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【特別編】開幕戦と移籍の行方

こんにちは。お久しぶりです!
皆さんいかがお過ごしでしょうか。私はまた夜更かしまみれの生活が始まることに対して戦々恐々としていますが、それをはるかに上回るワクワク感であふれています。皆さんも同じような感情なのではないでしょうか。
さて、今回は特別編ということで先日の開幕戦についての振り返りと分析、そして移籍市場の現状考察と展望について書いて行きます。トピック数はすくないですが、今回は特に内容が多い回になっており気合が入った記事になっていますので、良ければ最後までお読みください!
それではどうぞ!

プレミアリーグがついに開幕!

結果①
結果②

先週末、ついに待ちに待った2024/25シーズンのプレミアリーグが開幕しましたね!日本時間 8/17(土) 朝4:00KOのフラムvsマンチェスター ユナイテッドの1戦からスタートし、週末にわたって全10試合が行われました。ボーンマスは日曜日の0:00KOでアウェイでノッティンガム フォレストと対戦し、1-1のドローで試合を終えました。10試合全試合でゴールが生まれたWeek1ではブライトンの3得点 (対エバートン) が最多得点、ゴール+アシストでは1ゴール1アシストのFWヨネ ウィッサ (ブレントフォード)がトップ、そのほかにもアーセナルやリヴァプールなどの強豪チームが複数得点を挙げました。以下が

開幕戦 vs. ノッティンガム フォレスト を振り返る

前述通りに1-1で試合を終えたフォレスト戦を振り返ってみましょう。プレシーズンマッチも無敗 (アーセナル戦のPKは除く)で終え、満を持しての開幕戦かと思われていましたが、エースソランキが退団し代役のエヴァニウソンは登録が間に合わず (後述) ウナルも負傷しているため、即戦力クラスの本職ストライカーがゼロ。加えて新守護神の獲得も未だ叶わずパフォーマンスがかなり不安定なネトをスタメンで起用せざるを得ないという満足いかないチーム編成を余儀なくされてしまいました。また、今シーズンから新たに背番号5 (昨季はケリーが背負っていた)を背負うディフェンスリーダーのセネシがジローナ戦で負った脳震盪の影響でメンバー入りすることができなかったため、新戦力のハイセンをスタメン起用させざるを得なくなりました。これらを考慮した上で以下のようなスターティングXIが組まれました。

FotMobによるラインナップ

スターティングXI
GK 1 ネト (ブラジル)
RB 15 アダム スミス (イングランド)
CB 27 イリヤ ザバルニー (ウクライナ代表)
CB 2 ディーン ハイセン (U21スペイン代表)
LB 3 ミロス ケルケス (ハンガリー代表)
DM 14 アレックス スコット (U21イングランド代表)
DM 4 ルイス クック (元イングランド代表)
RM 11 ダンゴ ワッタラ (ブルキナファソ代表)
AM 16 マーカス タヴァニア (イングランド)
LM 17 ルイス シニステラ (コロンビア代表)
ST 24 アントワーヌ セメンヨ (ガーナ代表)

ベンチ
GK 42 マーク トラヴァーズ (アイルランド代表)
RB 28 フリアン アラウホ (メキシコ代表)
RB 37 マックス アーロンズ (イングランド)
CB 23 ジェームズ ヒル (イングランド)
CM 10 ライアン クリスティー (スコットランド代表)
CM 29 フィリップ ビリング (デンマーク代表)
AM 19 ジャスティン クライファート (オランダ代表)
AM 22 ハメド トラオレ (コートジボワール代表)
LM 32 ジェイドン アンソニー (イングランド)
ST 21 ダニエル ジェビソン (カナダ代表)

ゴールキーパーの現状の序列は予想通りのネト1番手で次いでトラヴァーズです。ディフェンスラインはセネシの離脱によるハイセン起用以外は大方予想通りでしょう。中盤は昨シーズンコンバートされ活躍したクリスティーのスタメンを予想する声もありましたが、プレシーズンでとても調子のよかったスコットが起用されました。2列目にはドリブラー3枚で、気になる前線にはセメンヨが入る形となり、ベンチにはジェビソンや昨シーズンの躍進立役者の1人であるクライファート、そしてプレシーズンでストライカーに入ったビリングが名を連ねました。開幕約1週間前に獲得したアラウホも背番号28番としてメンバー入りを果たしました。ベンチ外になったのは離脱が明言されているブルックス・ウナル・アダムスの3人と前述通りセネシ、そしてメファムらです。メファムは超有力サッカージャーナリストのFabrizio Romanoによって今夏での退団が濃厚とされていますが、今回のベンチ外の理由はイラオラ監督が試合前のプレスカンファレンスで触れていた「体調不良の選手」に該当するからだと考えます (練習にも参加しており、具体的な移籍に近づいているという話もないためチームを離脱する理由がない)。

