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『THE TEAM』のまとめ

僕自身、リンモチに入社を決めたきっかけは、
リンモチの『Top Forum』での麻野さんのトップセッションだった。

自分自身仕事で成果を出せなかった一年目。

初めて任せてもらえた製薬会社の内定者研修プロジェクトで
全員を感動させて成功体験と仕事の素晴らしさを経験したこと。

全ての人に組織の素晴らしさを知ってもらう、
SonyやHondaのような世界を代表する会社を作るというビジョン。

麻野さんが話す言葉は、
一言一言に「体温」と「安心感」がこもっていた。 
「人間味溢れるリーダー」まさに自分が理想とするリーダー像だった。

前置き長くなりましたが、そんな麻野さんが書いた本です。笑

はじめに   売上・時価総額を10倍にしたチームの法則
第1章    Aim(目標設定)の法則〜旗を立てろ〜
第2章    Bording(人員選定)の法則〜戦える仲間を選べ〜
第3章    Communication(意思疎通)の法則〜最高の空間をつくれ〜
第4章    Decision(意思決定)の法則〜進むべき道を示せ〜
第5章           Engagement(共感創造)の法則〜力を出し切れ

特別収録 チームの落とし穴〜足し算か、掛け算か、割り算か?〜
最終章  私たちの運命を変えた「チームの法則」

はじめに  売上・時価総額を10倍にしたチームの法則

「チームにおいて1+1が2より大きくなることはあるか?」
答えはYES。どうすれば大きくできるか。「チームの法則」を理解することによって総和を大きくすることを再現性を持ってできるようにしようというのがこの本の主題だ。

「目標を達成するチームがいい」
「人がやめないチームがいい」
「コミュニケーションが活発なチームがいい」
「みんなで話し合うチームがいい」
「モチベーションに左右されないチームがいい」
状況に応じてこれらの通念は誤解であることを冒頭で述べている。

〜以下、心に残った言葉引用〜

・個体としての能力が低かったホモ・サピエンスが生き残ったのは「集団」つまり「チーム」があったからだ。複雑な言語や空想的思考によって大きな社会集団を形成し、協力・共創することで環境に適応し、他の種を滅ぼした。
・私の人生で最も誇れるもの。それはメンバー達と作ってきたチームです。私たちのチームはどんなに目標が高くても諦めません。私たちチームは誰かが苦しんでいたら、誰かが支え、助けます。私たちのチームは自分たちが世界を変えると、全員が本気で思っています。

第1章 Aim(目標設定)の法則〜旗を立てろ〜

”さあ、チームをつくろう。チームに最初に必要なのは、「目的地」だ。”

〜Method(法則)〜

「共通の目的がない集団」は「チーム」ではなく「グループ」

グループ=「共通の目的」がない
チーム=「共通の目的」を持つ
例)小学校の登下校
グループ:遅れてもいいや、早く行きたいから急ごう、自分のペースで行こう
チーム:「みんなで安全に登校する」←共通の目的
時間通りに集合しよう、下級生に気を配ろう、上級生に遅れずに付いて行こう

目標を適切に設定するのがいいチームだ

カラーバス効果=人間はある目的を意識すると、それに関する情報を今まで以上に認識するようになる
→チームとして「何を目標に設定するか」によって、メンバーの思考や行動は大きく変わる

目標設定の3分類

意義目標=最終的に実現したい抽象的な状態や影響
例)日本全体のチーム力を高める
成果目標=チームとして手に入れるべき具体的な成果
例)10万部売る
行動目標=チームメンバーが具体的に取り組むべき行動の方向性
例)事例を交えてわかりやすく伝える本を作る

意義目標がなければ作業と数字の奴隷になる

ビジネスにおける目標設定は
行動目標→成果目標→意義目標 時代とともに重視される目標が変化した。

行動目標=振り返り評価
成果目標=MBO(Management By Objectives)

意義目標=OKR(Objectives and Key Result)
Objectives=実現すべき目的や意義>Key Results=創出すべき成果

例)Objectives:モチベーションエンジニアリングで組織に変革の機会を提供する
  Key Results:売上(+リピート率)
意義目標を設定すれば、今までなかった本質的な成果目標が現れる
「なぜやるべきか」がわかれば、新たな「何をやればいいか」が見つかる

”今の時代は、チームがなんのために存在し、どんな影響を与えていくべきなのかという意義目標を全てのメンバーが意識し、自発的に行動し、成果をあげる組織づくりが求められる。”

〜Episode(具体的事例)〜

新幹線のお掃除の天使達(JR東日本の新幹線清掃チーム)

