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§7 宮音を決めて陰旋法を歌う お箏を弾く人のための「初めての楽典」
第7回 宮音を決めて陰旋法を歌う
前回は半音ずつ音を高く転調しながら陰旋法の5音(宮商角徴羽の5音)を続けて歌う練習をしました。今回は陰旋法の最初の音、「宮音」をひとつ決めて、そこから陰旋法の5音を歌ってみましょう。
最初は「宮音」を「D=壱越」と決めます。「D」の音を聞いてください。
ではこの音から陰旋法の5音を歌います。この音の「音名」は「D」ですが、陰旋法を「階名」で歌いますから歌うときは「ミ」と発音します。そして、この「ミ」から始めて前回練習したように「ミ・ファ・ラ・シ・ド・ミ」「ミ・ド・シ・ラ・ファ・ミ」と歌ってみましょう。
あまり自信を持てない方もいらっしゃるかもしれません。手順を追って音を確かめてみます。
楽譜を見てください。
![](https://assets.st-note.com/img/1652266646216-UEtd6mMJLr.jpg)
「ミ」から歌い出して、まず半音高い「ファ」を発音して見ましょう。「宮音」を基準に「商音」を歌います。「ミ・ファ・ミ」と発声します。これを4回繰り返します。
次に「ミ・ファ・ラ・ファ・ミ」と歌って「宮・商・角」まで歌います。2回繰り返します。
さらに「ミ・ファ・ラ・シ・ラ・ファ・ミ」と歌って「宮・商・角・徴」まで歌います。
最後に「羽音」を歌い、1オクターブ高い「宮音」まで歌って往復します。「ミ・ファ・ラ・シ・ド・ミ」「ミ・ド・シ・ラ・ファ・ミ」となります。
実際の音で確かめてみましょう。
それでは「宮音」を変えてみます。今度は「宮音」を「A=黄鐘」と決めます。「A」の音を聞いてください。
「音名」では「A」ですが、やはり「階名」で歌うために「ミ」と発音します。この音を基準に陰旋法の5音を歌います。「D」の時と同じ手順で歌ってみましょう。
楽譜を見てください。
![](https://assets.st-note.com/img/1652266856591-gXlXVxbNRs.jpg)
「宮」と「商」を歌います。つまり「ミ・ファ・ミ」と4回歌います。
「宮」「商」「角」まで歌います。「ミ・ファ・ラ・ファ・ミ」と2回繰り返します。
「宮」「商」「角」「徴」まで歌います。「ミ・ファ・ラ・シ・ラ・ファ・ミ」を2回歌います。
「宮」「商」「角」「徴」「羽」の全てを歌い、1オクターブ高い「宮」までを往復します。つまり「ミ・ファ・ラ・シ・ド・ミ」「ミ・ド・シ・ラ・ファ・ミ」と歌います。
実際の音を聞いてみましょう。一緒に歌ってみても良いでしょう。
最後に「宮音」を「G=双調」にしてみます。「G」の音を聞いてください。
歌う楽譜を見てみましょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1652266993564-ivi2xXhODv.jpg)
「宮=D」の時や「宮=A」の時と同じように「ミ・ファ・ラ・シ・ド・ミ」「ミ・ド・シ・ラ・ファ・ミ」と往復してみましょう。
今回うまく音を見つけられなかったときは第6回の練習を繰り返してみましょう。陰旋法の5音に慣れ親しむことが大切です。
第8回では、今回歌った3種類の陰旋法の音を実際にお箏で再現してみます。