クッションページ(記事LP・アンケートLP)のトレンドと成果を最大化させるための作り方とは。
広告と商品ページの緩衝材(クッション)となり、ユーザーの購買意欲を高めるための仕組をもつ「クッションページ」。デジタル広告の運用には欠かせない存在であり、代表的なものに記事LPやアンケートLPがあります。
成果を出せる記事LPやアンケートLPを研究してきたソウルドアウトと、デジタル広告業務をDXするプラットフォーム「Squad beyond」を開発・提供してきた株式会社SIVA。
「Squad beyond」は、デジタル広告に必要なあらゆる機能(制作、計測、分析、改善、最適化、レポーティング、CRMなど)を備えています。
今回のnoteでは、両社が考えるクッションページの在り方や、成果を最大化するために大切なこと、今後の展望を語っていただきました!
記事LPとアンケートLPの違いとは
大企業はアンケートLPを好む
──── では、まずはじめに自己紹介をお願いします!
原:株式会社SIVAでGrowthTeamsのマネージャーを務めています。GrowthTeamsでは、「Squad beyond」を知っていただくためのマーケティング活動や、Squad beyondへお問い合わせいただいた方へのご提案やコンサルティングを実施しながら、市場を作ることに取り組んでいます。
白戸:私はCRS(クリエイティブストラテジー)グループでグループ長を務めています。これまで広告クリエイティブの制作から運用までを担う組織やクリエイティブ中心のディレクターチームで活動し、一貫してクリエイティブに取り組んできました。
2年前には、公式noteでアンケートLPを100本調査した結果を公開しました。そのnoteが話題になり、お客さまから指名でお問い合わせをいただいたり、記事寄稿の依頼をいただいたりしました。
先日は、LP300本を調査した結果の分析を公開しています!
──── クッションページに長年携わってきたお二人に伺います。最近のクッションページの傾向に変化はありますか?
白戸:アンケートLPに関しては、大手企業での活用が多くなってきた印象がありますね。最近X(旧 Twitter)でも、アンケートLPの配信が目立ちます。
アンケートLPという形式だと公式感があり、信頼感が出るんです。ユーザーにとっても、知名度の高いブランドの会社だと気軽に回答しやすい。相性がいいんだと思います。
原:そうですね。もともとは仮説だったものが、現在は結果として証明されていますよね。
アンケートLPは、回答するメリットがわかりやすいことがポイントです。それは、企業としてわかりやすいということであり、企業の知名度が高い大手企業でよく活用されているという結果につながっていると思います。
一方、アンケートLPでは効果が得られにくい場合は記事LPを活用して、記事を読んで商品を知ってもらい、購買意欲を高めてもらう方法が適しています。
白戸:そうですね。記事LPだと、大手企業の活用は少なくなる印象があります。企業規模によって変わってくるのではないでしょうか。
──── なるほど。記事LPは、まだ知名度の低い企業で活用されている場合が多いんですね。
白戸:記事LPは、読み物型のコンテンツで、伝えられる情報量が多いです。まだ知られていない商材の理解を促進して、購買意欲を高めるための情報提供を目的に活用されています。
また、最近では「開発者にインタビューしました」など企業の内側を見せる形式のものや、企業のブランディングを意識した内容のものも増えてきましたね。
購買意欲を高める手段・機能が異なる
──── 記事LPでは伝えられる情報量が多いので、商材への理解が促進され、購買意欲の向上につながることがわかります。一方、情報量が少ないアンケートLPでも、購買意欲の向上に寄与できるのでしょうか?
白戸:そうですね、アンケートLPでは、記事LPと異なる方法で購買意欲を向上させます。クリック(回答)するというアクション(行動)によって購買意欲を引き出すんです。
アンケ―トに回答することでもらえるインセンティブが魅力的であれば、回答した段階で「最後までやろう!」となりやすい。心理的な観点からも誘導がしやすいんですよね。記事LPと違って、読んでもらうのではなく答えてもらうことで人の心を動かします。
原:人の心理をいかしたものでもあるんですね!知りませんでした。
──── クッションページをよく使っている業種・業態を教えてください!
