おたくの子はずっと
底のほうは生まれつきのおたくである
ずっとずっとおたくである
自覚したのは小さい頃だが、本格始動したのは高校生の頃
その時の推しは宝塚歌劇団
働き詰めだった母が穀潰しだった父と別れて
生活にも少し余裕ができたタイミングだったので
自由の身になった二人で沼に深く深く沈んだ
本拠地の通称ムラから東京、地方公演まで追い回し
海外公演に全日程全公演ついて行ったりした
母はその人のタニマチ会のようなものにも入り
二人で全力で彼女を応援した
その熱は彼女の退団と共に燃え尽きた
次はあるメーカーのフィギュアにどっぷりはまり
海外のイベント限定品やブランドコラボなど
代行業者まで使い収集した、部屋が1部屋フィギュアで潰れた
プラスチックの物質に埋もれまくり深く沼に沈んだが
コラボが多すぎて手に負えなくなり
転居に伴い処分をして燃え尽きた
その次は娘と女性アイドルを推した
全力で推した、生活を犠牲にして推した
年1回の総選挙ではCDを買い込みシリアルを
せっせと入力して、締め切りギリギリまで
みんなで励まし合って彼女を推した
握手会で目の当たりにすると毎回泣けてくるので
逃げたくなるのですが、彼女はいつもしっかりと手を掴んでくれた
彼女の3連覇と彼女の生誕祭公演に入れて満足し燃え尽きた
それからも、大手事務所の地方アイドル(女子)を推していたが、
メンバーが次々と卒業してしまう状態が辛くなり推すのを辞めたが
彼女はまだ元気にそのグループでアイドルを続けている
そして現在、隣の国の男性アイドルを推している
男性を応援するのは正直初めてなのだが
嘘かほんとかわからないがとにかく優しいのだ
日本人の男性は死んでも言わない甘い言葉を
平気な顔して言ってくる
ファンにファンダム名を付けてその名前を毎日呼んでくれ
会いたい、元気でいてほしい、幸せでいてと気遣う
毎日、動画やSNSでの供給が大量にあり飽きない
化粧をしているが、とにかく綺麗なので気にならない
彼らのATMであることを自覚しているが気にならない
言葉がわからないので自分の気持ちを伝えづらいが
そこがもどかしくて逆によい
以上、自分の推し遍歴だが
娘も現在、隣の国のアイドルに夢中だ
おたくの子はやはりずっとおたくなのである
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