メイク初心者よ、これがリアルな社会人メイクだ!(※個人の見解です)
私はよくYouTubeを見るのだが、作業中などランダムに流し続けていると、そこそこの確率でメイク動画に当たる。
他者のメイクを見るのは楽しいので好きなのだけれど、「毎日メイク」と称した動画に出会う度、「世の中の人たち、みんなこんなに毎日時間かけてるのか……?」と疑問に思うことがある。
何も動画投稿主を疑っているわけではない。彼ら彼女らは本当にそうして何時間もかけてメイクしてから出かけているのだろう。YouTuberというのは、見られるのが仕事なので。
ここからが本題なのだが、高校時代はすっぴんを貫き通し、大学生になっても最低限しかメイクをしていなかった私がもし、新卒の頃にYouTubeにハマってメイク動画に出会っていたとしたらどうだろう。
不安に思ったのではないかと思うのだ。
……社会人はみなあのように一時間以上もをかけて化粧をしなければ、同僚やら取引先から良くない印象を持たれてしまうのだろうか。
……一体家を出る何時間前に起きたら外に出ても良い顔面が作れるのだろうか。
もとからメイクが好きならば良かったのだろうが、私は顔を作るより朝食を凝るより、1秒でも長く寝ていたいタイプの人間だ。
友達と遊んだり主人とデートする日には早起きして気合を入れたメイクなどすることもあるけれど、出勤やらにしていくメイクなど、時間をかけても20分がいいところである。……日々の買い物? ほぼすっぴんよ。
よって、私と似て怠惰な人間にも外に出る権利はあるのだぞ、ということをお伝えしたく、こんな記事を書いてみることにした。
文章のみでお伝えするので分かりにくいところもあるかもしれないが、「こんな奴でも働いて結婚して社会生活を営めるんだ」という、安心材料にしていただければ幸いだ。
さて、私のメイクには大きくわけて三段階のやる気レベルが存在する。
レベルごとにご紹介させていただくので、お付き合いいただきたい。
レベル1.最低限
文字通り最低限でいいや、のメイクである。
他者と会話する可能性があるけれども用事自体は短時間で済みそうなときにこの程度のメイクをすることが多い。窓口業務を伴わない事務員時代もこんなもんであった。
まずは工程を列挙しておく。
スキンケア
日焼け止め入り下地
コンシーラー
フェイスパウダー
眉(パウダー)
眉(マスカラ)
マスクを着用
以上である。どうだ簡素だろう。10分かからないぞ。
私はこれさえ済ませれば「おっけー今日はメイクしてる!」という気持ちで堂々と出かけている。
こんな感じの雑メイクなので解説も何もあったものではないが、ある程度詳細をお話ししよう。
1のスキンケアだが、これはもう個人に合うものを使うのが一番良い。
私は現在オールインワンゲルばかり、ドラッグストアで2,000円以内で買えるようなものを使っているけれども、コスメ比較サイトで上位を独占しているようなものでも合わないものは合わなかったので、各々美容部員さんに相談するなり試供品を試すなりして自分に合うものを見つけよう。
ちなみに経験上、高ければよいというものではないけれど、ある程度高いものを使うと「やっぱいいな……」という感想を抱くことが多い。
2は日焼け止めと下地。もちろん分けた方がよいのだとは思うが、時短のために私はトーンアップと下地を兼ねるタイプの日焼け止めを選んで、洗顔よろしく手で塗り広げている。
この塗り方で塗りっぱなしだと確実にムラになるので、塗り終えたらスポンジで一通りポンポンしてあげるのがおススメ。
3はコンシーラー。
本来はこの工程すらすっ飛ばしたいところなのだが、私はめちゃめちゃクマが濃いので固形のオレンジコンシーラーを仕込んだ後に肌色に合ったコンシーラーを重ねることでカバーしている。眉毛の剃り跡も同様にカバー。
薬指でぽんぽんすると、いい力加減なのかムラになりにくいのでおすすめ。
4はパウダー。
世の中「ツヤ感」だとか「血色」を大事にしたがるけれども、私は問答無用で顔全体に粉をまぶす。でないと時間と共にべたついてくるので。
ただし、しわに入り込むと老けて見えるので、ほうれい線付近については他に叩いた後、余った分をのせるにとどめている。
個人的にはルースパウダーよりプレストパウダーの方が好み。一か所にべたっとつきにくい気がする。
5、6は眉。
明るめのアイブロウパウダーもしくはアイシャドウの締め色を斜めカットの筆にとって形を作った後、真ん中より外側だけを塗りつぶす。
土筆みたいな形の固いブラシで内側に向かってぼかした後、明るめの眉マスカラで仕上げる。
私は少し派手めな髪色をしているのでこの工程が必須だが、きちんと眉が生えていてかつ黒髪ならば、眉の工程は全部すっ飛ばしても問題ないと思う。
ただ、生え放題伸び放題だと若干清潔感が損なわれるので、形を整えるくらいはした方がいいのかな、というのが私個人の感覚だ。
