cigarette

メモ帳にあった。
これも多分なにかの夢小説か、夢の出来事を書いたやつ。
二つの意味で夢小説か。

cigarette

タバコの臭いが充満する部屋、私はただ一人を見つめていた。
「…楽しいか?」
彼は言う。頷くと「そうか」と言ってまた作業に戻る。
「先生は、やっぱりなにか作ってるときが一番楽しい?」
少し間があってから「そうだなあ」と言う。
「私もね、楽しいよ。楽しそうな先生の顔見てるのが楽しい。」
灰皿に火がついたまま放置された今にもフィルター部分に到達しそうなタバコに目をやる。その視線に気付いたのか男は煙草を灰皿の底に押し付けるように消し、新しくまた煙草に火をつける。嗅ぎ煙草か。
少し開いた窓から風が吹き込み、煙が私の周りを舞う。
「服に臭いがつくぞ」
先生はそう言うとまた手元に集中する。
私はにおいがついたって構わないと思ってる。だって、先生の匂いだから。
煙を見てうっとりとする。
この時だけでいい、私を先生の香りで満たして───

2019年2月のメモ

この最後の罫線がなんとも言えない臭さを醸し出していて結構好き。

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