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淡くぼかす隔たり
一昨日訪ねた、生活介護・就労継続支援B型事業所〈スタジオクーカ〉のこと。
クーカのギャラリー&カフェは、平塚駅周辺の商店街を抜けた先にある古いビルの1階にある。入り口は小さなギャラリースペースになっていて、訪れた日は ≪歴代大繁クマデ展 ~あなたの幸せを願って辻太郎が作ります~≫ の巨大熊手が3体展示されていた。
ガラス壁から陽光が気持ちよく入る店内は、読書愛好家には「ヘヴン!」と思える最高のコンディション。木製テーブルやチェア、ソファ席などがこ洒落ている。あちらこちらに置かれた観葉植物もどこか生き生きとしている。
こちらに通所する利用者さん(メンバー)が描いたイラスト等をプリントしたポーチや文具類、クッションカバーなどが並ぶ商品展示ブースもあり、名物のパンケーキやハンドドリップコーヒーなどを待つ間、それらを手に取ってみるのも楽しい。
さらに店内には、メンバーの作業場もあるらしい。私が注文したコーヒーは、店内の一角でテナガザルのイラストを描いていた男性(マスターと呼ばれていた)が作業を止めて、ハンドミルでコーヒー豆を挽き、丁寧にドリップしてくれた(コーヒー、すっごいおいしかった。時間があれば追加したかった)。
注文したパンケーキも、女性のメンバーさんが「私が焼いたんです」とニコニコしながらホカホカ焼き立てのパンケーキを運んできた。それがとってもおいしいものだから、ノンストップでパクついていたら、厨房の方から首だけニュッとのぞかせて私を見ているので、手で〇をつくって「おいしいです~」と声をかけたら、彼女も手で〇をつくって、またニコニコしていた。
展示ブースがあったり、あちらこちらがパーティションで仕切られていたりと、物理的な空間としてはゆったりしているとはいえないけれど、なんというか、この店の空気が、雰囲気が、実にゆったりまったりしていて、気持ちがいい。そしてフードもドリンクもおいしいなんて最高。まさに「ヘヴン!」。ご近所に欲しい。そして、辻太郎さん含め、メンバーさんも、彼らをサポートするスタッフさんも、皆が皆穏やかな顔をしているのだった。そんな表情に触れる私もまた、穏やかな顔になっている気がした。
こういう場所にくると、障害と健常ってなんだろう? と思う。その隔たりみたいなものは必要なんだろうか? 必要ないとするならば、自分が好きなこと、できること、得意なことを生かせる環境を誰もがそれぞれに持つことで、隔たりみたいなものは淡くぼかせるのではないだろうか、と思う。
さて、本当はこれを自慢したかったのだ! 見て、この、クーカのメンバーさんによるイラストポーチ! ステキ過ぎて、買わずにはいられなかった! これを眺めると、私の顔はまた穏やか(というかニヤケ顔)になるのだった。