試合は序盤からお互い前線へあまりボールを持ち込めない展開で、フォレストがボールを持つ時間がやや長いという時間が続きます。15分にアクシデントが発生し、相手MFダニーロが負傷交代し同じポジションのライアン イエーツが投入されるとフォレストが勢いを持った攻撃を展開します。そして23分、10番のギブス=ホワイトを中心としたフォレスト攻撃陣がダイレクトパスのつなぎから中盤を剥がし、ボーンマスディフェンス陣のスミスのクリアがザバルニーに当たったこぼれを途中投入のフォレストMFイエーツがシュート。これをネトがこぼしてしまいフォレストFWウッドがこぼれを詰めネットを揺らし、フォレストに先制を許してしまいます。それでも10分後、コーナーの流れからクックがグラウンダーのクロスを中に入れ、中でボールがこぼれたのをワッタラが拾いゴール左上に豪快にシュートを突き刺しました。これで一時は同点かと思われたものの、VARのチェックの結果クロスを上げたクックが微妙ではあるもののオフサイドの判定を受けてしまいゴールが取り消しになり依然としてリードを奪われたままになってしまいました。そこからハーフタイム前後はややフォレスト優勢にまま試合は膠着状態となりお互いチャンスらしいチャンスがありませんでした。しかし54分にボーンマスウインガーを封じ込めていた相手の俊足LWBアイナが足をつり交代しトフォロが投入され、63分にボーンマスがアラウホ・クリスティー・クライファートの3枚を同時投入 (スミス・スコット・シニステラがベンチへ)し、69分にプレミアデビューのストライカーで上背のあるジェビソンをワッタラに変えて投入すると徐々に状況が変わってきます。右に回ったセメンヨが相手LWBのトフォロの裏をつきはじめ、クライファートが左に流れたところから積極的に仕掛けゴールが見えてきます。そして5枚目の交代カードであるビリングをクックに変えて投入した直後の86分、クライファートのパスからエリア隅に抜けたクリスティーがグラウンダーでクロスを入れるとフォレストLWBのトフォロがクリアミスしセメンヨが詰めネットを揺らし同点に追いつきました。その後もフォレストのアウォニーとボーンマスのジェビソンの両チームの途中投入ストライカーにそれぞれ絶好機が訪れますが両者ゴールを揺らすことはできず1-1のまま試合を終えました。

試合全体の感想は、あまりよくなかったというのが率直な感想です。お互い絶好機は少なかった中で試合を優勢に運んでいたのはどちらかというとフォレストで、ホームの雰囲気はあるもののプレーの勢い自体もフォレストがかなり上回っていたように感じます。

XGに関するスタッツ (S1)
パスに関するスタッツ (S2)
チャンスクリエーションに関するスタッツ (S3)

スタッツを見てもそのことは明確です。ポゼッションは53%(NFO)-47%(BOU)と大差はなく、シュートも14(NFO)-13(BOU)とたった1本しか変わりません。しかし枠内シュートを表すXGは8(NFO)-4(BOU)、Fotmobのスタッツを直接引用したS1から分かるようにオープンプレーからのゴール期待値は1.21(NFO)-0.95(BOU)とシュート合計数や全体XG差ができておりフォレストの方が可能性のある攻撃を展開していたということが分かります。またS2から分かるように自陣でのパス本数は一本差であるにも関わらず、相手陣内でもパス本数は231(NFO)-167(BOU)と大きく差がついておりボーンマスはビルドアップや攻めあぐねのパスが多く攻め込んだプレーが少なかったことが如実にあらわされています。また、S3が示すところには試合全体でチャンスクリエーションを複数回行った選手は両チームで5人おり、うち4人はフォレストでスタメンの2列目選手が全員名を連ねていることから2列目のクオリティーの差がデータ的に明らかになっており、そこが試合展開の差の明確な要因になっているといえるでしょう。

