり。解放。でもまた人を変えて繰り返す。

でももうさすがに図太くなってきたのか、寂しくても惨めでも、ヘラヘラすることが嫌になりました。明日、別れが来て、後悔して、路頭に迷っても、どうでもいい。

それくらいの怒りが、静かに立ち上がっています。自分への怒り、この世界への怒り、生まれたことへの怒り、自分もままならないのに自分が幸せになりたくて生んだ者への怒り。

※今回の記事はラジオでも視聴できます。テキストを見ながらどうぞ▼


※この記事は、Twitterの質問箱に来た質問を深掘りして回答したものです。

【お返事】あなたの感じている怒りはホンモノのような気がします。いただいたお便りは3つのシーンに分かれた詩のようです。

①さみしくて仕方なくて…

最初の導入部では、これまでの自分を表現しているようです。「ひとりになりたくなくて、すがりつける人を探している」これまでの自分です。そんな自分を回顧しながら、人生ってこんな感じで生きている。広く多くの人に訴えかけてくる語りです。繰り返し、繰り返す。

②でもさすがに図太くなって…

そして、これまでの自分はもう嫌だ、そんな自分には決別したいという気持ちが表現されていきます。

  • 寂しくてもみじめでも、ヘラヘラすることがイヤになって

  • 明日、別れて、後悔しても、路頭に迷ってもいい

こうやっていただいたお便りから取り出して書き記してみると、どこかの楽曲に出てきそうな歌詞になります。2020年代でも昭和歌謡でも通用する普遍的なバラードがそこにはあるようです。そして次の展開へ移って、新しい自分の予感があります。

③怒りが静かに立ち上がる…

これまでの自分に決別するために、自分の中に静かに怒りが立ち上がります。その怒りは様々な怒りで構成されています。

  • 自分への怒り

  • この世への怒り

  • 生まれたことへの怒り

  • 自分を生んだ親への怒り

この静かに立ち上がる怒りはホンモノでしょう。このあなたの怒りが、あなたをきっと、また違うフィールドへ導いてくれるでしょう。まさに、怒りのパワーがそこにあるように思います。この3部目で、怒りのバラードが歌われているようです。

静かに立ち上がる怒りは、しんしんと降り積もる怒りと同じでしょう。この記事もお読みください。▼

シンシンと降る怒りを黙って感じていたい|頭が冴えて力がみなぎるから、スッキリするのはもったいない

あなたが感じている、さみしさ、怒り、執着、そして決別(あきらめ)を聴いていると、それは人間にとっての業(ごう)のようなものですね。そして輪廻転生のようなものを感じます。澱んでいるようですが、あなたの生き様に、素直な魅力を感じます。まさに艶歌といえるのではないでしょうか。

◇ラジオおやすみカフェ:今宵のメニューは…京都のジャズ喫茶 Go

■他の助けを求めるのもいいでしょう

もし、あなたが自分の人生の選択について、こんなことはもう繰り返したくないと思っているのなら、臨床心理士などの心理の専門家にアドバイスを求めるとよいでしょう。時間はかかるかもしれませんが、あなたのカウンセリングがうまくいきますように。

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