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ワンコインランチ(税込み550円は仕方ない)

年々、物価高騰もあり

近頃ワンコインで食べれるお店が少なくなった。

正直、お昼に1000円以上かけるのは

たまにならともかく、頻繁には自分にとってこたえ

る。

ある日のお昼、とある街で

ワンコインランチとスマホで打ち、検索すると

いくつかお店が出てきた。

場所にもよるが意外にあるので驚いた。

このご時世になんと有難いことか。

候補が出てきた中に和洋中のメニューがあり

なんかいいんじゃないかという感じがした。

550円ばかりではなく650円のもあったが

(それでも安い) 4種類もランチメニューあるし、

売り切れてない事を願い、お店に向かった。


お店の前に着くと、小さなドアの横に

白い看板があり、文字が沢山並んでた。

よく見ると注意書きというか

店内に入ってからランチを受け取り会計までの

流れと注意事項が書かれてあった。

なんか大変そうだなぁ

覚えられるかなぁと思うも、安いし

新たに探すとなるとランチタイムも終わってしまう

ので、行くしかないとドアを開けた。


店内には以外にも、お客さんは2人

マニュアル?通りに、まず席を取り

席番号を伝え、鮭ハラス定食を頼んだ。

すると顔が見えない厨房から座席番号と

鮭ハラス定食ねと、少し頑固そうな声が返ってくる

自分は家であまり魚を食べないので、外食で時たま

食べて、バランスが取れてるなと納得させる。

ワンコインの予算だったのだけど

健康、健康と言い聞かせる。

それに鮭ハラスは好きだし

100円オーバーになったが、それでも安い。


席に着き正面を見ると入口で見たマニュアルがあり

混雑時に早く提供するためと書かれてあった。

お顔は見えないが、声や姿から御年配のご夫婦が

2人できりもりされてるようで納得がいった。

ルールを守らないとイケナイ感じでピリピリしたの

ではなかったんだなと思った。

10人入れるかどうかわからない店内に

回転効率と、出来たてを食べてもらいたいん

だなと憶測ではあるが思った。


店主の出来上がった声が聞こえ、マニュアル通り

返事をして立ち、カウンターで席番とお金を払う。

そして、なんだか先程とは違う感じの頑固そうな

声ではなく、柔らかい声(お顔は見えない)。

その間にもお客様が、一人入ってこられ注文されて

いたが、2つとも売り切れと言われ、残りの何かを

頼まれていたので、店内には人が少ないが

恐らく開店早々に人が入りたちまち売り切れたんだ

なと思うと、売り切れてなくて良かったと思った。


鮭ハラス約3尾が細身なのはコスト的に仕方ないと

しても、脂がのって美味しかった。

だし巻き玉子も、奥様が作られたのか

綺麗な黄色で丁寧に作られていた。

お味噌汁も何種類か具が入っていて申し分ない。

ご飯もお茶碗に盛りぎみ、これで650円は

安くて有難い、そして美味しぃ。


返却口へ返しに行く時、初めて店主のお顔が

見えたので、めちゃくちゃ美味しかったです。

また来ますと言うと、

ありがとうございますとニコッと笑顔で答え、

続けて、老人2人でやっておりますが

また宜しくお願いしますと、頭を下げられた。


入店後、暫くは、マニュアルの先入観からか

カウンターの奥からぶっきらぼうに聞こえる声とで

頑固おやじ的印象だったのに、それがたまたまだっ

たのか話してみないとわからないものだなと思っ

た。

そして ご馳走様 ありがとうと気分良くお店を出た。


お腹も、気分も満たされ

良いお昼だった。

またあの笑顔に会いに行きたい。

他のランチもきっと美味しい。


中華料理店か洋食店で、長年やってきたんだろうな

ぁと自分勝手に、その佇まいから想像を張り巡らせ

きっと美味しいに違いないから

今度はハンバーグ定食を頼んでみようと

先程の店主の姿を浮かべながら思った。 

                                                               No.23.2024.4.13.     

                                                No.24.2024.4.13.

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