詩『辛』
ぼくという存在の定義の危うさは
温暖化で融けゆく永久凍土に似て
ウロボロス的な円環にはまり込む
抱えたガスを無遠慮に散らかして
自分は融けるだけなど耐えがたい
だれにも知られず融けていくのか
このまま無価値に死ぬだけなのか
どこかでたたずむ百葉箱の疲れた塗装は
やがて沈むダム建設予定地の朽ちた立札
故意にきみが知ろうとしない現実の真実
寒い夜に極光の蛍光グリーンを思い泣く
決めつけられた価値感を被り
押しつけられた配役ですごし
飽いたら捨てられサヨウナラ
人に回帰したところでひとり
ぼくという存在の定義の危うさは
温暖化で融けゆく永久凍土に似て
ウロボロス的な円環にはまり込む
なんということだ
なんということだ