衆院選を終えて
衆院選が終わって1週間が経ったが、与党の歴史的な大敗により政局的な部分はまだまだ混沌としている
以前には街頭演説の感想などを書いていったが、それも踏まえて結果を振り返ります
■ 自由民主党:191(247)(改選前)
比例得票数:14582690(19914883)
選挙前からある程度の「負け」は予想していたが、単独過半数割れどころか、自公合わせても過半数を割るという歴史的大敗となった
個人的にも石破総裁になった時点で自民党に期待しなかったので、選挙区(大阪2区)は自民党候補に投票したが、比例は違う党(のちほど言及します)に投票すると決めていた
聞いたサンプルは数人だが、今回はそういう投票行動の人が多かったのではないかと思われる
大阪府選挙区での自民党の戦いについてはまた別な形で書いていく予定です
■ 公明党: 24(32)
比例得票数:5964415(7114282)
「常勝」と言われていた大阪府選挙区でも議席を減らし、比例票も減らして大敗となった
なかでも9月に代表に就任した石井啓一の落選には驚いた
大阪府選挙区では選挙前の4議席から0と全敗
ここについても自民党と同じところで書いていく予定です
■ 立憲民主党:148(98)
比例得票数:11564221(11492094)
獲得議席数は前回との比較で1.5倍の躍進となった
増加した議員数ではトップだが、「自民党批判票」を一手に引き受けたわけではなかった(比例の増加率は0.6%で増えた政党では最低の伸び率)
「政権交代こそが最大の政治改革」を標榜していた野田佳彦代表の演説を聞くことはできなかったが、枝野幸男最高顧問の演説は聞くことができた
私が聞いた場所では「政権交代」というワードは無かった気がした
野田の「右派」と枝野の「左派」、幹部クラスの演説も別れていたのか
これは党勢の「拡大」を意味するものなのか、それとも「分裂」なのか、「数」を得た今後の動きに注目
■日本維新の会: 38(44)
比例得票数:5105127(8050830)
大阪府内19選挙区で全勝したが、選挙区当選は23議席
大阪府以外での当選は
滋賀1区(斎藤アレックス)
京都2区(前原誠司)
広島4区(空本誠喜)
福岡11区(村上智信)
斎藤と前原は元は[教育無償化を実現する会]だったが、総選挙直前に維新に合流して当選した
自公同様に別で振り返ります
■ 日本共産党: 8(10)
比例得票数:3362966(4166076)
「共産主義革命」みたいな言葉も令和の世では完全に死語となり、街頭演説の聴衆、ボランティアスタッフなども超高齢化で今後の先細りしか見えない
今回、共産党公認で小選挙区に立候補した213人の3分の2に当たる143人の得票が有効投票数の1割に達せず、供託金没収の対象となってしまい、1人当たりの供託金は300万円で、総額は小選挙区の立候補者だけで4億2900万円の没収となった。
野党共闘により候補者を絞った令和3年と比べ、3倍以上の高額となった。
■ 国民民主党: 28(7)
比例得票数:6172434(2593396)
玉木雄一郎代表、榛葉賀津也幹事長(参議院)、伊藤孝恵組織委員長(参議院)というキャラが立っている幹部らが精力的に各選挙区を回り、小選挙区11・比例17と改選前から4倍の大躍進を果たした
「手取り増やす」「ガソリン税下げる」
人口も票数も多い高齢者向けではなく、現役世代に向けた、わかりやすい政策で多くの「自民党批判票」を獲得した
自民党と政策が近いと言われ、政権に接近して行くかとも言われているが、近づき過ぎると獲得した「自民党批判票」が次回の選挙では離れていくことが予見される
これからの党並びに玉木代表の動きは大きく注目されている
■れいわ新選組: 9(3)
比例得票数:3805060(2215648)
ここも「自民党批判票」を獲得して大躍進
選挙区での当選は無かったが、比例で9議席を獲得
なかでも東海・近畿では各2議席ずつを確保、近畿は悪目立ちもある大石晃子と八幡愛という勢いのある2人の女性議員が良くも悪くも国会をかき回していくだろう
共産党は超高齢者向けだが、れいわはSNSの上手い活用など若者に向けた発信になっている
両党とも補完し合うと思うので、党勢拡大に向けてお互い手を結ぶべきだと思う(各地域の大学生の左翼運動グループが支援していた模様)
山本太郎代表は期間中3回も大阪に入ったことが、比例での2議席獲得につながった
■ 参政党: 3(1)
比例得票数:1870347(0)
前回の参院選では「反コロナ」「反マスク」を訴える斬新さもあり、一部でちょっとしたムーブメントを起こした
今回は「日本をなめるな」という、どこに向けて言っているのかわからない表題で、他の小党に埋没した印象があった
南関東比例で当選した鈴木敦は、斎藤アレックス・前原誠司らと同じく元[教育無償化を実現する会]だった
■ 日本保守党: 3(0)
比例得票数:1145622(0)
思想的にはかなり右に寄っている印象はあったが、自分の考えや信条に合うところが多く、また百田尚樹が国会に行ったら面白いだろうという思考もあり投票した
様々な参入障壁を乗り越えて、政治団体から今回の選挙で議員3人と得票率2.1%で要件を満たして国政政党となった
河村たかしは先日まで4期務めていた名古屋市長を辞して日本保守党から立候補して愛知1区で当選、また東海比例でも竹上裕子が当選、そして近畿比例では島田洋一が28人中27位で当選となり、国会議員は合計で3人となった
2回演説を聞きに行った島田洋一は大学教授ということもあり、説得力のあるトークと迫力のある風体で国会での活躍を期待できる
■ 社会民主党: 1(1)
比例得票数:934598(1018588)
しぶとく沖縄2区で勝ち議席を確保
沖縄県選挙区は1区が共産党、3・4区が自民党という結果となった
社民党副党首が立候補して「どっこいどっこい」と生き残った
■ その他: 12(22)
萩生田光一(東京24区)
西村康稔(兵庫9区)
平沢勝栄(東京17区)
世耕弘成(和歌山2区)
この4人は、いわゆる「裏金問題」で自民党から公認を受けられなかったが、地元の信任を受けて当選した
中でも和歌山2区の世耕弘成は、自民党公認候補の二階伸康を相手に比例復活もかなわないほどの差をつけての勝利を目指して、見事に当選となった