見出し画像

Google広告が推奨する「価値に基づく入札戦略(VBB)」を活用して、広告コンバージョンの質を向上させる。ビジネスのROI(投資利益率)を最大化!

BtoBなど非ECのビジネスモデルでは、広告のコンバージョンが最終成果(売上など)に直結するとは限りません。そういった場合、コンバージョンの質が課題となるケースも多いです。

そこで今回ご紹介するのがGoogle広告が推奨する「VBB(Value Based Bidding)」という広告運用手法。

広告運用の本質的な成果に伸び悩んでいる方、必見です!


価値に基づく入札戦略(VBB)とは?

VBBとは「Value Based Bidding」の略で、直訳すると「価値に基づく入札」という意味です。

「入札」は、運用型のデジタル広告で重要な要素です。
「手動入札」「自動入札」の二つがあり、「自動入札」では、

  • サイトアクセスを増やす

  • 視認性を高める

  • 目標コンバージョン単価でコンバージョンを増やす

など自社の目標にマッチする「入札戦略」を選択することで、自動的に入札単価が調整され、広告配信を行なうことができます。

十分なデータがあれば、機械学習が十分に機能し、適切な入札単価を設定することが可能です。

(参考:自動入札機能について - Google 広告 ヘルプ

VBBは、この「入札戦略」の考え方のこと。詳しく説明していきます。


ECでは、ROAS重視の運用が主流


ECの広告で一般的になってきたのが「ROAS」を重視した広告運用です。ROAS(Return On Advertising Spend)とは「広告の費用対効果」のこと。

▸補足
ROASとは「売上高/広告宣伝費」のことで、広告宣伝費の費用対効果のことを指す。より一般的な「売上高広告宣伝費比率=広告宣伝費/売上高」は、売上高に占める広告宣伝費の割合をいいますが、ROASとは逆数の関係。

従来は1コンバージョン(CV)あたりの広告費がいくらか?という「CPA(獲得単価)」を重視した広告運用がされてきました。ですが例えば、5,000円の服の購入(CV)と20,000円の靴の購入(CV)とでは、1CVあたりの売上への影響度が違います

ここで登場するのが「ROAS」です。

広告費10,000円だとすると、

  • CPAは、5,000円の服も20,000円の靴も、10,000円で同じ

  • ROASは、5,000円の服が50%、20,000円の靴が200%

「ROAS」を重視した運用だと、「ROAS」の高い靴を買いそうな人(ターゲット)に対して広告の入札を強める動きをとることができます。

売上拡大に向けて、より効率的な運用が実現できるということです。

つまりECの場合、一般的に「目標広告費用対効果(tROAS)」という入札戦略が選ばれます。

非EC(Web上で完結しないビジネスモデル)では?


一方、Webで完結しないビジネスモデル(非EC)の場合で考えます。

例えばとあるBtoB商材。
ユーザーは「広告閲覧・サイト来訪>資料請求>問い合わせ>商談>成約」という経路を辿ります。

十分に機械学習が機能し、適切な入札が行なわれるためには、十分なデータが必要です。

そこでWeb上では、「資料請求」「問い合わせ」「商談」をマイクロコンバージョンとして設定します。そして、下図左のように、入札戦略「コンバージョン数の最大化」を選択。この場合3つのどのコンバージョンも「1コンバージョン(CV)」として計測されていました。

しかし、3つのCV地点はそれぞれビジネスに与える影響(価値)が異なります。例えば「商談」は、ビジネスの最終的な目標である「成約」へ一番近いので、3つのうちで最も価値が高いといえますよね。

そこで、上図右の入札戦略「コンバージョン値の最大化」が活躍します。各CVに金銭的価値を設定し自動入札に活用します。

CVの価値を重視して運用することで、価値の高いCV(ここでは「商談」)がより多く獲得に結びつくように(=価値の高いCVに結びつきそうな人(ターゲット)に)広告が配信されるようになり、質を重視した運用が実現するというわけです。


コンバージョンの価値に基づく入札戦略


この運用手法が今回ご紹介する、Google広告が推奨する「VBB(Value Based Bidding)」、「価値に基づく入札戦略」です。各CVに「価値」を割り振り、価値に基づいた入札を行ないます。

