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お箏を弾く人のための「初めての楽典」

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お箏を弾く人が初めて「楽典」という音楽の基礎を学ぶ時の入門書です.西洋音楽の「楽典」に拠らずに、「平調子」や「雲井調子」といった五音音階の仕組みから始まります.
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2022年12月の記事一覧

§19 「オ九」の意味を考える②       お箏を弾く人のための「初めての楽典」

第19回 「オ九」の意味を考える② 「六段」では「四」も「九」も押手によって全音高い音を作りました。一方で、現代箏曲の範疇に入る曲では調絃の段階から「四」と「九」が全音高くなっているものが多くあります。沢井忠夫作曲の「花筏」「つち人形」などは流派を問わず、初心者がさらう曲として定番化しています。 これらの曲では調絃の指示に「平調子より四と九を1音高く」と書かれています。古典箏曲の中でこの調絃に近いものといえば「古今組」の五曲が思い起こされます。「六段」に続いてさらう事が多