ここからはさらに私の素人分析が中心の話になるのでお手柔らかにお読みいただければと思います (笑)。この試合でチームの低調の原因と思われるのは主に2つです。1つはボランチコンビ、2つ目は2列目と前線の問題です。
まず前者について説明します。この試合でコンビを組んだのは4番クックと14番のスコットです。前者はボール扱いも上手いが高いカバーリング能力の高さが特に光る4番から6番タイプ、後者はボール扱いが卓越している6番から8番タイプで、元々は8番から10番のポジションでプレーしていたチャンスクリエーションもできる選手です。昨シーズンは基本的にクックと10番のクリスティーがボランチでコンビを組み、クックが幅広い守備範囲を活かしチャレンジを、クリスティーがクレバーなボール奪取やインターセプト能力を活かしカバーを担当しいいバランスを保っていました。今回の試合では基本的にクックが同様にチャレンジ、そしてスコットがカバーを行いましたが前述のコンビのようにはうまくいっていなかったように感じます。特に前半は2列目の守備が上手く機能しなかったこともありクックも負担が増大し、クックが引っ張り出されることが多くあり、そのカバーを担ったスコットがボールを奪いきれずファイナルサードまで侵入されるというシーンが目立ちました。失点シーンに至るプロセスでは特にそれが現れているので以下の写真をご覧ください。

失点プロセス①

少し分かりにくいかとは思いますが青がクック、赤がスコットです。これは2列目の守備が機能せずクックが釣りだされ、彼も剝がされた状況です。クックと2列目の3人が横並びになっており、この時点でボールホルダーから黄色矢印が出ているところにフォレストの選手が1人浮いています。カバーを任されたボランチであるスコットはこの場面でその選手にマークをつくもしくはカバーに行けるポジショニングができておらず、カバーに入ってきたケルケスとの間を通されてしまいます。

失点プロセス②

ボールを受けた選手はケルケスとスコットの間でボールを受け余裕があるので前を向きます。この時点で前述の2人とボールホルダーの間には距離があるのでザバルニーが距離を詰めますがワンツーでザバルニーの裏を通されてしまいます。この時もスコットのカバーが遅れてしまい結果的にボールはこぼれたものの余裕がない状況でのスミスのクリアはザバルニーに当たってしまいこぼれ、フォレストの選手が拾いシュート。これがネトのミスを誘発しウッドのゴールに直接繋がりました。先に述べたようにスコットは元々攻撃的な選手で守備力がとても高いわけではありません。彼は読みは鋭いものの、球際が弱さや守備範囲が狭いことが弱点であり、2列目守備の機能不全からクックが前に出て実質スコットがワンボランチとなる状態が増えてしまったこの試合ではそこが特に響いてしまったように感じます。

ディフェンス面の個人スタッツ (S3)

S3で相手で同じように守備時はフィルター的役割を担っていた相手DMイブラヒム サンガレと比較した際にリカバリーが圧倒的に少ないですね。失点シーンを含め客観的に見てリカバリーが必要なシーンは十分多かったもののここまで大差ができてしまっていることから守備意識の改善も必要に思えます。またクックに関してもチャレンジの守備が軽く完全に剝がされてスコットの守備負担を増やしてしまっているシーンが散見されました。私は次節でスコットに変えてクリスティーを投入し従来の2ボランチに戻すべきだと思います。クリスティーはスコットほどボール供給でリズムを作りだすことはできずともボールを持つ技術は高く、守備意識とボール奪取力はスコットを完全に上回っているため、今節のように中盤を破られたり2列目の選手に簡単に前を向かせてしまうシーンは少なくなるのではないでしょうか。
続いては後者について説明します。後者の2列目と前線に関する問題ですが、これは特に攻撃面での問題です。前者に関する話の中で2列目の機能不全について触れましたが、今回はそこについては触れません。この試合のスタートは2列目にシニステラ・タヴァニア・ワッタラが並び、前線にはセメンヨが立ちました。試合中には2列目と前線を流動的に入れ替えるという形を取り、ワッタラがトップでセメンヨが右サイドという場面も多くみられました。最初に述べたようにソランキ退団とエヴァニウソンの登録が間に合わなかったこと、そしてウナルが負傷していることからスタメンに置けるストライカーがいなかったためセメンヨが前線に立ったのは理解ができますが、やはりセメンヨはストライカーとしてボールを収めることはうまくできませんでした。またスタート時の2列目のメンツは基本的に前を向いて常に仕掛け続けるタイプで、特に両翼はスピードに乗ったドリブルが売りのカウンター向き選手であったものの、S2からも分かるようにスロービルドアップを余儀なくされたゲーム展開であったため彼らの能力はうまく発揮されませんでした。完全にブロックを敷かれていた中で狭いスペースでの崩しや細かいボール扱いが得意なタイプの選手がいなかったため細かいパス回しや間を縫うようなドリブルで相手のディフェンス陣を上手く崩すことができないためサイドから無理やり抉じ開けようとするもボールを奪われる、もしくはパスミスでボールを失うケースが目立ちました。またセンターバックからロングボールも供給されましたが長身CBボリーを中心としたディフェンス陣にはじき返され、ルーズボールもなかなか回収できませんでした。