VBBに当てはまる自動入札戦略は2つあり、「①目標広告費用対効果(tROAS)」と「②コンバージョン値の最大化」です。

①は、明確に広告の費用対効果(ROAS)が決まっている場合、
②は、ROASが決まっておらず、予算内で最大限のコンバージョン値を得たい場合におすすめ。

VBBを導入すると、

「価値の高いコンバージョン」に重点をおける
「価値の高いコンバージョン」と「価値の低いコンバージョン」を区別し、「価値の高いコンバージョン」を優先して入札。

↓ だから、

キャンペーンがビジネスのROI(投資利益率)を最大化するように運用できるのです。


コンバージョンの価値の決め方(Web上で完結しないビジネスモデルの場合)


価値の決め方には主に3つあり、

  1. Webで得られるリード(≒CV地点)から売上までの転換率から逆算

  2. リード獲得後のステップ地点の転換率から逆算

  3. 実績データからユーザー属性別の転換率または売上を算出

ひとつずつ解説していきます。


1. Webで得られるリード(≒CV地点)から売上までの転換率から逆算

例えば、Web上のCVである「問い合わせ」において、「電話」と「メール」で最終地点の「受注」までの転換率が異なる場合、

同一の評価から転換率に沿った重みづけをします。


2. リード獲得後のステップ地点の転換率から逆算


3. 実績データからユーザー属性別の転換率または売上を算出

フォームの選択内容(年齢、年収、役職など)によって重要度の重みづけをします。


💡実施の手順


上記の方法でCVの価値を設定できたら、実装していきます!
本記事では、少しだけご紹介させていただきます。

1.価値の設定
広告管理画面で「コンバージョン(CV)目標」を作成し、CVの価値を設定

Google広告の管理画面

2.タグの設置
価値を設定した「コンバージョンタグ」を、CV地点に設置

3.入札戦略の変更
入札戦略「コンバージョン値の最大化」または「目標広告費用対効果(tROAS)」を設定

※注意点
すでにタグが設置されている場合には、タグに記載されている「コンバージョン値」の修正が必要です。

※詳しくは公式ヘルプページを参考になさってください。
目標広告費用対効果に基づく入札について - Google 広告 ヘルプ


成果事例

① BtoB商材|商談数2.4倍に増加・商談単価3分の1に改善


▍概要

  • 建設業界向けIT製品(BtoB商材)の検索広告

  • CV地点:「資料請求」「お問い合わせ」「商談」

  • ビジネス上の目標:「商談数」「商談単価」

▍施策

  • オフラインコンバージョンデータ(商談した顧客データ)を活用

  • 入札戦略を「コンバージョン数の最大化」から「コンバージョン値の最大化」に変更

  • 過去の商談化率が高いキーワードを洗い出し、目標単価に合うキーワードのみ設定

▍結果

  • 商談数:2.4倍に増加

  • 商談単価:1/3に改善


② BtoC商材|顧客単価1.7倍に増加


▍概要

  • 多品種EC(BtoC商材)のP-MAX

  • CV地点:「購入」

  • ビジネス上の目標:「売上」

▍施策

  • オフラインコンバージョンデータ(顧客データ)を活用し、顧客単価別に価値を設定

  • 入札戦略は「目標広告費用対効果(tROAS)」のままで変更なし

▍結果

  • 配信量を伸ばしながら獲得件数を積み上げつつ、顧客単価を向上

  • 顧客単価:1.7倍に上昇

さいごに

Googleが注力する「VBB(Value Based Bidding)」は、デジタル広告においてますます重要度が高まっています!広告のさらなる成果改善のためにも、ぜひVBBの配信を試してみていただきたいです。

VBBに関するご相談は、下記フォームからお気軽にお問い合わせください!

お気軽にご相談ください!

[ 執筆者 ]
板倉 圭佑(いたくら けいすけ)/リードビジネス本部第1グループ
2022年入社。BtoB企業を中心に広告運用を行ない、現在は営業、クリエイティブ制作領域でもご支援しています。Meta認定リードトレーナーの資格をもっています!

👇広告運用に関するTipsはこちらのマガジンにもまとめています!


ソウルドアウト公式noteでは、週に1~2回ほど、デジタルマーケティングに関する情報をお届けしています!
ぜひ、フォローをお願いします🔥

デジタルマーケティングに関するご相談・お問い合わせはこちらからお願いします🔥