詩『窓』
透明な哀しみを開け放ち星の浮いた空気を吸うと
風に枠を鳴らす日や結露に濡れる日々が
補修されていく様で
視界に色がつく様で
オン・オフだけでできていない
ぼくの揺らぎは癒されるのです
青白く沈んだ胸をひらいて星雲から来た波を浴びると
雪にしんしん冷える日や雨の檻に囚われた日々に
ほのかな光が差す様で
きみが訪ねてくる様で
カーテンだけでは寒々しかった
ぼくのこころは救われるのです
そう遠くない未来のために
この窓の出来事を誇れる様に
この景色をすべて愛せる様に
何枚ものいい絵を残せる様に
だいじに磨いていたいと思う
金平糖の淡い刺激を転がして
窓辺に立ったら両手を振ろう
笑えないかもしれないけれど
きみに向けてぼくはこう言う
「ごきげんよう」