ポゼッションロスト回数を表すスタッツ (S4)
エアリエルデュエル勝利数のスタッツ (S5)

こちらも実際にWhoscored.comによるS4とS5のスタッツで表されています。先ほど話したようにロングボールとつなぎを織り交ぜながら攻撃をしたチームですが、相手陣内でのパスはフォレストの方が多かったにもかかわらず前線と2列目のスターターのポゼッションロストは6-8と上回っており (かつ全員がポゼッションロスト) 、エアバトルでも9-2で惨敗 (母数の差はあれど)し前線に立っていたセメンヨは勝利ナシとどこから攻めてもファイナルサードに持ち込む前までにボールを失ってしまっていたことが明らかになっています。これらの問題は先ほども述べたようにボールを収められある程度無理が効くようなストライカーがいなかったことに大きく起因することは明らかで、ソランキを開幕直前に放出してしまったため後任の登録が間に合わずこうなることはある程度織り込み済みであったでしょう。しかしその他にも問題はあります。特に私は2列目の並べ方にも問題があり、これに関してはどうにかできたと感じています。まずはメンバー選考に関してです。前述しましたがイラオラ監督は2列目に起用したのはシニステラ・タヴァニア・ワッタラで、シニステラとワッタラはいずれも丁寧なボール扱いでボールを供給する"出し手"タイプや狭いスペースでボールを失わないような10番タイプの選手ではなく常に前を向いてスピードに乗った状態で仕掛ける7番・11番といったスピードドリブラーです。タヴァニアは元々ボールを持ち、精度の高いボールを供給することができていましたが最近はかなり雑なパスやコントロールからのボールロストが増えています。

ワッタラのスタッツ (S6)
シニステラのスタッツ (S7)
タヴァニアのスタッツ (S8)

こちらもスタッツでの裏付けはあり、S6から分かるようにワッタラに関しては前進パスが異常に少ないにもかかわらずパス成功率はそれにもましてよくない数値が出ており、S7のシニステラはそもそもパス機会が少なくとても積極的に前にボールを運び、タヴァニアは前進パスは平均やや高めレベルながら成功率は大きく平均を下回っています。そのため、オープンな状況に持ち込めず完全にブロックを敷かれてしまった状態ではボールロストを生むだけになってしまいます。一方で前線のセメンヨは仕掛けを得意としながらもある程度ボールを貯めることができる選手であり、右サイドに置くとかなりの脅威になります。また、アタッキングMFに関してはよりボールロストが少なく狭いスペースでボールを失わないクライファートは今のタヴァニアよりも格段に良いと考えられます。タヴァニアのパフォーマンスに関しては昨シーズンもかなり疑問視されてしたが今節でも正直何も生み出せていなかったため厳しいと感じます。このような状態で並べた場合、今節のようなストライカー不在の場合は右サイドに回っていたワッタラがストライカーを務めるのがいいかと思います。S6から分かる通りワッタラがディフェンシブアクションがとても多く積極的に守備参加している場面は見ていても多く見受けられますがその一方で積極的にシュートも放ち、ゴールへの意識に高さも見受けられます。

ワッタラのシュートスタッツ (S6+)