最後に7の最終手段、マスク。
顔の下部にほぼ何もしていないのはマスクがあるからだ。外す可能性がゼロではないため、日焼け止めとパウダーくらいは塗っているけれど。
これが最低限のメイクである。
このご時世、「マスクするな!」という職場は少なそうなのでこうしてマスク前提でお話ししたが、もし不可であれば色付きリップクリームかリッププランパーを足す。
唇に血色がないと少し不健康に見えがちだけれど、濃い色のリップを塗ってしまうと唇だけ浮いてしまうので、無難にほんのり色を付けておこう。
レベル2.目立つ粗は隠す
接客業をしていた時やオンライン面接に臨むときなどはこのメイクをしていた。
まずは工程列挙から。
スキンケア
日焼け止め入り下地
リップクリーム
コンシーラー(仕込み)
ファンデーション
パウダー
眉(パウダー)
眉(マスカラ)
アイシャドウ
アイライナー
チーク
シェーディング
ハイライト
ティントリップ
リッププランパー
メイクキープミスト
急に工程が増えたが、時間的には慣れるとこれでも15~20分くらい。
ここからはレベル1を読んでいただいた前提でお話しするので、割愛しているところが多いのはご了承いただきたい。
1、2は前述の通りなので飛ばして、まず増えているのが3のリップクリーム。
マスクをしない前提のメイクなので口紅なりティントなりを塗るのだが、カッサカサのままではおかしな色の乗り方をする。よって予め保湿しておく。
ちなみに皮むけが酷い私は、顔を洗った時点でふやけた唇を一皮むいてしまっている。……これは真似をしない方がいいと思うけれど。唇用のスクラブとか買おうかな……。
4のコンシーラーはほとんどレベル1でお話しした通りなのだが、レベル2で使うのは私の場合、オレンジの固形コンシーラーのみ。これからファンデーションを重ねるので、コンシーラーを二回重ねると厚ぼったくなってしまうことがある。
ただ、薄づきのファンデーションを使う場合は仕込んだオレンジ色がファンデを貫通してしまう場合があるので、その時はファンデの上から肌色にあったコンシーラーを薄く重ねると良いかも。
5はファンデーション。
私はリキッドのものを手の甲に出した後、額、鼻、両頬、顎に点置きして、水を含ませた雫型のスポンジでぽんぽんと伸ばしている。塗り終えたらスポンジの何もついていない部分で顔全体を叩くと乗せすぎを防止できる。
この時目まわりとほうれい線、小鼻脇にはあまり塗りすぎないのがコツ。崩れてヨレてきたときにファンデーションが溜まってしまうと、かなり老けて見えるので……。それでも悲しいかな、溜まる時は溜まるけれど。
6~8の工程は既出なので飛ばして、9がアイシャドウ。
四色くらいの同系色が入っている1,000円弱くらいのアイシャドウパレットを買って、上から下もしくは内側から外側に向かって濃くなっていくようにグラデーションを作るのが無難かなと思う。
下瞼は明るい色を塗った後、目尻にちょこっと締め色をのせると若干目が大きく見える気がする。
10はアイライナー。
いろいろ試したけれど、最近はもっぱら目尻にしか書いていない。気分によって下げたり跳ねたり。黒よりはブラウン系のほうが失敗してもごまかしやすくて好き。
落ちにくいのは圧倒的にリキッドだが、コツがいるので初めはジェルライナーがいいかも。
11がチーク。
色々あるが個人的にはパウダーが一番色味を調節しやすい。ファンデーションブラシなど密度の高いブラシにとって、手の甲にポンポンしてある程度落としてから頬にポンポンするのが楽。
乗せすぎてえらいことになった時は化粧水で軽く濡らしたコットンで撫でてやると比較的ほかを崩さずに調節出来る。あとは水気を取ってフェイスパウダーを乗せておこう。
顔の形によって似合う入れ方は変わると思うけれど、内側を濃く外側を薄くすると幼く、外側を濃く内側を薄くすると大人っぽく見える気がするし、鼻にものせるとなんかかわいい気がする。この辺は雰囲気。
12はシェーディング。
最低限しか入れない。エラと簡単なノーズシャドウくらい。
ハイライトを入れる都合上、顔がぼやけてしまうのを防ぐために入れているだけなので、クマがなかったりもともと鼻が高い方は12、13ともに飛ばしちゃっていいかも。
13、ハイライト。
クマをごまかすために目の下1センチくらいをあけて、逆三角形に入れる。
ついでに頬の高い位置と鼻筋、鼻の頭、眉下なんかにも入れるけれど、正直そこまで違いが判らない。たぶん私が下手なだけ。
やっと終わりが見えてきた。14、15はリップ。
3で塗ったリップクリームをティッシュオフしてからティントなり口紅を塗ると色が落ちづらいらしい。
3分くらい置いてからプランパーを重ねると、うるうるに見えるかつ落ちにくい気がする。ただし風が強い日はプランパーを軽くティッシュオフしないと髪の毛が唇に張り付いて不快なので、この辺はお好みで……。
これが大事な16。
