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推しに会うということ

底のほうはおたくである、生粋のおたく
現在4グループに合計7人の推しがいる
(改めて書くと多いな💧)

彼らの中には
人気がありすぎて年に1回か2回しか会えない推し
人気あるが年に何回も会える推し
まだ会ったことのない推しがいる

会えるというのは私にはライブに行く事ではない
ライブは見にいくもの
私とって会えるというのは実際に会う
もしくはビデオ通話で
1対1でお話をする事である

もちろん隣の国のアイドルなので
言葉は通じづらい
私の拙い外国語ではうまく意思の疎通がとれないが
まあ、なんとかなるのである
もちろん彼らも日本語のお勉強を頑張ってくれている

彼らに会うにはまずカムバックと言われる
新曲のリリース活動時にすぐにCDを
沢山購入して期間内にシリアルナンバーを
沢山手に入れネットで入力し応募し
ライバルたちとの激戦をくぐり抜け
抽選に当たった上で指定された日時その場所にいき
同じ当選者達と列に並び
推しとの15秒から45秒の間の束の間の
邂逅を手に入れるのだ
(ビデオ通話は指定された日時に自宅で会える)

その、1分にも満たない一瞬のために
おたく達は数週間前から
念入りにお肌の手入れをし美容院で髪を整え
しっかり目のメイクをほどこし、
まつ毛パーマ、ネイル、ダイエット
名前を呼んでもらえるように名札を作り
洋服も靴もバッグも全身新調し
何を話すか何日も考えて行くのである
大変である、大仕事である

非おたくの方にはご理解頂けないかとは
思うがこれはおたくには普通で
日常の活動なのである
なんなら次のイベント早よ!とも思っている

現在、推しグループのカムバックがかぶり
先月からめちゃくちゃお金を使いましたが
ひとまず、人気はあるが頻繁に会える方の
推しのサイン会に無事当選しました

会えるのである
推しに会えるのである
一瞬だが推しが自分だけを見て
自分だけに時間を使ってくれる
2人だけの時間が訪れるのである

おたくである底のほうは
今回は何を話そうかイベント毎に
ひたすら考えるのです
その時間が楽しいのです

その推しにこの前会ったのは5月でした
すでに暑い中、追加で発表されたハイタッチイベントの
抽選の為に現地で2万円ほどCDを追加購入し
見事に全部抽選に外れ落ち込みながら
肌の綺麗な彼のスキンケア代を払ったのだと
自分に言い聞かせながら会いに行きました

感染防止の為にビニール手袋を両手につけ
着飾った他のおたくたちと名札をつけ
列に粛々と並びその時間を待つ
ブースに入ると頭が真っ白になりながら
暗記した隣の国の言葉で会いたかったと言う私に
推しは慌てた雰囲気で彼らの言葉で
早口になにかを言ってくれました
それを全く聞き取れないでまた軽く落ち込む私に
今度は日本語でこれは僕の特別なカードですと言って
おたくたちには重要なコレクションアイテムである
推しの姿が印刷されたトレーディングカードを
手渡しでいただきました
ビニール手袋越しに手が触れて申し訳ないと思いながら
推しに手を振ってブースを出て涙する
何度やっても慣れない、うまく意思の疎通ができず
あとで必ず後悔をするのだ
会えた嬉しさと後悔とで涙が溢れる
これも恒例行事なのである
もどかしく辛いがそれがいいのである

今日はめったに会えないもう一人の推しに
会えるのか会えないのかが決まる
抽選の当落発表の日
また落ち込み涙することが分かっていても
祈りながら静かにその時を待つのです

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