こちらのS6+ではワッタラのシュートに関するスタッツが表されており、トップクラスのディフェンシブアクションの多さながら平均レベルのシュート本数に加えて、かなり長距離からシュートを狙っていることが分かり、ストライカーとして最も大事にゴールの意識やゴールが見えたらシュートを狙うという意識の高さがあることはスタッツからしても明確です。シュート精度に関してはかなり低い数値が出ていますが、このような本職ストライカーがいない状況ではシュート精度よりもとにかくゴールの意識を持った選手を起用するべきだと思います。さらにS6からワッタラはウイングの中で空中戦に滅法ということが明らかになっていますし、実際圧倒的なジャンプ力で競り勝つというシーンを幾度となく見ています。サイドではあまりにボールロストが多く問題視されていますが意外性もあり、ボールロストの確率がもともとより高く計算されていたりワンタッチでの仕事が多いストライカーを代役として務めるのはとても理にかなっていると思います。そのため本試合のようなことがもう一度あれば
RM セメンヨ AM クライファート LM シニステラ ST ワッタラ
という並びでいいと思います。
一方でとてもポジティブなパフォーマンスを見せた選手もいます。今夏に加入し今節プレミア初出場初スタメンを果たし、フルタイムでプレーをしたCB ディーン ハイセンです。高い身長と卓越したボール扱いが武器であるものの守備力や身体能力面ではプレミアレベルについて行けるのか疑問でしたが、いざデビューを果たすと持ち前のボール運び能力だけではなく落ち着いた守備も見せ、身長を活かしたエアバトルは9回勝利しました。これはプレミアリーグ第1節の全チームで最多であり、プレミアデビューとは思えない圧巻のパフォーマンスを見せました。当初は完全にセネシの控えからスタートすると考えられていましたが今節のパフォーマンスを見たサポーターは、次節ニューカッスル戦に戦線復帰すると思われるセネシとどちらを起用するべきかかなりの論争が巻き起こるまでになっています。また同じく新戦力でこちらは途中出場のフリアン アラウホも上々のパフォーマンスを見せました。途中出場で出場時間は約25分ながら4度のリカバリーを記録し、高い瞬発力を活かした早い出足でピンチの切り抜けに貢献しました。またしっかりとしたパス精度でボール奪取後すぐに縦にボールを付けるシーンも多く見受けられ全般的なクオリティの高さが感じられました。
開幕戦の振り返りは以上になります。

第2節に向けて

続いては、ここまでの振り返りを踏まえたうえで次節の対ニューカッスル戦 (H) :8/25 (日) 日本時間 22:00 KO について考え、展望を予想します。
まず、対戦相手のニューカッスルについて少しおさらいします。元ボーンマスの指揮官エディ ハウとアシスタントコーチのジェイソン ティンダルがコンビを組み、元ボーンマスの中心選手ケリーとウィルソンも所属するなど何かと繋がりが深い通称Magpies (マグパイズ)。10年以上の低迷期の末に2021年の新オーナー誕生から大型補強を慣行し、22/23シーズンは4位で昨シーズンは7位と見事に強豪に返り咲いたチームは基本的にスカッドを昨シーズンから維持して選手のさらなる適応に期待し高みを目指します。注目選手は昨シーズン21ゴールをマークしたエースでスウェーデン代表のFWアレクサンダル イサク、中盤で攻守にわたってチームを引っ張るブラジル代表のMFブルーノ ギマラインス、そしてイングランド代表としてEUROも戦った得点力のあるドリブラー FWアンソニー ゴードンらが挙げられます。前節のセインツ戦は守備の要ファビアン シェアが退場し終始押し込まれる展開も何とか1-0で勝利を挙げました。今節はそのシェアが出場停止、FWカラム ウィルソン・MFルイス マイリ―・DFスヴェン ボットマン・DFジャマール ラッセルズが怪我で出場できません。そのことからラインナップ予想は以下のようになります。

ニューカッスルXI予想

シェアが出場停止の右CBには古巣対戦でハウ監督からの信頼が厚い左利きのケリーが入ると予想していますが、スウェーデン代表で右利きのクラフトが入る可能性もややあります。その他のメンバーは前節から変更はなしでしょう。ジョエリントン・ブルーノ・ロングスタッフが並ぶ中盤は攻撃面において特に脅威で、俊足の両翼が圧倒的得点力のイサクを囲むというかなり怖い布陣になりそうです。
一方の我らがボーンマスに関しては前節同様にアダムス・ウナル・ブルックスは出場ができませんが、新加入のストライカーであるエヴァニウソンが戦列に加わりセネシも復帰します。これらと前節の様子、相手のスカッドを踏まえると以下のようなメンバーになると予想します。

