狭いところを通って《excellent!》
僕は小さい頃、よく傷だらけになってる子供だった。自分でも覚えのない傷やアザがいつの間にかできていることは、しょっちゅうだった。
そして、最近もそんな事が久しぶりにあった。なぜ知らない間に傷ができるのか謎だったが、今日その理由が分かった。
今日職場のトイレに入ろうとした時、ドアに肘をぶつけた。痛いなと思いドアを見ると、トイレのドアが体が通れるギリギリしか開いていないのが見えた。
どうやら僕は狭いところを通り抜けようとする癖があるらしい。
確かにこれで説明はつく、小さい頃は切り傷が多かったが、河川敷の鋭い草が群生している隙間を駆け抜けていた。またアザも多かったが、よく教室の狭い教壇の下などの狭いスペースに体を滑り込ませていた。
なるほど。謎は解けた。そして、僕は今でも体が通るギリギリを攻めてしまうようだ。
実のところ、狭いところを通り抜けるメリットはほぼない。上手く通り抜けられると、脳内で《excellent!》というゲームのエフェクトが出てくる感じがするくらい。
もうやめよう。《excellent!》じゃなくても良いじゃないか。
長年の謎は解明できたが、克服できるかは難しそうだ。