<改革以前>
・自らの仕事に誇りを持てない
・どんな仕事をしてるのか人に知られない努力をする
・親戚や家族から掃除の仕事をバカにされる
<目標の再設定>
意義目標:「新幹線劇場」のキャストとして、お客様に感謝感激を与えよう
成果目標:7分でお客様に温かな思い出を持ち帰っていただく
行動目標:爽やか・安心・あったか
<改革後>
・7分間で約1000席の清掃を22人のチームで完璧に仕上げる
・見ている人々に感動を与え、拍手が怒る
・メンバーが様々な施策を提案し始める(アロハシャツ、ハイビスカス)

サッカー日本代表南アフリカW杯ベスト16

<改革以前>
・選手が消極的にプレー
・負けている時も自分の役割しかこなさない
・勝てない
<目標の再設定>
意義目標:日本のサッカー史上で成し遂げたことのない成績を残す
成果目標:ワールドカップベスト4入り
行動目標:6つの指針
1、楽しんでやる(Enjoy)
2、自分でやる(Our team)
3、勝つためにベストを尽くせ(Do your best)
4、今目の前のことに集中せよ(Concentration)
5、常にチャレンジせよ(Improve)
6、まずは挨拶せよ(Communication)

A4の紙を配り一番上に「W杯ベスト4」と書かせて、「そのためにはどういうチームになるべきか。そのチームの中で自分はどんな役割を担うべきか。そのためには1年後にどうなっているべきか。そして、毎日何をしなくてはいけないか」ということを書かせた。
<改革後>
ベスト4という明確な目標を共有し、各々のプレイに対する意識が高まり、切磋琢磨するチームづくりへ繋がる
・メンバー同士の自主的なミーティング増加
・メンバー同士のプレイに対する声かけ増加
・「そのパスでベスト4にいけるのか?」「夜、お酒を飲んでいてベスト4にいけるのか?」
・自国開催以外で初のベスト16

〜Action checklist〜

○そのチームの活動の意義が明確になっているか?
○そのチームの創出すべき成果が明確になっているか?
○そのチームは推奨している行動が明確になっているか?
○そのチームでは活動の意義と創出すべき成果、推奨している行動がで適切に接続されているか?
○あなたはそのチームが活動する意義、創出すべき成果、推奨している行動を日常的に意識できているか?

第2章 Bording(人員選定)の法則〜戦える仲間を選べ〜

”チームの「目的地」が決まれば、次に決めるのは「乗組員」だ。
「何をやるか」と同時に、「誰とやるか」がチームの成否を左右する。”

〜Method〜

チームは必ず4つのタイプに当てはまる

環境の変化度合い(相手チームの作戦や行動が自チームにどれほど影響するか)×人材の連携度合い(同じチーム同士の連携がどれくらい必要か)
①サッカー型(大・大)アプリ開発チーム
②野球型(小・大)飲食業の店舗スタッフチーム
③柔道型(大・小)生命保険の営業チーム
④駅伝型(小・小)メーカーの工場の生産チーム

チームがどのタイプかによってどのようにメンバー選びをすべきかは変わる
”「チームには絶対解がある」のではなく「チームには最適解がある」”

「ゴッドファーザー」より「オーシャン11」型のチームの方が強い

昔:第二次産業(製造業)→今:第三次産業(サービス業)
昔:ハード→今:ソフト 例)トヨタ(車→モビリティ)
昔:製品ライフサイクル長い→今:短い
昔は駅伝型(開発、製造、物流、販売)→均質な人材で良い
今はサッカー型(開発と製造、物流と販売が一体)→多様な人材を必要

プロジェクトの度にメンバーを招集し、一芸に秀でたメンバーの個性を組み合わせ生かすことにより、チームとしてのパフォーマンスを生み出す。
プロジェクトが終わると解散する。「流動性」と「多様性」のあるチーム。

〜Episode〜 

AKB48の売上枚数記録 女性アーティスト歴代一位

・AKB48は「流動性」を仕組みとして取り入れた初のアイドルグループ
・メンバーは「卒業」という形でグループを脱退する
・「○期生」という形で定期的に新しいメンバーが加入する
・新陳代謝がうまく行われる

〜Action checklist〜

○そのチームの活動の特徴を語れるか?
○そのチームのメンバーには適切な多様性があるか?
○そのチームには適切な流動性があるか?
○あなたはチームに必要なメンバーの特徴を理解しているか?
○あなたはチームのメンバー集めやメンバー選びに貢献しているか?


