$5 Low Pass Gate - DIY Eurorack Modular Synthesizer
背景
自作モジュラーシンセの82作品目。
以前、浜松にあるbar tehomさんのイベントに参加した際に、DIY buchlaの実演を聴かせていただいた。その際に非常に魅力に感じたのが以下の3つだ。
1.Low pass gate
2.5step sequencer
3.spring reverb
いつかDIYしたいと思ってたので今回はLow pass gateモジュールを企画した。
Low Pass Gate(LPG)
既にあらゆるメディアで紹介されているので詳細は避けるが、バクトロール(アナログフォトカプラ)の減衰特性を有効活用した、VCA+VCF機能を備えるサウンドプロセッサーだ。
私はLPGによるパーカッシブなサウンドに非常に魅力を感じたので、今回DIYするモジュールはパーカッシブに特化した機能を付けることとした。
制作物のスペック
ユーロラック規格 3U 6HPサイズ
電源:10mA( ±12V )
アナログフォトカプラを使用したLow pass gateモジュール。
安価で入手性の良いバクトロールを使用している。
VCFは1poleにすることで部品点数とコストを下げている。背反として共振機能は備えていない。
OFFSET:VCF&VCAの効き具合の調整
TRIG LEVEL:トリガー入力に対する感度の調整。感度を高くすると、VCF&VCAが効きやすくなる。
VCF SW:VCF機能のON/OFF切り替え。VCAとして使用るる場合はOFFにする。
VCA SW:VCA機能のON/OFF切り替え。低音のパーカッションを作る場合はOFFにすると伸びのある音が作れる。
CV IN:VCF&VCAの効き具合の調整。0~3Vくらいにスイートスポットが出るように調整してある。
TRIG IN:Triggerを検出すると一瞬だけVCF&VCAが開き、パーカッシブな音を作ることができる。GATE to Trigger機能とLEDインジケータを備える。
AUDIO IN:音声入力
AUDIO OUT:音声出力
製作費
総額約$5
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バクトロールLCR-0203 $1
TL074 $0.4
フロントパネル $1
可変抵抗 $0.2*2pcs
スイッチ $0.2*2pcs
他(汎用部品は下記リンク先参照)
今回のモジュールの中核となる部品はバクトロールだ。バクトロールの応答性(減衰特性)で音のイメージが大きく変わる。
一般的にはVTL5C*シリーズの特性が良好とされているが、価格は$3以上と高額かつ、日本国内では入手性が悪い。
VTL5C*に代わり、今回は中国産のLCRシリーズを使用している。秋月電子やaliexpressで取り扱いしており、安価かつグローバルで入手可能だ。
音がいいか悪いかは、動画を見て判断してほしい。
私は好きな音だ。
また、バクトロールを選定するにあたり4種類(LCR0202、LCR0203、LCR1506、NSL7053)の減衰特性を比較した。
patreonで簡単な記事を書いているので、興味のある人は覗いてみてほしい。
https://www.patreon.com/posts/109954005
ハードウェア
回路全体は以下の通り。
回路左上はGATE to Trigger回路。
回路右下はVCA+VCF回路。C7、R6をチューニングすれば音のイメージを変えることができる。
一般的なLPGは、バクトロールを2つ使用した2pole Sallen-Keyローパスフィルタを使用する事が多いようだ。
今回作成したLPGは、バクトロールは1つのみの1poleフィルタとしている。部品数とコストを下げるためだ。
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