広告運用チームが取り組む"朝の脳筋トレ"「表現力トレーニング会」とは?
社内プロジェクトとして4月から始まった、月一回の【事例ピッチイベント】。ルールは、自分自身を含めて誰かの助けになっていること。生産性があがった、お客様に喜ばれた、メンバーが歓喜したなど、何でもOK!チームで取り組んだことを社内に共有する場です。
今回ご紹介するのは、7月26日に開催された第4回事例ピッチイベントで見事1位に輝いた、白戸真一さんの「表現力トレーニング会」。広告運用に携わるメンバーが週に一度集まり、自分の担当案件に関わらず、与えられたお題を表現できる言葉・文章を出し合います。
実際に、その会で出た表現を使って、成果改善にも結びついた事例もあるそう。白戸さんに詳しくお話を伺いました!
白戸 真一(プラットフォーム戦略推進本部 アソシエイト)
入社3年目。書くことが好き。高校生の頃に小説を書くようになった。本好きから大学卒業後は、図書館司書の資格を取る。しかしやはり書くことが好きで、その後フリーターとして小説を1年間書き続ける。求人広告やアフィリエイトのライターを経て、ソウルドアウト入社。書くこと、タイピングが好きすぎて、アンケートを出すときはついつい長文になってしまうらしい。実は、喋ることも好き。好きな言葉は「後ろに前向き」。
▼オンラインでインタビューを行いました!
―—— 事例ピッチイベントの優勝おめでとうございます!「表現力トレーニング会」は、何をきっかけにスタートしたのでしょうか?
白戸:ありがとうございます!もともと、社内で動画や静止画バナーの制作や、私のように記事LPを作るクリエイティブチームがあって、そのチーム内で何かプロジェクトをやりましょう、という話が出たところから始まりました。
動画や静止画バナーについては、訴求内容や構成を変えて成果を測り、PDCAサイクルを回して「勝ちパターン」を見出せていました。しかし、広告のタイトルや説明文などのテキストは、異なるパターンのものを作ってPDCAサイクルを回す、ということがあまりできていなかったんです。案件を担当するチームだけで考えていても、煮詰まってしまって、新しい表現が出てこなくなるんですよね。
「表現力トレーニング会」なら、頭の体操になりますし、きっと成果にも結びついていくのでは、と思いこのプロジェクトを提案しました。
▼白戸さんの発表スライド
―—— では、会の進め方を教えてください!
白戸:進め方は本当に単純です。お題を出して10分程度でスプレッドシートに書き出してもらい、そのあと10分程度で一人ずつ気になった言葉を取りあげて話してもらいます。
―—— とてもシンプルですね。何か気を付けていることはありますか?
白戸:そうですね、参加メンバーが楽しんで取り組めるようにすることです。「広告文作成会」とか「〇〇案件の広告タイトル」というようにすると、業務感が出て、いいものを考えなければならない、というプレッシャーになってしまうと思ったんですよね。そうなると、頭がかたくなってしまって発想が広がりません。
なので、会のルールは「思いついたら何でも書いてみる」「最低一つは出してみる」たったそれだけです。気負わず取り組めるものだと、自由に考えることができ、おもしろい表現が出てきます。
最近は慣れてきたので、ごくたまに、特定案件のタイトル作成も試しに行っています。
▼ある日の表現トレーニング会。毎週火曜日の9:30から、10名前後が集まって行われます。
―—— 気軽に楽しく取り組まれているんですね!ですが、メンバーから言葉が出てこないこともありそうです。
白戸:それが、ないんですよ。皆さん積極的に参加してくれますし、お題にもよりますが、5個以上出ることが多いです。
一人ひとりから出てくる言葉には、その人の性格が出ていたり、考え方が分かったりするのでおもしろいんですよね(笑)。これまでクリエイティブ制作に長く携わってきた社員からは、おもしろい表現が出てきます。若手社員からは、若者の間で流行っている言葉が出てきたこともあります。普段一緒に仕事をしている社員から、いつも以上に積極的に、たくさんの表現が出てきたときには少し驚きました。
自分一人では思いつかなかった表現が次々と出てくるんです。あえて使ってみるのもおもしろいかな、と思っています。
―—— たくさんの言葉が出てきても、使えないものもあるのではないでしょうか?
白戸:もちろん使えないものもあります。その表現単体で使えない場合もありますし、組み合わせで使えない場合もあります。でも、会の中で否定したり注意したりはしません。あとで私が「表現パターン一覧」(下図)にまとめるときに、「要注意」などと注意書きをしています。
あとは、同じ言葉が重なって出てくることもありますね。そういったときでも、「こうしたらいいと思うよ」というアドバイスはしないようにしています。考えを押し付けてしまうと、やらされ感が出て不満だけが残り、いい結果には結びつかないと思っているからです。
▼「表現パターン一覧」。「オススメ」の言い換え表現だけで97個もあります!
―—— お題はどうやって決めていくんですか?
白戸:毎回の会の終わりに、皆にヒアリングをして決めています。最初は、特定の業界や商材に絞らずに行っていました。慣れてきてからは、誰かが担当していて、広告タイトルの作成に困っているものを取り上げています。例えば、社内で誰もやったことのない商材のECや、様々なパターンをこれまで使いすぎて新しいものがなくなってしまっているスキンケア商品などですね。
「オススメ」の表現パターン(一部抜粋)
・単語系
朗報/必見/話題/絶賛/バカ売れ/殺到/続出
イチオチ/推薦/本命/推し/衝撃/愛用/号泣
謝罪/騒然/注目/裏技/決定版/ドーン/爆売れ
・言い換えや関連表現
もっと早く教えてよ!
●●しか勝たん
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●●肌さんのお守りアイテム
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レコメンド
知ってからの生活が激変する
みんなに贈りたくなる
―—— 成果改善にもつながっているそうですね!
白戸:そうですね。一言一句同じではありませんが、実際の広告文作成にも活用して、成果があがった例もあります。セリフ調のものに表現を変えて配信したところ、クリック率や獲得率が上がりました。
私はもちろん使っていますし、記事制作チームにも共有して活用するよう促しています。まだまだ社内の一部の人しか使っていないので、この取り組みで生まれた表現はもっと活かしていきたいです。
―—— ぜひ、たくさんの社員に使ってもらいたいですね!今後はどのような取り組みにしていきたいと考えていますか?
白戸:ほかの部署の人たちとやってみても、おもしろそうだと思っています。ですが、こういった資料は、結局、使う人がいないと無駄なものになってしまうので難しいですね。
しかし今回、事例ピッチイベントで発表して、「すごい!」「使いたい!」とたくさんの人に言ってもらえました。広告のテキストを作るのに苦労している人って多いと思いますし、需要もかなりありそうだと発見がありましたね。
言葉の組み合わせで、いくらでも表現パターンは作れます。たくさんの人に、「表現パターン一覧」を利用してもらい、成果に結びつけていきたいです。
編集後記
社内では「仕事が速すぎる!」「頭の回転が神がかってる!」と評判の白戸さん。初めてしっかりお話させていただきましたが、とても柔らかい方でした。ちなみに後日、優勝賞品として世界のビールの詰め合わせセットをいただいたようですが、お酒がほとんど飲めないため、消費できずに困っているそうです(笑)。
【話し手:白戸 真一/取材・執筆:宮武 由佳(@udon_miyatake)】