第3章 Communication(意思疎通)の法則
〜最高の空間をつくれ〜

”チームに加わった「乗組員」の力を引き出し、活かせるか。それはお互いが何を伝え、どのように繋がるかで決まる。”

〜Method〜

ルール設定5つのポイント

①What(ルールの設定粒度):ルールは増やすのか、減らすのか?
②Who(権限規定のルール):誰が決めるのか?
③Where(責任範囲のルール):どこで責任を負うのか?
④How(評価対象のルール):何を対象にするのか?
⑤When(確認頻度のルール):どれくらい確認するのか?

コミュニケーションを阻むのはいつだって感情

チームメンバーに対して「何を」伝えるかではなく、「誰が」「どのような場で」伝えるかを変える必要がある(文脈:コンテキスト)

「理解してから理解される」という人間関係の真実

人間は自分のことを理解してもらおうとしているうちは相手から理解されず、自分が相手のことを理解しようとした時に、相手から自分のことも理解される 例)「士は己を知る者の為に死す」
→「自分のことをわかっていない人が伝えている」のと「自分のことをわかってる人が伝える」のとでは、受け取る相手の感情が全く違う

相手に自分は理解されていると感じてもらう為には、
「経験」「感覚」「志向」「能力」を理解する必要

チームメンバーの人生を知っているか?(経験・感覚)

・相手の経験の全体像を知るための質問(水平質問)
・相手の経験だけでなく感覚まで掘り下げる質問(垂直質問)
モチベーション曲線を使う(リンモチの選考で2億回書いた。笑)

相手の特徴を知らなければコミュニケーションは成立しない

・モチベーションタイプ(志向や行動に対する欲求)
①アタックタイプ(達成支配型):成功を収めたい。周囲に影響を与えたい。勝・負→「すごいね」
②レシーブタイプ(貢献調停型):人のやくに立ちたい。平和を保ち、葛藤を避けたい。善・悪→「ありがとう」
③シンキングタイプ(論理探求型):様々な知識を吸収したい。複雑な物事を解明したい。真・偽→「正しいね」
④フィーリングタイプ(審美創造型):新しいものを生み出したい。自分の個性を理解されたい。美・醜→「面白いね」

・ポータブルスキル(持ち運び可能な能力
①対自分力:外交的(決断、曖昧、瞬発)⇆内向的(忍耐、規律、持続)
②対人力:父性的(主張、否定、説得)⇆母性的(傾聴、受容、支援)
③対課題力:右脳的(試行、変革、機動)⇆左脳的(計画、推進、確動)

相手の志向や能力を意識したコミュニケーションを取る
例)「アタックタイプ」「父性スキル」に仕事を頼むとき
→「〇〇さんの統率力(能力)はすごい(志向)と思っているから〜〜を頼みたい」と加える
→コミュニケーションが、相手に「伝わる」相手を「動かす」ものへ変わる

「どうせ・しょせん・やっぱり」がアイデアを殺す

ネガティブな感情を排除し、積極的な発言や行動を引き出す為に重要な考え方が「心理的安全」という考え方

心理的安全に支障をきたす原因4つ
不安→いうべきでない言葉→作り出す機会→生まれる心理
①無知→「こんなことも知らないのか」→率直質問→「聞いてもいいんだ」
②無能→「こんなこともできないのか」→失敗共有→「間違えていいんだ」
③邪魔→「今の言う意味あった?」→発言促進→「言ってもいいんだ」
④批判的→「それは絶対違うでしょ」→反対意見→「人と違っていいんだ」

「1on1」で「相互理解」と「心理的安全」を保つ

〜Episode〜

ロンドンオリンピック女子バレーボール銅メダル

「僕は世界で一番選手と対話してきた監督じゃないですかね。これだけは自負しています。」by真鍋監督
<就任当時>
・ビジョンを語っても無反応
・個人指導をしたら他の選手から特別扱いと言われる
<コミュニケーション>
・「風通しよく、選手の声に耳を傾ける」をモットーとして掲げる
・毎日、食事をしながら選手の話を聞くことにする
・選手全員との1on1MTG
・全員の性格を把握し資料としてまとめ、声の掛け方、接し方を変える
<実施後>
・選手自らが戦術を提案するようになる
・今後のキャリアについても積極的に相談してくる

〜Action checklist〜

○そのチームはルールを明確化できているか?
○そのチームはメンバー同士がお互いの過去や特徴を理解するような機会を持てているか?
○そのチームは問題やアイデアをメンバーが安心して共有できる雰囲気を作れているか?
○あなたはチームのメンバーの過去や特徴を踏まえたコミュニケーションを取れているか?
○あなたはメンバーに恐れや迷いなく自分が感じる問題やアイデアを発信できているか?

