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【一級建築士設計製図試験】本年度課題「大学」概要

令和6年度 一級建築士試験「設計製図の試験」の課題
大 学

課題発表内容整理

①:広範な利用形態が想定され用途を絞って学習することは難しい「大学」

本用途は事実上の新課題。ただでさえ最近の出題傾向ではサブタイトルがなくヒントが少ない上に、近年はデフォルトとなった階数不明の各階平面図要求。そして大学といっても、敷地内に計画するのかサテライトを街中に計画するのか。文系なのか理系なのか、スポーツ施設なども入れてくるのか・・・乱暴に言えば何も課題を発表していないに等しい、などといっては怒られそうだが、それほどに広範な想定が可能な課題。とにかく試験には様々なパターンの学習が求められる。課題をたくさん用意できる大手資格学校に圧倒的有利な課題とはいえるでしょう。もっとも大半の方が大手2校に通っているわけですから、通っているからといってアドバンテージとは言えないことも、通っている方こそわかっているでしょうが。

②:建築物の計画に当たっての留意事項に「大地震等の自然災害が発生した際に、建築物の機能が維持できる構造計画とする。」が新規に追加「建築物の計画に当たっての留意事項」に「大地震等の自然災害時に機能を維持できる構造計画」が新たに加わり、耐震計画や構造耐力の向上、設備の耐震化、防災計画の策定など多方面での対応が求められる。計画にはこれらの要素を反映させ、図面表現や計画の要点を正確に表現することが重要。
とはいいながら、免振基礎は資格学校でしっかりやらされたうえで、
令和元年本試験課題「美術館」における「美術館収蔵庫」「燻蒸室」「修復作業室」を計画する必要はない
みたいに、結局必要ない、となりそうな気もしますが。

③:建築基準法等の関係法令の遵守昨年から課題告知に「建築基準法等に適合した建築物の計画(建蔽率、容積率…)」が記載されなくなり、注意事項に『建築基準法等の関係法令や要求図書、主要な要求室等の計画等の設計与条件に対して解答内容が不適合又は不十分な場合には、「設計条件・要求図面等に対する重大な不適合」等と判断されます。』の記載に変更。合格基準ランクⅢ、Ⅳに多い不備としては、高さ制限やいわゆる延焼ラインの位置、防火設備の設置不備が指摘されている。特に昨年は本試験のフタを開けてみると、法令違反地雷をかわし切ってゴール(完成)できたら概ね勝利、というような課題でありました。ほとんど法律の試験の様相。

概要としてはこんなところです。今のところの想定としては、受験生の皆様は資格学校の課題で、基準階しっかりやらされて、斜線制限は道路だけでなく北も隣地もかわして成立させる訓練して、免震構造も練習して、
で、結局低層で免振基礎は必要ない、とかいって想定外の条件を出してくる、というところになりそうな気がしますが、とはいえ勿論、受験生の皆様におかれましては、上記すべて完全理解の上で試験会場に向かうしかありません。
2か月間、頑張っていきましょう。


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