初めは「そんなミストくらいで変わらんじゃろ」と思っていたのに、使ってみたら全く崩れ方が違う。私のようにメイクにもお直しにも時間を取られたくないわ、という方にこそオススメ。
規定量の3倍くらい吹き付けてから乾かすとなおよし。多分本当は良くないのだが、私はドライヤーの冷風で乾かしている。
ここまで解説してきたが、ポンコツゆえに私はよくアイライナーだったりシェーディングだったりチークだったりを塗り忘れているし、何なら時間がなくなって、レベル1にアイシャドウを足しただけで済ませる日もある。
あくまでもこれは仕事に行くときの理想形ということで……。
ちなみに筆者は奥二重だけれど、アイプチ等を使っての二重メイクはやったことがない。
時間かかるし、このままでも私は可愛いはずなので!笑
レベル3.本気出す
日々のメイクは上記の通りなのだが、ついでに本気を出す時のメイクも載せておく。
とはいえ30分もあれば終わるし、工程が増えるというよりは一つ一つを丁寧にやる程度のものなので、読み飛ばしていただいても構わない。
スキンケア
日焼け止め入り下地
リップクリーム
コンシーラー(仕込み)
ファンデーション
パウダー
眉(パウダー)
眉(アイライナー使用)
眉(マスカラ)
アイシャドウ(上瞼)
コンシーラー(涙袋)
アイシャドウ(涙袋)
アイライナー
チーク
シェーディング
ハイライト
ティントリップ
リッププランパー
メイクキープミスト
以上が本気の工程である。
マスカラは私の場合するとケバくなるのでめったに使わない。ごく稀にカラーマスカラを使うくらい。
大多数を既出項目が占めているが、増えた点について解説する。
まず8の眉についてだが、私は過去に誤って眉尻を剃り落してしまってからというもの生えてこないので、細いアイライナーを使って毛のないところに毛を書き足している。
なぜ本気の時しか書かないかというと、あまり上手くないので時間のないときは「書けない」というのが正確。ミスると眉尻だけめちゃくちゃ剛毛な人みたいになるので……。
次に変化があるのがアイシャドウで、10~12までの三工程に増える。
10についてはレベル2と一緒で、ここで下瞼目尻まで塗ってしまう。
11で涙袋の膨らませたいところにコンシーラーを塗り、ぼかしてから12でヌードカラーを上から塗り重ね、ラメをのせるといい感じになる。
更にぷっくりさせたい場合はコンシーラーを塗った少し下に肌色より少し濃いカラーのアイシャドウなどで影のラインをかいてあげるとよい。この影のライン、塗りすぎなどでぼかすときは上に向かってぼかさないとクマにしか見えなくなるので注意。
本気でもこんなものである。
とはいえどれも気を遣う工程なので、うまくいかない時にはレベル2より20分程度長く時間がかかることもある。相当やる気がある日しかやらないメイクだ。
さて、ここまで需要があるとも知れない私のメイクについてお話してきたが、どうだったろうか。
もしかするとメイク好きだったり美意識の高い方がまかり間違ってここに到着してしまい、「こいつやべえ……」とドン引きしたりしているかもしれないが、これが私のリアルだ。
「お前顔出してないけど、どうせ肌綺麗で元の顔整ってるからそれだけで済むんだろ!」などと思われる方もいるかもしれない。
けれど私はたぶんごく平均的な顔面偏差値をしているし、比較的ふくよかな方だと思うし、肌も脂肪のぷつぷつがあったりとそれほど綺麗な方ではない。
あくまで美容より睡眠、色気より食い気を優先して生きていても最低限なんとかなってるよー、というお話をしたかったが故の記事なので、「信じられない……」という方はそっと閉じて、忘れていただければと思う。
昨今、醜形恐怖なんかが話題になっているが、上を見れば可愛い人なんて無数に存在する。アイドルや女優がSNSで「私なんてブスでデブで……」と病んでいるのがいい例だ。
あなたでブスなら私は何なんだ……。と思ってしまいそうにもなるが、それは偏差値の高い世界で向上心を持って生きていればこそで、私は個人的にそういうマインドを尊敬している。
けれど私もそんな風に生きられるかと問われれば、否。
そもそも「綺麗」「可愛い」が仕事である彼女たちと異なり、我々一般人が美容に費やせる時間とお金はかなり限られているのだ。
もし、「インフルエンサーの〇〇ちゃんはあんなに頑張ってるからきっとみんなそうだし、私もきっとあんなふうにやらなきゃいけないんだ!」と気張って疲れてしまった方がこちらへ流れ着いていたら、どうかこんなに雑な私を見て安心していただきたい。
初めにも述べた通り、こんなんでも社会人やってるし、なんだかんだ結婚もしたし。
大丈夫です! 最低限でも生きていけます!
だからみなさん、どうか無理しないでね。たまにはサボって、たくさん寝よう!
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