第4章  Decision(意思決定)の法則
〜進むべき道を示せ〜

”どんなチームにも「分岐点」は絶え間なく訪れる。どちらに舵を切るのか、その決断がチームの命運を決める。”

〜Method〜

「独裁」VS「多数決」VS「合議」

・独裁(一人が意思決定する)→納得:低、時間:短
・多数決(多数の賛同の案に意思決定する)→納得:中、時間:中
・合議(全員で話し合って意思決定する)→納得:高、時間:長

合意はスピードとセット

決定分析(DA)
→チームによる合議をスピーディーに、再現性を持って進めるための手順
①選択肢を選ぶための基準を出す
②その選択基準に優先順位をつける
③その選択基準を満たすであろう選択肢を複数出す
④優先順位の高い選択基準に合致する選択肢を選ぶ

「正しい独裁」はチームを幸せにする

独裁という意思決定手法はどのようにすればうまくいくのか?
「強い意思決定」「速い意思決定」を意思決定者が心がける

ファーストチェス理論:チェスにおいて「5秒で考えた手」と「30分かけて考えた手」は実際のところ86%が同じ手なので、できる限り5秒で打った方がいいという考え方。
→意思決定者は孤独を恐れず、チームのために迅速に力強く意思決定する
→意思決定そのものよりも、選んだ選択肢をどれだけ着実に実行し、正解にできるかが重要。(南場さんも言ってたなー。)

”意思決定者は反対や孤立を恐れずに、一人で決めよ。
しかし、メンバーは意思決定者を孤独にするな。”

独裁者が持つべき「影響力の源泉」

「どのような意思決定」だけでなく「誰が意思決定者なのか?」も大事
Aさんの言う事は聞きたい>Bさんの言うことは聞きたくない

「影響力」の5つの源泉
①専門性:「すごい」と思われる知識や技術がある事
②返報性:「ありがたい」と思われる支援や関与をしている事
③魅了性:「すてき」と思われる外見的・内面的魅力を有している事
④厳格性:「こわい」と思われる規律や威厳を持つ事
⑤一貫性:「ぶれない」と思われる方針や態度を持っている事

〜Episode〜

シンガポールの経済成長

リークアンユーによる独裁
・経済成長のために必要な政策をダイナミックに意思決定
・外資系企業誘致のために、空港・道路・通信などインフラ整備
・厳しい能力主義的な選別教育システムや英語エリート教育
・一人当たりのGDPは日本を上回るまで成長

〜Action Checklist〜

○そのチームは状況に応じて最適な意思決定方法を選択できているか?
○そのチームはスピーディーに再現性のある議論ができているか?
○そのチームは意思決定者が孤独を恐れずに決断できているか?
○リーダーの意思決定を自らの手で正解にすべく活動できているか?
○決断が必要なタイミングで「強く」「速く」意思決定ができているか?

第5章  Engagement(共感創造)の法則
〜力を出し切れ

”メンバーがチームで活動し続けるのは当たり前のことではない。
そこにはメンバーとチームの「絆」が必要だ。”

〜Method〜

超一流でもモチベーションに左右される

モチベーション=「ある行動を選ぶ理由」
全てのチームメンバーがモチベーションに左右される
例)練習せずに遊びに行く、他の部に移籍して活動する

チーム作りにとって大切なのは、「チームの活動に参加し、チームとしての成果に貢献する行動を選ぶ」ことに対する「モチベーション」です。

チームに貢献しようとするモチベーション
「Engagement(チームとメンバーの結びつき)

モチベーションを科学する〜気合いで人は動かない〜

×メンバーのモチベーションを高めるためにはリーダーが情熱的に語りかけることが大切だ
○メンバーのエンゲージメントを高める方程式をチームに埋め込むことが大切だ


エンゲージメントを高めるための4P

<感情報酬>
・Philosophy(理念・方針)例)ディズニー
・Profession(活動・成長)例)マッキンゼー
・People(人材・風土)例)リクルート
<金銭報酬>

・Privilege(待遇・特権)

自身は4Pのどこに魅力を感じるか明確にする
チームは4Pのうちのどれをチームの魅力にするかを定める
総量 全部:70×4=280 < People:100×4=400

エンゲージメントを生み出す方程式

エンゲージメント=報酬・目標の魅力(やりたい・Will)×達成可能性(やれる・Can)×危機感(やるべき・Must)

例)ディズニー
報酬・目標:「ハピネスを日本中の人々に提供する」
達成可能性:「1000万人、2000万人の来客を集める」
危機感:「ゴールやプロセスへの貢献が少なければ組織に所属できない」

〜Episode〜

AKB48の熱狂的エンゲージメント

<Philosophy:東京ドームで公演する>
・報酬・目標:秋葉原の小劇場からスタートしたアイドルグループが東京ドームで公演するという奇跡を起こす
・達成可能性:秋葉原の小劇場から東京ドームまでの距離1830m
・危機感:恋愛禁止ルール

〜Action checklist〜

○そのチームでは金銭報酬や地位報酬だけでなく感情報酬がメンバーに提供されているか?
○そのチームではメンバーが何に共感してもらうかが明確になっているか?
○そのチームにはメンバーがチームの魅力を感じる仕組みが埋め込まれているか?
○あなたは自分が何をチームに求めてチームに参加しているかを明確にできているか?
○あなたはチームのメンバーの共感を生み出すことに貢献できているか?

