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【レースレポート】IRONMAN Philippines 2024 🇵🇭

はじめに

IRONMANデビューから早くも1年
昨年悔しい思いをして、どれだけ成長したかを確認するレースとして再びフィリピンを選びました

ちなみに今回の男子KONAスロットは合計25枠
自分の30~34カテゴリはおそらく2枠、多くても3枠

正直なところスロット獲得の可能性は限りなく難しいことは百も承知だったが、諦めずに自分の出来るレースをしてゼロに近い可能性を捨てることまではしたくなかった

結果的として、エイジ総合上位勢の同カテゴリがスロットを獲得
箸にも棒にも引っかからずと世界の壁を目の当たりにしました🌍

何よりも現時点で次のレースが決まっておらず、
ゴールした瞬間から呪縛から解き放たれた不思議な感覚がある

帰国してしばらく食欲も解放され止まらない

KONAチャレを通じた取り組みや、現時点で思っていること等は別途まとめようと思うので、
ここではいつも通りレース内容をここに供養していくことにいたします

スタート前

レース前日でもお構いなしに、外では安定の爆音クラブミュージックがガンガン流れるスービックナイト

おまけに隣の宿泊部屋ではバースデーパーティーがおっ始まっている🎂

そんなこんなで深い睡眠には至らず3時に起床
結局我々が部屋を出るまで隣人は騒ぎ続けていた

平日は閑散として、暇を持て余しており
まるで人気のないホテルだと勘違いしていた🤣

それでも現地入りしてから概ね睡眠スコアは高い状態を維持できていたので
当日の睡眠不足でそこまでパフォーマンスには影響が出ないだろう

そして当日の朝に便が出ない問題もすっかり慣れたもの(フラグ…💩)
日本から持ってきたいつもの朝食セットを食べて出発

同部屋のごーいちさんも出なかったようだが、
それが気持ち悪かったらしくレース前なのにジョグへ…
すでに0種目目は始まっていた💩

今回はスタートエリアから比較的近い場所に宿泊したので、
時間には余裕があり悠々とバイクのセッティングを済ませた

いざスイムスタート地点へ

今年はT1がラックになっていた
長い1日が始まるぞおおお🏊‍♂️🚴‍♂️🏃‍♂️

スイム🏊‍♂️

事前に試泳した際にはチンクイ?が大量発生していて、
100mくらい泳ぐも体中痛すぎて撤退したので少し不安だった🥺

レイアウトは昨年と同様
三角形を反時計回りに2周泳ぐコース

しかし当日のコンディションは昨年とまるで別物

気温は日本の真夏日と変わらないレベルで、湿度の高さはそれ以上

朝からしっかりと晴れて、時折感じるジトジトした風がレース前の緊張感を高めてくれる

スタート地点に並ぶとあっという間に午前6時となり、いざスタート
灼熱のサバイバルレースが開幕🔥

ソータをさがせ

前回からスイムスタートは1番速いグループで泳げることになったので、
「海ではとにかくずる賢く」(by井上コーチ)を基に前列の方を位置取り、
いいペースの人を探してコバンザメ作戦