白戸:ソウルドアウトでは、スキンケア系やエステなどの店舗来店系が多いですね。数は少ないですが、金融セミナーのプロモーションでも使ったことがあります。無形商材でも活用例があります。
原:Squad beyondの利用企業だと、直近ではコーチング事業、総合通販、住宅販売など業種に広がりが見られるようになってきました。
大きな成果は、小さな検証の積み重ねからしか生まれない
──── では、クッションページの配信で重要なことを教えてください!
白戸:配信して終わりではなく、分析や改善といったPDCAを回すこと、特に数をこなすことです。クッションページを最適化していくためには、試行錯誤の連続、試行回数の多さこそが肝となります。
一つの商品・サービスが選ばれる理由はたくさんありますよね。その分、ユーザーもたくさんいるわけです。記事が一つだけ、訴求内容も一つだけ、そんなクッションページは一部の人にしか届かないでしょう。いろいろなクリエイティブのパターンを試すことで、届くユーザーの層が広がります。だからこそ、PDCAの数をこなすことが大事なんです。
原:白戸さんのおっしゃる通り、デジタル広告の運用者は、PDCAを多く、スピーディーに回すことが求められています。
そして運用者自身、改善のためのアイデアをたくさんもっています。しかし、アイデアをすべて実行するとなると、どれだけ面倒かも分かっている。本来やりたいことに、リソースの問題で諦めてしまい、取り組めていない現状があるんです。
──── PDCAが大事であり、そのためのアイデアもたくさんある。しかしそれに取り組めない現状がある……心苦しいです。ソウルドアウトでもそういったことがあるのでしょうか?
白戸:例えば、私たちソウルドアウトでは、生活者にとって信頼してもらえる広告を実現するべく、第三者ドメインによるクッションページの配信を行なわず、広告主のドメインで配信をしています。
なので、クッションページを改善しようとすると、HTMLファイルを広告主に依頼してサーバーにアップし直してもらう必要があるんです。
となると、例えばファーストビューだけ変更したい、といった簡単な改修でもサーバーアップに時間がかかってしまう場合が多くて。なので、スピーディーなPDCAを多く繰り返すことを難しく感じていました。
そんなときに、SmartNews社のご担当者からSquad beyondを紹介いただいたんです。
▾先日、導入理由についてインタビューしていただきました。
──── 運用上の障壁に感じられていたことを、Squad beyondの活用でどのように解決されたのでしょうか?
白戸:Squad beyondでは、広告主のドメインに対してサブドメインを取得し、配信するクッションページを設定することができます。
先ほど述べたように、これまでは小さな改修でも広告主のサーバーアップという工数がかかっていました。しかしSquad beyondの導入で、その工数がゼロに。広告主の許諾さえあれば、スピーディーに変更・配信を行なうことができるようになったんです。
ある案件では、検索キーワードに合うような設問のアンケートLPを作って配信したり、多数の訴求を試したりするなど、PDCAを繰り返したおかげで、獲得率が上昇しました。
原:すばらしいです!大きな成果は、小さな検証の積み重ねからしか得られません。小さな検証をどれだけ多く回せるか、が実は近道なんですよね。
Squad beyondは、デジタル広告で圧倒的な成果を得られるような仕組みを実現していきたいと思っています。
──── 白戸さんはSquad beyondを活用して、小さな検証を積み重ねていったんですね。
白戸:そうですね。ほかにも、アンケートLPからの遷移先の検証も行ないました。
アンケートLPから商品LPに遷移するのか、商品カートに遷移するのか。二パターンで検証した結果、商品カートにすることで獲得率が上昇しました。商品LPへの遷移前に商品情報が把握できるので、遷移先を商品LPではなく商品カートにすることで、スムーズに購入に導けたんだと思います。
このとき、一つのURLで複数のページを配信できるSquad beyondの機能が役に立ちましたね。
従来のクッションページの配信では、サーバーにアップしてしまうと配信内容の切り替えはできませんでした。ですが、Squad beyondでは同じURLで配信内容をいつでも変えられます。何度も入稿し直さなくていいので工数が減りましたし、同一条件下で配信できるので、媒体の学習も崩れません。検証がより正確にできるようになり、データの信頼性も担保できます。
原:広告クリエイティブのABテストは手段でしかありませんが、目的になりがちなんですよね。ABテストという手段で改善を行ない、良い結果を得たい。ならば極力、手間を省いてあげたいんですよね。
広告運用者のやりたいことをいかに簡単に実現するかが、私たちSquad beyondに求められていることだと感じています。
これからも成果最大化を目指して
生活者が安心・信頼できる広告で成果を出す
──── Squad beyondの生まれた背景に、デジタル広告の透明性や安全性を実現したいという思いがあったと、ある記事で拝見しました。そういった思いのもと、Squad beyondに実装されている機能はありますか?
