誰だって本当は輝いている!
A子は何かと問題が多い生徒だと言われている。
つい先日も、スマホを持ってきて、休み時間にいじっているところを目撃されて、指導を受けた。
私が思うに、自己肯定感が低い。
その裏返しで、目立つことで周りの注意を引こうとしているように見える。おそらく本人にはその自覚はないのだろうが。
連日、学校に持ってきてはいけない物を持ってきて指導を受けたり。
友人関係でトラブルになったり。
でも、今日のA子は違っていた。
いや、今日ではない。5時間目のA子は輝いていた。
学校祭を2週間後に控え、5時間目は連日学校祭の発表のための時間が組まれている。
A子はダンスチームのリーダー。
「はい、ここ立ち位置ね。」
「ここの振り付けの後は、あそこに移動ね」
とテキパキと仲間を仕切っている。
つい先日、不要物を持ち込んで、指導されてやさぐれていた時とは、全くの別人だ。
キラキラと輝いているのだ。
思い起こせば、一年前。彼女が中1のちょうど今時期のこと。
私の教える社会科の教育実習生がやってきた。
勉強が苦手で、油断するとついつい睡眠学習になってしまうA子。
そんなA子が時間いっぱい顔を上げて話を聞いている。
目がキラキラと輝いている。
そうなのだ。これが本来の彼女の姿なのだ。
しかし、私はその本来の良さを引き出してあげられなかった。
実習生が去った後、緩やかに彼女は元のように睡眠学習に戻っていった。
学校祭の取組が始めると、生徒たちのいろんな良さが見えてくる。
「オタ芸チームのB男はキレっキレっの動きですごいんだから!」
職員室でオタ芸担当の先生愛想を崩す。
B男も勉強が苦手で、授業では苦戦している生徒だ。
学校は、どうしても授業が中心で動いており、教員は授業の印象で生徒を見ている面が多分にある。
しかし、部活動の時間になったら「別人」のごとくイキイキとする子も多数いる。
学校は勉強だけを学ぶ場ではない。
いろんなことを学ぶ。人生の縮図が詰まっている場だ。
しかし、コロナの影響で、行事ができなくなり、結果として勉強ばかりになっていた面があった。
未だ感染状況は低くはないが、感染予防対策を行いながら、行事を止めることなく行えるようになってきたことで、エネルギーを発散し、輝きを増す生徒が増えてきたように感じている。
行事ができるようになって本当に良かったと思う。
ダンスのおかげで自分の存在を最確認しているであろうA子。
「ダンスチーム練習仕切って頑張っているんだってね!すごいね!」
明日の朝一番は、そんな声かけでスタートしよう。
果たしてどんなリアクションが見られるか?
楽しみです😄
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※教育の現場で経験してきた事実をもとに物語を書きました。