$6 Output - DIY Eurorack Modular Synthesizer
背景
自作モジュラーシンセの81作品目。
モジュラーシンセの音声信号は-5~+5Vが一般的であり、一般的なオーディオレベルと比較して大きい。
ヘッドフォンや外部危機を繋げると信号が歪んでしまうため、信号を適正なレベルまで落としてやる必要があり、その際に使用するのがOutputモジュールだ。
一般的に市販されているOutputモジュールの相場は13000円程度。音声出力する機能しかない割には、やや高額に感じてしまう。
その割には回路は簡単なため自作するメリットが大きいモジュールでもある。
制作物のスペック
ユーロラック規格 3U 6HPサイズ
電源:20mA( ±12V )
LINE outとヘッドホン outの2出力を備えたステレオアウトプットモジュール。
モノラル信号をステレオ両チャンネルに出力することも可能。
Light(mono) input:L信号入力。R inputにプラグが未挿入の場合は、L信号が両チャンネルに出力される。
Right input:R信号入力。
Line volume:Lineのボリューム調整
Headphone volume:ヘッドホンのボリューム調整
Line output:ミキサーなどの高インピーダンスの接続を想定
Headphone output:ヘッドホン等の低インピーダンスの接続を想定
使用を想定しているヘッドホンは
インピーダンス:60ohm
効率:100dB/mW
程度の仕様を想定している。
特殊なモニター用ヘッドホンでない限りは十分な音量は得られると思われる。
製作費
総額約$6
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NE5532 $0.1
TL074 $0.4
フロントパネル $1
Aカーブ2連Pot $1 *2pccs
両極性電解コンデンサ $0.2 *2pcs
他(汎用部品は下記リンク先参照)
NE5532はaliexpressから購入。$0.61/10pcs
ハードウェア
回路全体は以下の通り。
標準的なオーディオアンプ回路としている。
C1,C2の電解コンデンサは無極性(両極性)を使用している。
2連POTは50kohmだが、100kohmを使用しても問題ない。
日本では100kohmの2連POTの購入先が少ないため、50kohmにしてるだけだ。
ヘッドホン出力回路
回路の右下。
ヘッドホンを大音量で鳴らすためには、十分な電流を流す必要がある。
ヘッドホンの性能は機種によってさまざまだが、私が使用しているヘッドホン(インピーダンス:60ohm 効率:100dB/mW)で十分な音量が得られる出力抵抗とした。
また、何らかの不具合でヘッドホン出力がGNDとショートした場合でも、ICが壊れない設計をする必要がある。
R2,R4の抵抗値が小さいと、オペアンプが発熱で壊れたり、電流定格を上回る可能性があるため、330ohmを設定した。
使用するオペアンプは、TL072でも、NE5532でも問題ないが、ヘッドホン側はNE5532を推奨する。
オペアンプ発振対策
オペアンプ出力の発振対策として、フィードバック回路に10pF程度のコンデンサを設置して、ローパスフィルタを形成することが一般的だ。
フィードバックのコンデンサを無い状態で、30kHzのパルスを入力した波形は以下の通り。
入力(yellow)と出力(blue)を比較すると、出力波形の角が尖っていて共振してしまっている。
C5,C6の様に10pFのコンデンサを入れてやると、共振が無くなり、入力と出力の波形の形が一致した。
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