4月の宮古島で初の一斉スタートを経験してしまったのと、
大会全体の参加者も少ないので泳いでいる最中はほぼノンストレス

さっそく日本人ぽい方(ゴールしたタイミングも近くて話したら、日本人かつ唯一の18~24カテゴリの方でした)と外国人の3人で隊列が組まれた
助っ人外国人現る

なんかもうお腹すいてきたなあ…
結構水温高いなあ…
終わったら何食べようかなあ…
とか色々考えていたら特に何もなく1周目が終了

手元で33分
ノンウェットでこのタイムなら上等だろう

2周目は少し流れが出ていて、早々に助っ人外国人がどこかにファーラウェイ、スービックベイ
そこにまた別の外国人が現れて、付いていくことに
助っ人外国人現る

2周目終盤にかけては70.3の後方集団がいるので、
カエルキックを喰らわないように安全に泳ぐ🐸

最後の200mくらいはキックの回数を4~6ビートに増やしていき、
あんよをこれからバイク乗るぞーというモードにして陸へ上がる

後半は少しペースが落ちたか34分でスイムアップは67分
ペースや心拍の上下もほぼなかったので現状では合格点だろう

終始淡々と泳いでおしまい🏊‍♂️
最後はT1で走ったので少し上がっている🏃‍♂️
トランジションにはバイクがそこそこあったので一安心

T1に向かう段階ですでに茹でダコになるかと思ったけど、まだ朝7時…
トランジションエリアでは、少し時間をかけて暑さと日焼け対策☀️

日焼け止めをたっぷり塗りたくりアームスリーブ、カーフスリーブを装着
いざバイク180㎞の旅へ

バイク🚴‍♂️

ハイウェイの行き帰りの登りが地味にキツイ

コースの前半戦「ビュビュンハイウェイfeat.スービック坂48」は昨年と同様のハイウェイ往復が2往復に短縮

「Sohta Tanaka !! From Japan!!」とアナウンスが響くトランジションエリアを通過して、バイクに跨る
足をクルクル回して落ち着いてGarminのパワーと心拍を確認

序盤のハイウェイ登りではガンガンとトルクをかける欧米人に抜かれる
こんな序盤も序盤で足を使いたくないので、平地とケイデンスを合わせるようにクルクル

ハイウェイに入ると70.3とリレーの選手もいて、そこそこ走っている
ただナンバーが赤いので分かりやすく、グイグイとパスしていける

折り返し付近の手前でTOP選手と先導者が通過
まだ10分程度の模様

今回一緒に旅をしたごーいちさん、泰介さん、源さんはスイムアップ上位なのでこの後にすぐすれ違う

往復コースなのでとにかく知り合いにたくさん会う機会がある

ハイウェイの2周目では同じくKONAチャレの今井さんにも遭遇

今井さんには昨年のフィリピンでお世話になり、朝スイムも同じコースで、合宿でも車を出してくれたりと頭が上がらない存在🙇

去年は全く追いつけなったので、前半で自分が飛ばし過ぎなのか心配になったが、まだ大丈夫そう

前半地点では暑さはまだ耐えられるが、エイドではしっかりと体を冷やすために毎回ボトルは2本もらうようにした

冬に調整したポジションで定量的にも昨年より空力が良くなった
フィジカルアップしてより良いポジションを探求していきたい🚴‍♂️

そこからはもう一度市街に繰り出し、後半戦「道路ガタガタ空港グルグル」はスービック国際空港の周りを6周回するコース

ここは事前に試走したが、とにかく道が悪い
しっかり目に踏んでも全然スピードが出ない

少し目を逸らすとタイヤが凹凸に持っていかれるので油断はできない

ご兄弟で仲良く走っていた泰介さんと源さんとすれ違う
泰介さんから元気そうに「うぇーい!そーたー!」と声をかけられて笑ってしまった🤣

ここからはかなり暑くなってきた
6周回もするので後半になると結構な人数が走っている

5周目あたりでごーいちさんにラップされる
「良いペースだね!」と声をかけていただく

確かに今のところは概ねプラン通りで良いペースで走れている
実際今年の冬から練習を積んで距離耐性はかなりついた気がする

少なくともZwift5時間程度は当たり前だと思っている自分はしっかりSNSに毒されているだけなのだろう🤣

Zwiftで今回のコース設定を想定したワークアウトを3~4パターン作成して実施した🚴‍♂️

あとは補給も見直して最適化を図ったのはかなり大きかったのかもしれない

長時間練習でバテること、何より今年の宮古島とIM Philippinesでエネルギー切れになったり、潰れることがなくなった(フラグ…💩)

そんなこんなで6周回も終わり、市街地を通ってT2に向かいバイク終了
やはり総練習量や1回あたりの練習量を増やしていくことで、レースの体感時間は少しずつ短くなっている

バイクパートは5:42
酷暑を考慮して、無理はせず5:40前後で戻って来たいと思っていたので、概ね想定通り

今年はバイクパートでカエルにならずに済んだ🐸

さあここからマラソンして美味しいものを食べに行こう、明るい時間にゴールしよう🏃‍♂️

ラン

いよいよ最後のラン、こちらは昨年と同様のレイアウト
2日前にみんなで1周だけ走ったが、靴がビシャビシャになるレベルで汗が吹き出る

ちょっとしたアップダウンがある4周回
後半にかけて激坂に感じてしまう

当然ながら暑さは続いているのでエイドは毎回立ち止まり、バケツをかけてもらうようにボランティアにジェスチャーを送る

1周目は淡々と設定ペースで走れて、足も残っている「これは行けそうだ…!」

ランは周回なのでまたみんなに会える

2周目に入って、ごーいちさんとすれ違うと元気がなさそう…(後から聞くと嘔吐していたらしい🤮)

