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どうしても書かずにはいられなかった、高校時代の不登校の想い出。
ぱぁーっとあざやかによみがえってきたんです、当時の記憶が。
発達障害当事者として、
不登校経験者として、
少しだけ、お話しさせてください。
私は、高校で不登校になりました。
高校2年の秋、気がついたら、起きられなくなったんです。
「学校に行きたくない」
なんて言った覚えはないんですけどね。たぶん。
特に前兆もなく、ある日突然、そうなりました。
「行けなくなった」というのが正しいのか、
「行かなくなった」というのが正しいのか、、
まったくもって、わかりません。
勉強はまぁまぁできたし、いじめられていたわけでもなかった(友達はいなかったけど)ので、なぜ不登校になったのか、いまだに自分でもその理由や原因はよくわからないんです。
40代後半になって自分に発達障害の特性があるとわかったときに、あのころの不登校の一因が発達障害の影響によるものだったことに気づいたくらいです。
不登校になってから、もともと悪かった家族との関係性はさらに悪化しましたね。
特に母とは、しょっちゅう喧嘩してました。
「なんで学校に行かないの!」
と、何度も何度もきつく責められました。大きな声では言えませんが(なんて言いながら書いちゃいますけど)、本気で殺されかけたこともあります。
子どもが自分の思うようにならない苛立ちを制御するのが難しかったんでしょうね。
「親娘」って、物理的にも心理的にもいちばん近い存在だから、仕方のないことなのかなと思います。手をあげるのは論外ですが。
学校の先生からも、冷めた対応をされました。
休みがちになって、行くとしても毎回遅刻して行ってたので、
「遅刻ばっかりして。なんでちゃんと来ないんだ」
って、みんなの前で怒られました。
だけど、それは最初だけでした。
「せっかくここまで来たんだから、みんなといっしょに卒業してほしい」
と、だんだん協力的になってきて。
「来たいときに、体調や気分がよくて来れそうなときに来たらいいよ。教室に入りづらいんだったら保健室に通えばいいし」
と声をかけてくれて、私が登校しやすいように何かと配慮してくれました。
私の文章力をいたく褒めてくれたのが、このときの担任の先生でした。
「あなたには文才があるから、あなたは作家になりなさい」
と強く勧めてくれて、
「この本、おもしろいよ。読んでみて」
と、たくさん本を貸してくれた。
先生と本の話ができるのがめちゃくちゃうれしくて、学校に行くのがちょっと楽しくなりました。
学校に行かない日も、先生が貸してくれた本をむさぼるように読みふけっていましたね。
私のためだけに、放課後にわざわざ時間をつくって補習をしてくださった先生もいました。
この方は、とても著名な音楽の先生です。メディアへの出演も多数されていて、ご著書もたくさんある、本当にすごい先生なんですよ。
その先生の伴奏で歌をうたわせてもらって、
「いい声してるねー」
「音感いいねー」
「リズム感もいいねー」
って、褒めてもらえたことが何気に(いや、めちゃくちゃ)うれしかった。
その後、私は音楽活動を始めるのですが、歌をうたい続けていくにあたって、あのとき先生からかけてもらったあの言葉が、どんなに私の励みになったか。
先生にとってはたぶん「たくさんの生徒のなかのひとり」にすぎないんだろうけど、私にとっては特別で、いつまでも大切にしまっておきたいくらい、忘れられない言葉なんです。
そんなこんなで、卒業に必要な出席日数はギリギリでしたが、なんとか卒業することができました。
義務教育ではないのに、私のために必死になってくれた先生。
そして、最終的には私のやりたいようにさせてくれた両親。
このとき支えてくれた人たちには感謝しかないです。
卒業から30年が経ってやっと、そのときの恩師に感謝の気持ちを伝えることができました。
親にも、あのころのことをあらためてちゃんと話して、「ごめんなさい」と「ありがとう」を伝えたかった。
ですが、両親ともすでに他界してしまったのでもう叶いません。
それが心残りです。
・・・なんだかうまくまとめられなくて、
「少しだけ」と言いながら、長々と語ってしまってすみません。
つまり何が言いたいのかというと、
「理解してくれる人」
「寄り添ってくれる人」
そういった人の存在は、
めちゃくちゃうれしいし、
とってもありがたいものなんです!!!
ここまで、ご清聴ありがとうございました。
こういった当事者の体験談が、少しでも誰かのお役に立てるのならば、うれしいことこのうえないです。
私が経験したことは、きちんとカタチにして遺そうと考えています。
いずれ、必ず。
休止中の『アスペルガーな私の半世紀×半生記』も、そろそろ復活させたいなぁ。
ここで、ソラノカナタの作品をご紹介。
不登校のその後について書いた作品「引きこもりニートと成人式」は、こちらの『電子文藝』創刊号に収録されています。
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Kindle Unlimited にご加入であれば、無料でお読みいただけます。
いろんな作家さんのいろんな作品がいっぺんに楽しめるので、とってもおトクですよ。
よかったらぜひ、読んでみてくださいね。
私の作家デビュー作となった『アスペルガーな私のやらかし人生』は、幼少期から「変わった子」と言われ続け、ずっと生きづらさを抱えながら生きてきた、ひとりのアスペルガー女性の物語。
仕事がうまくいかなくなったことで発達障害が判明し、休職・退職に至ってフリーランスになり、「作家になる」というかねてからの夢を叶えるまでを描きました。
「発達障害を前向きに生きるヒント」が、たくさん込められた作品です。
この記事で書いた、高校時代の恩師のことも綴っています。
ご興味あれば、こちらも読んでいただけるとうれしいです。
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電子版とは多少、内容が異なります(こちらが最新版です)。
当事者や支援者の方はもちろん、発達障害なんてよく知らないよーという方にも。
発達障害の正しい認知が、もっと広がりますように。
そして、生きづらさを抱えるあなたに、きっと届きますように。
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