Google広告の計測補完機能「拡張コンバージョン」の導入事例。欠損したデータを補完し、ラストクリックベースの成果改善に貢献!
廃止の見送りがあったとはいえ「Safari」「Edge」など主要のブラウザでは既に廃止されているため、3rd party Cookieが利用できるのは、約5割という状況に変わりありません。
よって、Cookie規制による影響で想定される事象(下記)への対策が急務です。
リターゲティング広告に使う配信リストの量・データ精度が低下して成果が悪化する
広告経由でコンバージョンしても計測されない
そこで今回、Google社が対策の一つにあげている「拡張コンバージョン」について、概要・導入事例・施策をご紹介します!
そもそもCookieとは?
Webサイトにアクセスした際に、PCやスマートフォンに記録される情報。Cookieを利用すると、私たちが対象となるサイトを訪問したことや、広告経由でコンバージョンしたことなどがわかります。
しかし、個人情報保護の観点から、Cookie規制が強化されてきました。
今日では、Apple社がiPhoneのテレビCMで「iPhoneはプライバシーを守れる」と個人情報の保護の観点をアピールするほど、世の中に浸透してきています。
Cookieの種類について
Cookieには「1st party Cookie」「3rd party Cookie」の2種類があります。
▍1st party Cookie
閲覧したWebページのドメインから直接発行しているデータ
例えば、ショッピングサイトでカートに入れていた商品の情報が、時間おいて訪問した際にそのまま残っていることがありますよね。これは、「1st party Cookie」でデータ保存を行なっているからです。
▍3rd party Cookie
訪問しているサイトとは異なるドメインから発行されるデータ
広告用のタグをサイトに実装している場合、広告配信しているメディアのサーバーから発行されるのが「3rd party Cookie」。広告で主に利用されているのはこちらになります。
拡張コンバージョンとは?
拡張コンバージョンは、プライバシーを配慮したうえで正確なコンバージョン測定ができ、高度な入札単価設定を可能にする機能です。
💡拡張コンバージョンと従来のコンバージョン計測の違いは、コンバージョンユーザーを判断するために使っているデータが異なること。
拡張コンバージョンを活用することで、コンバージョン計測の精度を向上させることができるのです!
拡張コンバージョンの計測の仕組み
ユーザーがGoogleにログインした状態でGoogle広告をクリック
ユーザーがコンバージョンに至る
コンバージョンするまでに入力フォームで記載した「電話番号」「メールアドレス」などの情報が、計測タグを通じてGoogleに送信される
Googleのもつデータと、タグで送られたデータを照合し、コンバージョンが計測される
実装方法
では、どのようにすれば実装ができるか?
大まかな流れを説明します!
1.広告管理画面で「拡張コンバージョン」を利用することに同意
2.「拡張コンバージョン」のユーザー提供データの設定方法を下記のいずれから選択
3.手順2で選択した方法に合わせて設定
※今回の記事は、あくまで概要と導入事例がメインのテーマです。「ユーザー提供データの設定方法」については割愛させていただきます。
タグやプログラミングなどの知識が必要です。テック領域の専門の方に下記のページを参考に依頼することをオススメします。
👆各方法の設定について
Google タグを使って拡張コンバージョン(ウェブ向け)設定方法
Google タグ マネージャーを使って拡張コンバージョン(ウェブ向け)設定方法
Google Ads API を使って拡張コンバージョン(ウェブ向け)設定方法
🚨注意点
「拡張コンバージョン」は、お客さまの「個人情報」を取得してGoogleのサーバーにデータを送ります。
そのため、プライバシーポリシーに個人情報を第三者に提供する可能性がある旨を記載し、事前にユーザーに同意を得る必要があります!