バイクまで近くにいた御大さんも、周回ラップで追いついてかなりキツそう…

サバイバルレースで、きついのはみんな一緒
ここからがIRONMAN🏃‍♂️

お腹にたっぷり氷を入れて浮き輪状態
両手にも氷を握りしめる欲張りスタイル

そして3周目の折り返しで、
復活してすごいスピードでラストスパートを走るごーいちさんに声をかけてもう

「こっからだよ!こっから!待ってるぞお!」

そこから自分もいよいよ最後の周回へ
ここまではなんとかなっていたが、深部体温は限界ラインを推移

おまけにここまで体を冷やし続けたのか、カフェイン摂取量が許容値を超えていたのか、お腹が少し緩んできた…

パーソナルニーズに下痢止めを入れたことを激しく後悔した…😇

もう最後のパーソナルニーズは過ぎているけど、ラスト10キロだからなんとかなるだろう…

しかしそんなことを考えているとすぐに限界を迎える

もれなくトイレにピットイン…💩(フラグ回収💩)

人間としての尊厳すら失いかけるも生きて帰るために、背に腹はかえられぬ
(コース上に設置されたトイレはなぜあんなにも世紀末感があるのだろうか…💩)

トイレから脱出して、最後の1周はもう何も考えられなかった💩

問1:ピットインしてしまったポイントを示せ

「いつもの家の周りコースを3周分だ…」と言い聞かせても、「もうキツいんだから歩いてしまえよ」とネガティブソータ君が囁いてくる

結局何が起きようと全て自分のせい
いくらSNSや練習会なんかで調子が悪いと言いふらそうが、全て自分のせい

レース当日に怪我していても、体調が悪くても、仮にレース中にパンクしようが、潰れようが、それも自分の実力、準備不足

次にどうすべきかを考えるしかない

レースの終盤でそんなことを考える余裕はないからこそ、日頃から自分を強く律することが大切な気がしている🧘

そこから歩く寸前までペースが落ちてしまったが、明るいうちに帰ってこれたことに安堵して無理やり笑顔を作りながらなんとかゴールゲートに辿り着いた

写真は全然笑ってないぞ😇

途中ゼッケンが破れてヒラヒラ状態に
お察しください💩

ランパートは宮古島のペースより少し落として、3:40を目標にしていたが結局4:07もかかってしまった

ただピットインするまでの平均ペースも5:30/km程度だったので3:50がいいところだった気もする

つまりまだまだ伸び代だらけだ🏃‍♂️

ゴール後も深部体温がなかなか下がらず、
椅子に座ってボランティアの方にジャバジャバと水をかけてもらった🥵

イベントホールに移動すると食事が用意されていたが、キンキンに冷めたピザとチキンだったので流石に…🍕

それからしばらくしてバイクのトランジションがオープンしたので、荷物を回収して帰路へ

1年前は1人で暗闇の中を泣きそうになりながらホテルに戻ったけれど、

今年はご一緒いただいた心強い諸先輩方と一緒に明るい時間に戻ることができたので少しは成長を感じることができた

レース後の宴
爆盛り香港料理店は味もピカイチ🇭🇰
2次会はコンビニのイートインでスイーツタイム🍦

最後に

今回の旅はTeamYの泰介さん、源さん、TRIONのごーいちさん、御大さんのKONAレジェンドの面々とご一緒させていただき何より非常に楽しい旅になりました🇵🇭

御大さん、ごーいちさん、泰介さん、源さん
自分以外はKONAアスリートのレジェンド

特に同部屋だったごーいちさんは、行き帰りの空港送迎、現地でも初日から一緒にスービック探訪したり、トライアスロンのことを色々教えていただいたり、くだらない話をしたり、レース中も声をかけてもらったりと終始優しくしていただき感謝しかないです。(寝る時のいびきは豪快でしたが…🤣)