特別収録 チームの落とし穴
〜あなたのチームは足し算か、掛け算か、割り算か?〜

”チームには「落とし穴」がある。
落とし穴にはまるのか、避けるのか、それはあなたたち次第だ。”

「自分一人くらい」と言う落とし穴(社会的手抜き)

社会的手抜き:集団が大きくなればなるほど、一人当たりのパフォーマンスは低下する
例)草むしり 3人で10時間→10人で×3時間未満 ○3時間以上
→「自分一人くらいやらなくても大丈夫だろ」(社会的手抜き)
→「当事者意識」を持たせる必要性
①人数→一定以上達したら、チームを分化させる
②責任→責任範囲と評価対象を明確化する
③参加感→多数決や合議を用いる

「あの人が言っているから」という落とし穴(社会的権威)

「肩書きや経験などの”権威”を持つ者に対して、人は信頼をおく」
→フラットに議論する場、メンバーから意思決定者に提案する場を設ける

「みんなが言っているから」という落とし穴(同調バイアス)

従来の経済学:人は合理的かつ功利的な判断のもとに動く
行動経済学:人は感情で動く生き物、時に非合理的な行動をする

同調バイアス:周囲の人々と同じ選択をして安心感を得たいという同調性が人間の判断に影響を与える
例)行列ができている飲食店に行きたくなる、自習室の雑談
→チームの「雰囲気」を意識的にマネジメントする
→スポットライト:ある態度のメンバーに光をあて、実態より多く見せる
 インフルエンサー:影響力の強いメンバーに働きかける
例)リクルート:表彰式や社内報、社内ジャーナリズム

「あの人よりやっているから」という落とし穴(参照点バイアス)

参照点バイアス(アンカリング):最初に提示された数字や印象が参照点となって強く残り、その後の印象や行動に影響を及ぼす
例)商品A:10000円(参照点)→商品B:5000円 やっす!!!

本来100のパフォーマンスを出せる人が、隣のメンバーの60を見て自分も無意識で考えてしまう
*リーダーはメンバーの参照点になりやすい
「リーダーが遅刻しているから遅刻していいや」「リーダがきちんと人の話を聞いていないから自分も他の人の話を聞かなくていいや」

→チームの中で「基準」を明確に示すことが重要
→意義目標、成果目標、行動目標、責任範囲、評価対象を明確に提示
例)阪神:1987年〜2001年まで最下位
→金本選手:どんな状況でも練習や試合を休まずにストイックに取り組む
→チームの基準が変わりチームの成績も上がった

最終章  私たちの運命を変えた「チームの法則」

〜以下引用〜

・メンバー同士の「取扱説明書」を作成した。自分の人生の「経験」と「感覚」を示した「モチベーショングラフ」、自分の「能力」や「志向」を記した「ポータブルスキル」や「モチベーションタイプ」の他、どんな時に嬉しいと感じ、悲しいと感じるか、周囲のメンバーにはどのように関わって欲しいかまで記載。
・「キックオフ」や「エンジニアリングセッション」はチームのメンバーが他の活動をストップして、それぞれ丸一日実施しているので短期的な営業活動にはマイナスです。しかし、この時間的投資はエンゲージメントの向上と共に最終的には業績に跳ね返ってくると実感してます。


「チームの法則」が私たちにもたらしたもの
目標をやりとげる達成感。顧客に喜んでもらえる貢献感。
そして何よりも、私の人生にとって大きかったのは、
そこから生まれる豊かな人間関係でした。
誰かの弱みを誰かの強みで補い合う。
壁にぶつかれば一緒に知恵を出し合う。
落ち込むことがあれば肩を貸しあう。
開発が成功すれば、肩を組み合って喜ぶ。
目標を達成したら嬉しくて、共に涙を流す。
気づけば、お互いがお互いにとって、
決して欠かすことのできないかけがえのない存在になっていきました。
最高のチームは、私たちひとりひとりを幸せにする力がある。
「偉大なチームには、法則がある」


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