レッドオーシャン市場に後発参入、売上ゼロからの成長支援。22年度売上はYoY633%を達成 /【事例】BuySell Technologies
先日開催されたGoogle Premier Partner Awards 2023において、ソウルドアウトは日本のオンライン販売部門を受賞しました。
受賞理由となった成果事例について、早速インタビューしてきました✨
ジュエリーやブランドアイテムなどの中古品を取扱う自社ECサイト「バイセルブランシェ」を運営する株式会社BuySell Technologiesの志賀 亮佑さんと、営業担当のアカウントプランナーの奥村 渚にお話を伺います。
買取・販売の循環を実現する総合リユースビジネス
toC向けの販売を強化するために自社ECを開設
─── まず、BuySell Technologiesさんについて教えてください!
志賀:2015年からリユース事業を開始し、着物やブランド品などの買取から販売まで、リユースビジネスを幅広く展開しています。
また、事業成長の裏側には、テクノロジーを活用して業務を効率化し、データを活かして戦略立案を進めてきた背景があり、これが私たちの強みにもなっています。
─── では、志賀さんの職務内容と、入社からの経歴を教えてください!
志賀:販売戦略本部EC事業部セールスプロモーションチームに所属しています。ブランド品や時計、ジュエリー、お酒などの中古品を扱う自社ECサイト「バイセルブランシェ」と、ECモール「Yahoo!ショッピング」の販売戦略を担当しています。
私の前職はSEO(※)支援会社で、2017年にBuySell Technologiesに転職してきました。最初は、マーケティング戦略本部で買取事業のSEO施策を担当していました。
当時はまだ、上場もしていませんでしたし、販売事業はtoB向けがメインだったと思います。買い取った商品を、toB向けの市場に出して競りにかけたり、自社で大きめのフロアを所有していたので、そこに業者さんを呼んで競りを行なったりして販売していました。toC向けの販売というと、ECモール「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」での出品くらいでしたね。
会社としてtoC向けの販売を強化しようという動きが出始め、2018年8月、自社ECサイト「バイセルオンライン」(現:リユースセレクトショップバイセル オンライン)がオープンしました。私は、2019年5月からバイセルオンラインのSEOも担当するようになり、販売事業に携わるようになったんです。
着物とブランド品、それぞれの顧客体験を向上させるため専門サイトを開設
─── そのあとにバイセルブランシェが生まれるんですね。どのような背景があったのでしょうか?
志賀:バイセルオンラインでは、着物もブランド品も一つのサイトで販売していました。しかし売れている物をみてみると、9割9分は着物関係だったんです。
「サイトのデザインが着物寄りなので、ブランド品の販売には向いていないのではないか?」「着物を買う目的の方が集まっているサイトなので、よくない顧客体験につながっているのではないか?」と思うようになり、着物とブランド品を別サイトにわけて販売するべきだとEC事業部に提案しました。
─── 志賀さんが提案して、「バイセルオンライン」(現:リユースセレクトショップバイセル オンライン)は着物専用になり、ブランド品を販売する自社ECサイト「バイセルブランシェ」が生まれたんですね!
志賀:そうです。私が言い出しっぺです(笑)。2020年2月、バイセルブランシェがオープンしました。
バイセルブランシェのサイト制作を担当し、運用も行なうなか、ECサイトの運営に興味が湧いてきたんです。もっと幅広くマーケティングに携わりたいと思い、2020年7月からEC事業部に異動して本格的に関わるようになりました。
─── 最初はどのようなスタートでしたか?
