2023年2月25日(土) 会心の味噌汁と凧揚げ
6時、喉が猛烈に痛くて目を覚ます。相変わらずの微熱と相変わらずの咳。鼻水もひどい。一日休むごとによくなっていると信じたい。
朝から料理に精を出す。とくに味噌汁が会心の出来だった。ほうれん草とエリンギに卵の白身を落としただけで特に特別なことはしていない。汁はほんだしと味噌を味見しながら味を整えるだけ。いつもとやっていることは変わらない。だが、味はいつもとは違っていた。ここにきてブレークスルーが訪れたのだろうか?
本当は朝イチで病院に行くつもりだった。ねじ丸ではなくおれの診察で。朝食を食べながら、カーテンを少しだけ開けて外を眺めると、敷地内に植えられている枯れ木の枝がしきりに揺れている。風が吹いていた。強くもないが、かといって弱くもない、いい感じの風が。すぐに病院に行く考えは吹き飛び、頭の中は凧揚げでいっぱいになった。
朝食を食べ終えすぐに出かける準備をする。裏の広場にねじ丸と向かった。ネジ丸は三輪車に乗り、おれのリュックから凧が飛び出していた。
広場は四人の小学生らしきこどもがいるだけで他は誰もいなかった。その小学生らもしばらくすると移動して、広場はおれとねじ丸のふたりだけとなった。
「しめた!」
こどもたちがいるときは間違っても凧がぶつからないように遠慮しながら凧を上げていたおれは、貸切状態となった願ってもないこの機会を最大限に利用した。
おれは走り出した。凧はすぐに舞い上がった。でもまだ高度が足りない。それからびゅーっと一段と強い風が吹くと、凧糸はぴんと張りつめ、凧の骨はしなやかに曲がり、ビニールがバサバサと音を立てた。凧はもっと上に飛びたがっているようにみえた。おれは凧糸を握っている手を放し、もう一方の糸巻きを持っている方の手は人差し指だけを鉤状にした。すると糸巻きは鉤状した人差し指を支点にしてくるくると勢いよく回り始めた。凧は弾けたようにぐんぐんと空高く昇っていった。さすがに広場の周りは住宅が並んでいるから凧糸をめいっぱい伸ばすことはできなかった。それでも十分満足できるくらいは高く飛ばせることができた。
ある程度の高さまで飛ばすと凧は安定した。凧糸を通して風を感じ取り、凧糸がピンと張れば力を緩め、凧糸がたわめばぐいと引く。この押し引きの作業がめちゃくちゃ楽しい。凧を高く揚げるより、どれだけ長く揚げていられるかの方がおれの性に合っている気がする。
自分がどれだけ夢中になっていたかわからない(とはいってもねじ丸と一緒に来ているわけだから、100パーセント夢中にあることはありえない)。気づくとねじ丸の方が飽きていて、家に帰りたがっていた。時計を見ると広場に来てから1時間半以上たっていた。もうすぐ昼飯時である。まだまだ凧を揚げていたい気持ちが強いが仕方がない。親の義務がある。おれは凧糸を手繰り寄せはじめた。
昼飯はねじ丸にフレンチトーストを作ってやる。あまり食べなかったけど。おれは昨晩のねじ丸がほとんど手をつけなかった松屋のお子様ハンバーグ丼を食べる。それから昼寝。起きてから洗濯物を干す。
18時、ねじ丸と入浴。
今日もツマコは定時上がりで早かった。久しぶりに三人で食卓を囲って晩メシに舌鼓を打つ。今夜は鮭のホイル焼き(写真を撮り忘れた)。朝に作った会心の味噌汁は妻にも好評であった。
メシの後は三人でswitchの『塊魂アンコール』で遊ぶ。
歯を磨いているとき、ひどい咳が連発して、少し吐く。
『The good life』はなんだか尻すぼみになりつつある。今夜は『キャサリン・フルボディ』をやる。これも前に買って途中でやめてしまったんだよな。フルボディがつく前のやつはクリアしたんだけど。
就寝。