ボーンマスXI予想

幾つか予想が難しいところはあります。GKは前節ミスを犯し不安定なパフォーマンスが改善されていないネトですが、彼を引き続きスタートに置かざる負えないと考えます。RBは、高速ドリブルが持ち味でかなりの脅威となるゴードンと対峙することもあり俊足で前節も十分な守備を見せたアラウホを置くと予想します。CBはザバルニーは不動、相方はハイセンと予想しました。セネシは復帰するものの、イラオラ監督は良いパフォーマンスを残した特に若手の選手は一定期間連続で使い続ける傾向があり、前節のハイセンのパフォーマンスを考慮すると彼をスタメンで使い続けることが濃厚だと思います。LBはケルケスで異議はないでしょう。攻撃的な3枚と対峙するボランチはクックとクリスティーになると思います。前節のスコットの守備を見るとこの強靭な相手を中盤の底で食い止めるのは厳しいとのことでこの2枚だと強く考えます。2列目は右からセメンヨ・クライファート・タヴァニア。不安定なパフォーマンスが続くタヴァニアですがイラオラ監督の信頼が厚いため今節もスタメン予想をしました。ストライカーは間違いなくエヴァニウソンでしょう。相手は今やトップチームでかなりの攻撃力があり無失点で耐えるのは至難の業です。一方で守備面では弱点も十分あり、例えばLBルイス ホールは守備面で特にフィジカル・スピード勝負となればとても強度が高いというわけではなく、フィジカルとスピードが売りのセメンヨが対峙するためチャンスは十分にあると思います。またエヴァニウソンはプレミアリーグでは全くの未知数であり、予想外の何かを起こしてくれる可能性は十分考えられます。間違いなく厳しい試合にはなりますが、チームの125周年記念の試合でもあるため勝ち点、あわよくば勝ち点3を獲得したいですね!

移籍市場のここまでとここから

最後に、移籍市場の動きについてお話します。まずは移籍市場のここまでについてお話します。恐らくフットボールファンの皆さんは既にニュースやその他でご存かと思いますがエース ドミニク ソランキがスパーズに移籍し、後釜としてブラジル人アタッカーのエヴァニウソンをポルトから獲得しました。

ドミニク ソランキ

昨シーズン19ゴールのエース ソランキは£65Mのパッケージ (£55mの移籍金+£10mのアドオン)でノースロンドンのチームに移籍し、移籍金の20%=£11mが元々ボーンマスにソランキを移籍させたリヴァプールに入りました。

エヴァニウソン

昨シーズンポルトで全コンペティション合計で25ゴールを獲得した24歳のエヴァニウソンに関しては€47mのパッケージ (移籍金€37m+€10mのアドオン)で加入しました。

フリアン アラウホ

また、開幕戦でも出場したRBフリアン アラウホは、ソランキの退団決定のすぐ後にバルセロナから€10mで加入しました。以上のことから分かるようにエヴァニウソンとアラウホの移籍金をソランキ放出の際に得た移籍金で完全にまかなうことができており、いいムーブなのではないかと思います。賛否両論ある絶対的エースの放出ですが、私はとても良いと感じます。もちろんチームに愛されていたエースを放出するのは心情的にはとてもつらいことですが、大ブレイクした次の市場という状況にある26歳の彼の市場価値は恐らく今が最も高くなり、パフォーマンスも昨シーズンを超えることはあまり考えられないため売り時と言えば売り時でした。さらに移籍内容がとても褒められるものでした。当初高すぎると他チームが渋り続けていたリリース条項の£65mを満額引き出し、かつアドオン付きパッケージにすることによってボーンマスの取り分がなるべく多く残るようになっています。移籍時期は遅くなってしまったものの、結局これで巨額の資金を得ることができそこからすぐ後釜を決めることができましたし、その後釜に関してもプレミア経験こそないもののポルトガルで結果を残しポテンシャルがかなり大きいフィジカル型の24歳と完璧な選手選択だったと考えられます。またアラウホに関しても大きな弱点とされていたRBを低価格で強化するだけではなく再売却条項がない契約で獲得したため、ブレイクして転売することになってもそこから大きな利益を得られる契約になっています。ここにハイセンの獲得をあるので、総じてここまでは上出来な移籍取引をしていると言えます。
続いてこれからの展望ですが、あと1週間と迫った移籍期限までに複数の選手の加入と退団があると思います。加入はGKとサイドがこなせる選手だと思います。GKに関してはネトの不安定なパフォーマンスにより補強することはマストであり、このポジションの補強はほぼ100%でしょう。一旦はママルダシュビリ (バレンシア)のローン加入が決定的だと言われていましたがローンは破談になり、長いスパンで興味を示しているとされている元ボーンマスのラムスデイル (アーセナル)らの話題が大きく出ましたが、ここにきてチェルシーの元守護神ケパをローンで獲得するための話を始めたようです。