レースの結果も泰介さんとごーいちさんはしっかりスロット獲得🌺
みなさんが引退される前には自分も一緒に行きたい🌺

お世話になりまくったごーいちさんと
レース後に寝不足&食べ続けてお顔が元気100倍パンパンマン🤢

また日本からメッセージをいただいた方は本当にありがとうございます🙇

こんなぼくのためにわざわざトラッカーを見て応援してくださった方とは是非ご飯でもいきたいです🍚

KONAチャレとこれから

KONAチャレを糧に自分と向き合えた

個人的にはロングのトライアスロンに魅力を感じているため、正直なところWCに関してはNiceよりかKONAに行ってみたい気持ちが強い🌺

高校球児が真夏の炎天下でもわざわざ甲子園で野球をしたいという感覚に近いのかもしれない

正直今回のレースで自身の気持ち的にはKONAチャレが終了している

ゴール後にKONAチャレの今井さんと
55~59カテゴリでスロット獲得🌺
一緒に携帯でリザルト見た瞬間は鳥肌が立ちました🤩

今のところ予定していないが、秋以降何かのレースでNiceに行けたとしても間違いなく物足りなさは感じるだろう(現状で年内にロングの大会は予定していない)

まず1年でKONAを目指すというKONAチャレメンバーである自分がキツかった

周りのほとんどからは絶対に無理だろうと思われていただろうし、面と向かって言われたこともある

そして実際に無理だった

そもそも昨年のIRONMANデビューをした段階で現状とのギャップは自分自身が誰よりも認識していた

「無理だよ」と言われても実際何も言えないので、KONAチャレなんて応募しなければと思ったことすらあった

(応募前までKONAにどうやって行くかすらわからなかった😇)

でもそんな悔しい思いができたのもKONAチャレのおかげだし、自分を奮い立たせて圧倒的に練習量が担保できたのかもしれない

(それでもレース前のトレーニングで強度やボリュームがピークに達するときは早くレース終わってくれ…とすら思ってしまうことはあったけど)

宮古島前の4月初旬、フィリピン前の5月末
フィットネスは190まで上がった
我ながら大きな怪我せずここまで積めた気がする

とりわけ平日に練習時間を確保するだけでも難易度が高いが、月100時間前後はコンスタントに充てて最大限のレベルアップを図ることができたのは大きかったかもしれない

振り返るとトレーニングの量においては国内外問わずエイジTOPレベルの方を参考にする限り絶対条件であり、質云々は二の次

バイクとランは低強度やベース強度の量を軸として、いわゆるポイント練習のような高強度がメインにならないようにした

その中で自分なりに体と向き合いながら大きな怪我をせずこなせたことは自信になっている気がする

神谷さんは宮古島のレース中にしかお見かけしたことがないですが、トレーニングに対する考え方やアプローチがものすごく参考になりました。(おそらく具体的な練習内容まで纏まっている日本語のコンテンツは他にない気がする)

あとはそんな自分を理解し、受け入れてくださった方々には感謝しかないです🙏

これからも温かく見守っていただけると幸いです🙇

これからどうするか?

今のところは少なくともKONAコンプレックスに罹ってしまった💀

やはりロングのトライアスロンをやっているからにはKONAを経験してみたい気持ちは消えていないです🌺

「無理だよ」と言われたからこそ、強くなるために練習を続けて、その結果KONAスロットが取れる機会が必ずやってくると信じています

ただ一方で近年のトライアスロンマーケットに目を向けてみるとIRONMANだけではないことも面白い

少なくともIRONMANブランドやKONAの価値は落ちている気もする

近年プロカテゴリでの注目度も高いPTOや根強い人気を誇るチャレンジシリーズは競技の魅せ方含めて興味深い

PTOが今後マネタイズ含めて成り立っていくかは今後注目したいところだが、IRONMANブランド以外のレースも出てみたい

そもそもトライアスロンを始めたキッカケとして、生涯を通して色んな国を訪れてレースをしてみたいということもある

6月はもう少しゆっくりして、あまり気負わずに少しずつ練習を再開してみようと思います

そのうちまた目標を立て直してトレーニングに励む自分がいたらこっそりでもいいので応援していただけるとありがたいです

きっと今はKONAチャレではなく嫁チャレをした方が良いのかもしれませんね…😇

帰国してハイカロリーな角煮を自炊
婿入りの準備はバッチリです🧑‍🍳

ということで今回も長文お付き合いいただきありがとうございました🙇

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