千日「かいほう」行 141日目

安倍元首相銃撃事件から一週間、凶行に至った容疑者の動機が「解法」されてきました。積年の恨みは「統一教会」でした。私にとってもその名は「かいほう」されることが多くあります。

約30数年前に大学入学後、大学の自治組織から「原理研究会」には気を付けるようにいわれました。その頃、「統一教会」が全国の大学で伝道していたのが「原理研」で、信者は珍味を売りながらそのセミナーに勧誘していました。私のアパートにも来ましたが、適当に応対して断りました。大学卒業後、専門学校で統一教会に関して著作のあったジャーナリストの講義を受けて、その問題とするところを多々、聞きました。その洗脳手口や「霊感商法」など社会問題化して、献金や勧誘活動について使用者責任を問う司法判断があったことを受けて、2015年に「世界平和統一家族連合」に改称されてからは私の意識の中からも過ぎ去って「解放」されていました。

容疑者の母親が入信したのが1991年ということなので、社会問題化する前の被害者が多く出た頃と「解法」されます。それから30年も経って、困窮して絶望が容疑者の積年の恨みを「解放」させてしまいました。被害者団体などに恨みを「開放」していれば・・・。

亡くなった安倍元首相には哀悼の意を示すとともに、スッキリしないものも「解法」されます。統一協会と政界との関連性を指摘されているのが、1968年に当時の教祖(文鮮明氏)が岸信介氏(安倍元首相の祖父)の協力を得て反共産主義政治団体「国際勝共連合」を日本に設立したことです。それ以降、自民党特に派閥「清和会」との蜜月が指摘されていました。容疑者はその程度は不確かながらその関連団体に参加していた「清和会」の会長・安倍元首相を矛先にしたものと「解法」されます。

事件直後、各テレビ局が特番でこの衝撃的な事件の映像を繰り返して流していました。大事件や戦争、災害といった「惨事報道」を見聞きすると、心身に影響が出る可能性があることが、近年の研究で明らかとなり、「トラウマティック・ストレス」と呼ばれています。その「介抱」として、「ながら見」をやめる、同じ内容で衝撃的な映像を繰り返し見ないなど対処法が挙げられています。(朝日新聞2022.7.15付夕刊)

事件直後、参院選挙活動中ということもあってすべての政治家が言論の自由を脅かす凶行を非難・糾弾するコメントをしていました。容疑者に政治的な動機を否定する報道されていましたが、動機が何であっても力ずくの暴力は言論の自由を脅かすことは変わらないものと「解法」されます。

先の「トラウマティック・ストレス」は統一教会のセミナーで流すビデオ映像と内容は違えど、人に与える影響の基本原理は同じものと「解法」されます。その結果、ストレスを生み、統一教会では「洗脳」になります。ロシアのような政府ではプロパガンダになります。その「かいほう」には、「同じ」ことの繰り返しではなく、多種多彩なものに触れることで、それには言論・表現の自由は不可欠なものと「解法」されます。

統一教会と「清和会」との蜜月の程度は不確かな推測の域が出ないものとはいえ、全くの偽情報でなければ、言論・表現の自由として「開放」し、それと同時に相手には暴力ではなく言論・表現の自由として反論することが「かいほう」して行くことになります。


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