ケパ

ここ数年は不遇の元スターGKにとってボーンマス移籍はとてもいい機会なのではないかと思われますし、チームにとっても申し分ない実力の持ち主を獲得できるのでとてもいいオプションです。サイドがこなせる選手に関しては100%私の憶測ですが、ここに関しては左サイドバックをこなせる左利き選手もしくはウインガーを獲得すると思います。イラオラ監督の発言を聞いていると、本職が1人しかいないLBですがLB本職の控えを獲得する必要性をあまり感じていないようで他の選手で賄っていくようです。その他の選手のオプションの中にはワッタラ以外左利き選手がいないため、他ポジションとLBをこなすことができる左利きの選手を獲得するのではないかという考えに至りました。守備的MFのアダムスの長期離脱もあり中盤で試合を締めることができる選手が不足しているため、その役割を担うことができる上に左サイドバックもこなすことができる選手がいれば理想のように思えます。ウインガーに関しては、イラオラ監督の戦術上では前の選手の守備負担が多いため疲労がたまりやすいもしくはけが人が出やすいことから主力レベルの選手で層を厚くする必要があると思います。特に途中から1人で状況を打開できるような圧倒的スピードを兼ね備えたドリブラーを獲得することが望ましいです。一方で退団に関してはGKと人員整理、その他スカッドプレイヤーの放出と若手のローンが中心になると思います。具体的な名前を挙げるとすれば GKマーク トラヴァーズもしくはGKネト、DFクリス メファム、DFマックス アーロンズ、MFギャビン キルケニー、MFハメド トラオレ、MFジェイドン アンソニー、FWダニエル ジェビソンあたりです。

マーク トラヴァーズ

新守護神の獲得は間違いなく行われることを考えると1つのポジションを4人が争う状態となるGKは人員整理が必須となります。特に昨シーズンスタートポジションを争ったトラヴァーズとネトのいずれは第3GKになるため、そうなるであろう選手は放出になると考えられます。年俸の高さを考えるとネトを放出することがいい選択だと思いますが、その高年俸が最大のネックになりかつチームキャプテンであることを考えると放出は難しいように感じるため24歳とまだ若いトラヴァーズの退団が濃厚と思われます。

クリス メファム

功労者メファムの退団に関してはかなり確度が高いとされおりイプスウィッチなどのチームが関心を示しているようです。アラウホの新加入で序列が下がったアーロンズはリーズなどがローンと完全移籍の両面で関心を持っているとされています。キルケニーに関しては具体的な話は出ていませんが契約は残り1年ながらで全く出場機会を得られておらず、同じく機会を得られていないトラオレはカリアリがローンに関心を持っているようです。アンソニーは噂はないものの完全にスカッドプレイヤーになっており、昨シーズンのようなローンもしくは完全移籍での退団の両方が考えられます。

ダニエル ジェビソン

ジェビソンに関してはワトフォードが1年間のドライローンに合意したという話が出ており、間もなく加入すると思われます。アカデミーに関してはスター選手のGKビリー テリル (ウェイマス)、DFフィン トンクス (トーキー)、DFノア ブーチン (イーストレイ)、MFチャーリー オズボーン (ハルトブルク)、MFドム セイディ (カーライル)、FWダン アドゥ=アジェイ (カーライル)がローンですでに移籍しており、新たに武者修行に出る選手が出るかもしれません。新たなスターの第一歩を応援したいですね!移籍に関する話題は以上になります。

いかがでしたでしょうか。今回はかなり本格的に分析をしてみましたが皆さんはどのようにお考えでしょうか。分析をしてみて改めて分かったことは、開幕戦の内容は決して良くなかったものの、効果的な移籍を行っていることもありここから内容改善は大きく見込まれるうえ昨シーズンレベルもしくはそれを上回るような結果を残すことも考えられるということです。ここからシーズンは長いですが、私自身も楽しみながら分析を重ねてレベルアップを目指して行こうと思いますのでこれからもお付き合いいただければと思います。最後までお読みただきありがとうございました!


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