贖罪


贖罪 湊かなえ


小学生の女子5人組に起きたある事件。その後の彼女らなりの贖罪をテーマにした小説。ラストまで読んだ感想は何とも言えない数奇な運命みたなものを感じた。湊かなえらしさのあるそれぞれの人物の主観で語られる物語と過去の記憶が読み進めるたびに絶妙につながっていくこの感じがとても好き。ホラーというよりミステリーといったものだと思うがなんだか恐怖感が絶妙に残るところもいい。

なにか学びがあったというよりは作品として楽しめたという感じだが、自分視点の優しさは他者からみたら優しさにならないこともあるというのは改めて感じた。こうしてあげようという思いやりが他人の傷になってしまうというのを考えると発言というのはよく考えないといけないと思った。だからと言って本音を言わず相手に同調さえすればいいというものではないと思うし、相手のことを考えたり同じ事を言い回しを変えて伝えることが出来るようにいろいろな言い方や表現が出てくる小説を読むのは大事だなと思った。


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