この点に関しては自社の法務部門とも、すり合わせたをしたうえで対応いただく必要があります。
※参考:顧客データに関するポリシー - Google 広告ポリシー ヘルプ
事例|欠損したコンバージョンデータを補完して成果創出
①ラストクリックベースの獲得単価が約20%改善
▍案件概要
商材:人材のマッチングサービス
検証内容:ラストクリックベースの「獲得単価(CPA)」を比較
検証期間:2か月
②Google Analyticsベースの売上金額が約500万円増加
▍案件概要
ビジネスモデル:EC(雑貨)
検証内容:Google Analyticsベースの「売上金額」「ROAS」を比較
検証期間:1か月
これらの事例では、「3rd party Cookie」ではカウントされなかったコンバージョンが「拡張コンバージョン」を設定したことで計測されるようになり、機械学習に用いられるデータ量が増えたことで最適化が進み、「獲得単価」「ROAS」が改善したと考えられます。
注意事項として、「拡張コンバージョン」を設定しても数値に変化が見られないケースもあります。しかし、欠損しているコンバージョンデータを補完してくれることは間違いないので、設定することを推奨します!
ちなみにGoogle広告には、測定できないコンバージョンを推定して学習状況を補完する機能があります。あくまで"推定"になるため、「拡張コンバージョン」を用いた精度の高い「1st party Data」で補完することが、広告成果を落とさないためのポイントです。
Cookie規制への対策の鍵となる「拡張コンバージョン」×「カスタマーマッチ」について
本来「カスタマーマッチ」に使うユーザーリストを作成する場合、管理画面からデータをアップロードしなければなりませんでしたが、「拡張コンバージョン」を実装することでリストを自動生成できるようになります。
カスタマーマッチとは?
自社が保有する「顧客情報」に基づき、ユーザーリストを作成して配信する手法。既存顧客への再アプローチや類似ユーザーへのリーチが可能です。
(引用:カスタマー マッチについて - Google 広告 ヘルプ)
▍導入メリット
「1st party Data」を使った精度の高いターゲティングが可能になる
P-MAXキャンペーンのように機械学習に頼った配信手法には重要なシグナルになる
自動入札において価値が高いデータになるため、パフォーマンス向上につながる
「拡張コンバージョン」×「カスタマーマッチ」導入事例
こちらは、Googleの公式サイトに掲載されている通販専門チャンネル「SHOP CHANNEL」様の事例になります。新規会員の増加を目的に「拡張コンバージョン」「カスタマーマッチ」を活用したところ、獲得数が増加しました。
▍カスタマーマッチのユーザーリストを自動生成する方法
1.「拡張コンバージョン」の設定が完了したうえで、管理画面の「管理者」をクリックして「Customer Match」を選択。
2.「Conversion tags」に✔を入れる
➡ 確認方法
「オーディエンスマネージャー」のリストの中に「〇〇 (Conversion-based)」というセグメントがあれば、そちらが自動生成されたオーディエンスになります。
「コンバージョンAPI」との併用が推奨
「拡張コンバージョン」は「コンバージョンAPI」を駆使することで、より豊富なデータ収集が可能になります。
▍コンバージョンAPIとは
広告主のサーバーから媒体のサーバーへ、1st Party Dataを直接送信することが可能な機能。拡張コンバージョン同様に、コンバージョン計測を補完する仕組み。
通常はユーザーのブラウザから媒体のサーバーへコンバージョンデータが送信されますが、昨今のCookie規制の影響でそのデータ送信に欠損が生じる場合があるため、
コンバージョンAPIは、通信の経路を「ブラウザ→サーバー」から「サーバー→サーバー」に変更し、その影響を受けにくくし、欠損するコンバージョンデータを補完できるのです。
💡「拡張コンバージョン」「コンバージョンAPI」は、それぞれ独立して対応可能な手法です。
誰でも簡単にコンバージョンAPIを使えるツール「DATA CONTROL」
しかし、コンバージョンAPIの導入・運用には、エンジニアによるサポートや設計に加えて、マーケティングの専門スキルも必要なため、実装難易度が非常に高いです。そこでソウルドアウトでは、誰でも簡単にコンバージョンAPIを使えるツール「DATA CONTROL」を提供しています!
さいごに
最後まで読んでいただきありがとうございます!
Chromeの3rd party Cookie廃止の見送りがあったとはいえ、Cookie規制により想定される事象への対策には、今後も向き合っていかなければなりません。
今後も、引き続き情報発信していきます!
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