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ディオールを存分に浴びた3時間
女性らしさって何だろう、男の僕はときたま考えたりする。この何でもないような疑問が、朝から午後にかけて、ずっと気になることがある。グレース・ケリーみたく気品に満ちたクール・ビューティー、あるいはアンナ・カリーナのように乙女チックな可愛らしさ。そんなふうにゴダールは言っていなかったか。
いずれも、男の女々しい支配欲を叙情的な風味で押し付けたものが、女性らしさってことなんだろう、卑怯なやり方である。こ
「ケイコ」に習い、僕ら目を澄ませよ。
それは11月末のことだった。やや収集癖のある我が父が、家に持ち帰り、レコード収納(あるいは収集)箱の上にふわりと、1枚のチラシ置いたのが始まりだった。そのチラシを手にとり眺めると、女の子がいる、そして左端に「逃げ出したい、でも諦めたくない」とあるではないか。うん、わかる、わかる、アイ・アンダスタンド、ザッツライト、というか全部そう。
女の子は顔を歪めているのか、ふてくされているのか、いや少しケガ