志賀:サイトのUI改善や決済方法の拡充、キャンペーンのほかにもメルマガ、SNSなど、さまざまな手法に取り組んでいましたが、最初からうまくはいきませんでした。着物専門になったバイセルオンラインは順調に成長を続ける一方、バイセルブランシェはしばらくは予算を達成できずにいましたね。オープン初月の売上はゼロでしたし、翌月も20万円ほどだったと思います。
ゼロからのスタート。二人三脚で売上成長
ショッピング広告では、強化商品の見極めがカギとなった
─── では、ソウルドアウトとの取り組みを始めたきっかけを教えてください。
志賀:当時の担当者から聞いた話では、バイセルオンラインがオープンした2018年夏頃にソウルドアウトさんにご相談させていただいたそうです。私が担当するバイセルブランシェは、2020年2月のオープンから2か月ほどが経った頃、デジタル広告の取り組みが始まりました。
広告での集客を始めてサイトへの訪問数自体は伸びましたが、売上がつかず、最初はかなり伸び悩んだ記憶があります。
奥村:ROAS(広告の費用対効果)は100を切っていたと前担当者から聞いています。とにかくセッション(サイトへの訪問数)を増やすことを目的に、広告を配信していたそうです。
セッションを増やし、そのリストがコンバージョンにつながるよう、Criteoなどの配信にも挑戦。しかし、なかなかコンバージョンにつながらず悩んでいたみたいで。
志賀:着物専用のバイセルオンラインの広告配信と、競合が多いレッドオーシャンの市場にいるバイセルブランシェの広告配信とでは、難易度が違いましたね。
売上の観点で成果をみているとかなりきつかったんですが、最初は広告配信の目的が違うとわかっていたので、なんとか続けてあとから売上につながればいいなと考えていました。
─── 本当にゼロからのスタートだったんですね。
志賀:そうです。そのときどきで、最適な広告媒体を選んで取り組んできました。
Criteoは、出稿条件であるサイト訪問者数月間4万UU(ユニークユーザー)以上を超えたときに広告配信を始めたんです。しかし必要ないという判断で一度は停止し、また2023年8月から配信を再開しています。
いろいろな広告媒体にチャレンジする一方で、Googleのショッピング広告だけは継続して配信してきましたし、今も売上の柱です。様々な試行錯誤を続け、現在、売上は右肩上がりで成長しています。
─── ショッピング広告では、どのような施策によって成果が上がってきたのでしょうか?
奥村:いくつか売上が上がるフェーズがあったそうです。
ショッピング広告を始めた当初は、全商品で広告配信をしていました。セッションは増えるけれど、売上に結びつかない。そこで、配信商品を絞り込んだところ、成果が向上していったんですよね。
志賀:そうですね。これが、最初に売上が伸びたフェーズだったと記憶しています。限られた予算の中でいかに効率的に運用していくか。ソウルドアウトさんとは密にご相談させていただいていました。私たちの状況に合わせて、都度、迅速な対応をしていただきましたね。
─── 強化商品を決めて配信することでパフォーマンスが向上したんですね。
志賀:私たちのリユースビジネスにおいて、「仕入れ」は「買取」をした商品です。通常の小売業のように、希望の商品を希望した時期に入荷できるわけではありません。
買い取った商品をできるだけ早く売り、回転率(※)を上げて在庫を抑制することがリユースビジネスの成長の要です。そういったビジネスモデルもソウルドアウトさんにはご理解いただけたと思います。回転率の悪いものをいかに売るのかを意識して、広告配信をしていました。
頻繁で緻密な情報共有でスピーディーに広告配信
─── 在庫と照らし合わせながら、強化商品を決めていったんですね。かなり密に連絡を取られていたのでしょうか?
志賀:はい、毎週のように連絡を取り合っていたと思います。入荷された時点で商品をチェックして、ECサイトへの出品前にソウルドアウトさんにお伝えするようにしていました。
買い取られ入荷した商品は、すべてがECサイトでtoC向けに販売されるわけではなく、toCとtoBに仕分けられます。そしてECサイトでの出品が決まった商品は、「ささげ」という工程を踏みます。ささげとは「撮影・採寸・原稿」 の頭文字を取ったもので、商品を撮影し、サイズを測り、情報を書くという作業のこと。ささげ業務が完了次第、商品はECサイトに掲載されます。最終的に出品される商品は、入荷商品のうちの4割ほどです。
もともとは、出品された商品ばかりを見ていました。しかし、出品されたあとにソウルドアウトさんに連絡して広告配信の準備に入って……となると、どうしてもスピードが遅くなってしまう。
ですので、いつ何が入荷されるのか、その情報をすばやくキャッチして、すぐにソウルドアウトさんに情報を共有していました。例えば、「来月ジュエリーがたくさん入りそうなんですが、強化しませんか?」とか。出品前に配信準備をしてくださり、タイミングが合って、結果を残すことができました。
奥村:配信する商品を何度も入れ替えていたと聞いています。志賀さんがかなり細かく事前に共有してくださるので、スピーディーに施策を実行でき、それがいい結果につながったんだと思います!
