#1 ノイズ
お前なんか死ねばよかったんだ何も悪くないよだって自分がなんでこんなって思うのそんな事言わないでよ恵まれた人間にわかるはずないそれが蘇生術なら仕方ないこともある陽の当たるところは暖かすぎて火傷しちゃうよなんでわからないのよ命には優先順位が必要だから大丈夫って言葉は自分に言い聞かせる呪文羨ましいな思い出に浸ってたいけどできないことをしようとするのはそれも1種のエゴだよお父さんとは似てないんだな痛いってことがわからないんだ人は助け合って強くなるため挫折するんだよ行かないでよ何もできずただ傍観者にしかなれないのに悲しいなら僕が抱きしめてあげるもう置いてけぼりは嫌なの人間が一番おぞましい世界を再構築するにはいいのかも中途半端は嫌いなの器って確かに空っぽだもんね言いなりで動くと自分が後でつけを払うのよ誰も助けてはくれないよ薄っぺらい関係みんな自由に拘るけど生きてる限り不自由っていうね弱音を吐くから弱気になるんだ正しいことをすればいいんだよ言うこと聞いてればいいんだから何も知らないくせにだってそれ以外どうすればよかったのすごく大切だったのに自分を大切にして僕と一緒で君も化け物なんだね心を蝕む悪魔め__
遠くで声がしている。気づけばここにいた。すごく眠い、今までずっと寝ていたのだろうか?これは.....一体誰の声なんだろう。重たい瞼をあげても見えるのはただの暗闇だけで。複数の人の声が反響して鼓膜へと届く。体表は少しひんやりしていて、手足を動かすのが少しだるい。まるで水中にいるような感覚。
『____やっと起きた。待ってたよ。』
聞き慣れた声、先程とは違い鮮明に届く。声のする方に顔をむけるが、変わらず見えるのは闇だけだった。そこに向けて声を発する。
「___淳ちゃん???」
『おう、ほんと手を煩わせんなよ。ずっと呼んでたんだぜ。まあ、正確には俺が呼んでた訳では無いんだけど。』
じゃあ誰が呼んでいたのかそう聞き返そうとしたが、この状況で誰か判断するのは指南の技だろう。そう思い既のところで辞める。
「ねえ、ここはどこなの??僕も淳ちゃんも死んじゃったの??」
少しクスクスとした笑い声がし、淳平が答える。
『さすがだな、まあ走馬灯の友達みたいなもんだよ。このまま目を覚まさなければ、本当に死ぬかもな。』
「いや、僕もう目を覚ましたではないか?」
『そうじゃねえよ、分かってるだろここが現世ではないってことくらい。』
そうかもと考えてもいたが流石に言葉を詰まらせる。
『だから、ここでのんびり喋ってる場合じゃない。特に俺とはな。』
「???特に.....??」
『なあ、俺の名前は?』
声が近づいて来たと思ったら額に人の手の触れた。質問の意図はわからないが、払い除けることなどせず答える。
「.......喜久川、淳平」
淳平はふふんと満足げに鼻を鳴らした。
『本当はもっと喋ってたいんだけど.........大切な記憶っていうのは、一見忘れているようだが奥底にしまってしまっているだけだって思ってる。ごめんな、何も出来なくて....。がんばれよ、頑張ってちゃんともう一度俺と出会ってくれよ。俺の名前、ちゃんと仕舞って置いてくれよな.....』
いつもでは考えられないほど、穏やかで寂しそうな目をして言う。
「それってどういう....!!」
『そして、その時になったら思い出せよ!300年だぞ!!間違えんな!陽!!』
僕の質問などお構い無しで目をかっと見開き不敵な笑みを浮かべた。途端額を軽く押され、押された力と比例しない勢いで水中を沈んでいくような、落ちていくような。
_____陽。こっちに来て。
見知らぬ声。美しい女性の声だった。僕を呼び起こそうとしてくれていたのは、この声なのだろうか?眩しさで目を瞑る。
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目を開いた先は、白い天井だった。どこかでけがでもしてしまったのだろうか?病院のベッドの上に寝転んでいるようだった。視界に病院のベッド特有の白パイプの柵が見える。
腕を動かすとつっかえてしまい気づく。腕は色々な管に繋がれていた。これは入院モノの怪我だろう。一体僕は、どんなヘマをしてしまったのだろうか??
「淳ちゃんに笑われちゃうなあ.....。じゅん......ちゃん??って誰だ........??そんな人、いたっけ???え.......あれ」
病室に誰か入ってくる。ピンクのナース服を着た女性は検診に来た看護師だろう。目が合った途端、大きく目を見開き院内無線で医者を呼ぶ。
『315号室の黒木さん目覚めました!』
「........看護師さん、あの急にすみません。.........僕の名前ってなんですか??」
::あとがき::
シリーズ初投稿となります。今回は、話の伏線+出だしとなり、理解しにくい描写が多かったのではないかと思います。次回#2からは現在の高校生の物語となりますので、格段に読みやすくなると思うのでよければ次回作も読んでみてやってください。少しでもいいなと思ったら"いいね""フォロー"等していただけると嬉しいです。文才のない作者ですがこれからも、精進していきます。ありがとうございました。
꙳★*゚最後まで読んでいただき誠にありがとうございました。꙳★*゚