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底地の評価額の判例から

相続税評価において、底地(貸宅地)の評価額が争われた事例を通じて、判例から最近の傾向について考えてみます。

まず、問題となった事案(平成30年1月4日裁決)は、納税者が貸宅地を相続した際に、更地価額の3割(約2億1900万円)で評価し相続税を申告したケースです。

1.底地の相続税評価額の見方

元々、この評価方法は国税庁の財産評価基本通達に基づいていました。

しかし、相続後に納税者はその貸宅地を一括して買取業者に売却し、その売却価格に基づいて相続時点の評価額を修正し、更正の請求を行いました。(具体的には、売却金額(9,800万円)に対して、国土交通省が公表している地価の平均変動率を用いて相続時点の価額を逆算し、過払いの相続税の還付を求めました)

納税者の主張では、貸宅地の需要者が底地買取業者しかなかったため、財産評価基本通達の適用(要は2億1900万円に対する相続税を支払ったのが)不適当であるというもの。これに対して、国税不服審判所は以下のような理由から納税者の主張を退けました。

①借地権割合60%(底地割合40%)の地域において、更地価格の10%程度の買取価格を設定している
②買取後1年以内に4筆を借地権者に転売しており、その転売価格が買取価格の1.5倍以上であった。

参考:底地の売却評価額とは何?| URUHOME(ウルホーム)byドリームプランニング

2.底地売却額が安くても評価額の相続税がかかることも

つまり、元々地主さんが個別に借地人と交渉しておけば、そんなに安い価格にならなかったでしょう!というのが税務署の見解という事です。

要は、売却価格が安かったからといって、相続税評価額も低くなるわけではないという事。

そうなれば、相続する前に業者に買ってもらった方が得な事もあるかも知れません。

底地買取を成功させる | URUHOME(ウルホーム)byドリームプランニング



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