原:実は先日、デジタル広告業界のリーダーであるGMO NIKKO株式会社と提携し、革新的な広告LP(ランディングページ)の審査機能をリリースしました。GMO NIKKO社が運営する広告配信プラットフォーム「ReeMo(リーモ) byGMO」と連携し、制作されたページすべてを審査し、審査状況に応じて表示可否がコントロール可能です。
本機能によって広告の透明性と信頼性が高まります。生活者は安心してデジタルコンテンツと対話できるようになり、広告主はブランドイメージを守りながら、コンプライアンスリスクを最小限に抑えることができるようになるのです。
プラットフォームの審査プロセスが効率化すれば、多くの広告掲載が可能になります。今後は、生成AIなども活用しながら機能をアップデートしていき、業界全体の成長に貢献したいと考えています。
(参考:広告LP(ランディングページ)審査機能に関するプレスリリースはこちら)
──── スピードが求められる広告業界では、期待の大きい提携のニュースだと思います。ソウルドアウトグループでも、デジタル広告の健全性・安全性の向上に向けた取り組みがなされていますよね。
白戸:そうですね、私たちソウルドアウトグループには、グループ横断で審査を行なう「広告審査本部」という組織があります。公正な審査ができるよう、売上に責任をもたない組織です。
昨今のデジタル広告を取り巻く環境は大きく変化しています。薬機法や景表法、ステマ規制といった法規制。また、差別表現や誹謗中傷に該当するような問題にもかなりセンシティブになってきたと思います。
私たちは媒体審査に依拠せず、社内の審査ポリシー・ガイドラインを遵守した上で広告を出稿しています。時間と手間はかかりますが、ユーザーにとって不利益にならない広告を出すことは私たち広告代理店の責任。生活者が安心・信頼できるデジタル広告を目指して、広告品質を良くしていく取り組みを続けていきたいと考えています。
先日も、デジタル広告市場の健全な発展を目指す認証機構「JICDAQ」の「ブランドセーフティ」と「無効トラフィック対策」分野で認証を更新しました。質の高い広告の提供と安全な広告取引の提供を推進すべく、取り組みを続けます。
審査を厳しく行なうからこそ、正しい訴求で成果を出すためにPDCAをフル回転させ、勝ち筋を見出すことが大事ですね。
生成AIとの掛け合わせで広がる未来
──── では最後に、今後のクッションページの傾向についての見解を教えてください。
白戸:昨年10月のステマ規制をはじめとして、法整備は厳格化されており、今後もデジタル広告に対する世間の目は厳しくなっていくのではないでしょうか。
一方、クッションページの傾向は、ここ1、2年では大きくは変わらないと思います。私自身、数年前にクッションページ内に動画を埋めこんだものを配信したことがありましたが、そのときは全くうまくいきませんでした。もしかしたら、そういった動画をメインにした新しいクッションページが今後は流行るかもしれませんね。
──── 記事LPやアンケートLPなど、テキストを中心としたクッションページでは、昨今話題になっている生成AIの活用もポイントになってきそうです。
白戸:そうですね。生成AIを活用して、テキストを少しだけ変えてABテストを行なうなど成果改善に寄与するようになれば、広告成果の最大化につながっていく未来があると思います。Squad beyondでも生成AIを活用できる機能ができることを期待しています!
原:そうですね!お客さまがもっと成果を出しやすい状態をつくっていきます。白戸さんがおっしゃってくださった生成AIとの掛け算はもちろんのこと、ソウルドアウトさんとの連携を強化し、機能改善や進化、審査機能の活用促進につなげていきたいと思います。
編集後記
デジタル広告への関わり方は違えど、業界に対する同じ思いを聞くことができました。今後も、広告の安全性と成果とを両立した記事LPやアンケートLPが、お客さまの成果向上に結びつく。そういった事例をnoteで発信していき、noteとしても業界の成長に貢献していきたいです!
【インタビュー・執筆:みやたけ(@udon_miyatake)】
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👇 白戸が執筆した記事はこちら
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