─── チームでの連携が、いい成果につながったんですね!その後、どのような変化がありましたか?
奥村:SSC(スマートショッピングキャンペーン)というプロダクトが登場したので、切り替えて配信を行ない、さらに良くなっていったそうです。
SSCは、従来のショッピング広告の機能に、動的リマーケティング機能を加え、初期設定以外の運用を自動化できるもの。SSCをうまく活用し、売上が拡大していきました。その後も、P-maxというプロダクトが登場し、さらに売上が伸びたと聞いています。
Google側のプロダクトのアップデートの波にうまく乗れたことは大きいですね。それに加えて、BuySell Technologiesさんでも商品数が増えたり、キャンペーンを開催したりしながら、売上が伸び、新規のお客さまもリピートのお客さまも増加していきました。
志賀:正直、上手くいかなかったときはECサイトの閉鎖を迫られるような時期もありました(笑)。ですが、商品を絞って配信しようという方向に舵を切り、自分の中で覚悟を決めてチャレンジしてきた結果、売上は右肩上がりに上昇し、広告予算も拡大していきました。
昨年度対比売上630%超えを達成
─── 試行錯誤の末、バイセルブランシェはどのような結果を得ることができたのでしょうか?
志賀:2022年度は、2021年度対比で売上は633.8%、利益は468%に伸長しました。さらにBuySell Technologies全体として、売上に占める自社EC比率は3.5ポイント上昇しました。この数字は、今も継続して右肩上がりに成長しています!
今年度は、さらに自社ECに力を入れていきたいと考えているので、引き続きいろいろな施策にチャレンジしていきたいです。
奥村:よろしくお願いします、がんばりましょう!
会社全体の売上に貢献し、MVPを受賞
─── すばらしい成長率です。社内での反響はありましたか?
志賀:すごいことが続けて起きました。
奥村:びっくりしましたし、とても嬉しかったです!
─── 何でしょう……?具体的に教えてください。
志賀:2022年度のバイセルブランシェの成長が、会社全体の成長に大きく貢献したことを認めていただき、私自身、EC販売事業部のMVPとグループ会社を含む全社MVPを受賞しました!
また、奥村さんも2023年の夏に新人賞を受賞されましたよね。苦しいこともありましたが、チーム一丸となって取り組み掴んだ結果が表れました。
─── 非常に嬉しい結果ですね!すばらしいです!
今後の展望
さらなる高みを目指して広告精度の向上を
─── それでは最後に、今後取り組みたいことを教えてください。
志賀:今期の目標予算は、昨年よりもかなりアップします。だからといって、真新しいことや奇をてらったことにチャレンジしていくのではなく、やるべきことを着実にやっていくだけです。
広告施策では、配信媒体を増やしていく施策も、精度を上げていく施策もどちらも重要だと感じていますね。また、広告以外の部分では、サイト内の導線の見直しやメルマガの改善など、顧客体験の向上のために、一年かけて一つひとつ取り組んでいきます。
奥村さんをはじめとして、ソウルドアウトさんは提案が多く、情報共有もスピーディーです。猪のように勢いよく突っ込んできてくれるといいますか(笑)。私はEC担当ではありますが、常に業界情報を追いかけられているわけではありません。「そんなにあるのか」というほどたくさんお話をしていただけるので嬉しいです。
ソウルドアウトさんの皆さんとは、本当にラフに意見交換をし合えるので、今後もこの良い関係を続けていければと思っています。
奥村:ありがとうございます。志賀さんは、何か提案をした際にいつも一緒にチャレンジしてくださるんですよね。2024年はより高い目標になるので、引き続き新たな施策にチャレンジしつつ、売上拡大につなげていきたいです。
志賀さんのお話にもあったように、中古販売は在庫状況を見極めて広告でいかに売るか、ということが重要。データ整備にも注力して、より効率よく売上が上がる仕組みを広告でつくっていきたいと思います。
引き続きチーム一丸となって高い目標に向けてがんばります。今日はありがとうございました!
編集後記
ゼロから二人三脚で歩んできたチームの皆さん。事業が成長する道筋にソウルドアウトが伴走してきたことを知りとても嬉しく思いました。これからのさらなる成長が楽しみです!
【インタビュー・執筆・編集:みやたけ(@udon_miyatake)】
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