付きまとう、もったいない感。
もったいない、もったいない。ああ、もったいない。
「何がもったいないの?」
こどもがうまく発音できずに、ありがとうがあーとんになっちゃう時とか、初めてお絵描きでアンパンマンを描けた時とか、写真や動画に残せておけなくて、もったいない感じがするの。
「そんなん全部、撮ってたらキリがないじゃん」
いや、確かにその通りなんだよね。でも、実際は撮れるわけじゃん。iphoneあるからさ。24時間撮影可能なわけじゃん。不可能じゃないから、割り切れないというか。
「じゃあ撮ればいいじゃん」
ほら、全部撮ったら撮ったで、後々整理しないといけないじゃん。それはちょっと面倒くさいし。
「君が面倒くさいよ」
おい、それは言い過ぎだろ。俺が言いたいのは、便利すぎて不便だなっていうことだよ。リアルタイムに集中したいのに、集中させてくれないツールが多すぎるんだよ。もう、デジタルデトックスしようかな。そうだ、いっその事俺の脳みそに蓄積は、全部まかせちゃおうか。
「昨日何食べた?」
…待って。思い出せるよ。あれだよ、固形だったね。ほら、あの。えーと、わかった餃子。あぶねえ。
「ギリギリじゃん」
うん、やっぱり撮っとこうかな。