A高校の日常 1

もう10年以上が経つので時効だと思って、私が経験したA高校の出来事を書こうと思う。
A高校には、私は図書館司書として勤務していた。
あの3年間は完全に私の考え方を覆した。
覆した、というか、いろいろな意味で、生きている世界が狭いということに気づかされた。

10年経って、当時の出来事をぽろぽろっと今の同僚に話してみたら
「それはNoteに投稿してみたら?」
と言われたので、思い立った時に書き連ねてみようと思う。
とは言え許可なく勝手に人のことを書くので、個人が特定されるのは本当に本人に申し訳ないので、匿名性を高く書きたいと思う。

まず初めに。
B君のお昼ご飯の話。
B君は確か5人兄弟の3番目。
社会人の兄、姉、本人、一番下はまだ保育園?だったと思う。
とっても穏やかな性格でいつもにこにこしていた。ひょっとすると少し発達課題があったのかも知れない。
東南アジアのハーフのようなクォーターのような顔立ちで、髪型は寝癖なのか天然なのかいつもくにゃにゃ、またそこが癒される、まさに癒しキャラとはこういう子を言うのだ、という感じの男の子。

さて、B君のお昼ご飯。
子育て中のお母さんが弁当を作れるはずがない。
そして真ん中だから、ほったらかしにされている。
以上の理由から、「週に500円」の現金支給式だった。
これは500円玉が出来たときにもらえるそうで、週2回もらえる時もあれば忘れられている時もあるそう。
B君は考えた。
500円で5日間買えるもの



食パン!(6枚切り)
1日2枚食べたら乗りきれる!!
食パン(セールで買う)100円2回=200円
マヨネーズ200円
これで乗りきろう!

だけど、これはすぐに飽きる。
家の冷蔵庫にあるものは使っても良いということ。
というわけでだいたいの1週間メニュー

月曜日 食パンマヨネーズ挟み
火曜日 食パンハムとマヨネーズでサンドイッチ風
水曜日 食パン、友達にもらったおかずをはさんで、サンドイッチ風
木曜日 食パンマヨネーズ挟み
金曜日 食パンを切らして、何もない。

そんな毎日を過ごしていた。
そんなB君の誕生日が近い、ときいたので、B君に誕プレをあげることにした。
ピザソース 198円。
Bくんは「こんなものが世の中にあったなんて!」
と今まで私に見せたことのない、歓喜の表情を見せて喜んでくれた。

Bくんはピザソースを大切に、1週間で使いきった。

そんなBくんの生活は2年間続き、あるとき終焉を迎えた。
アルバイトを始めたのだ。
近くのスーパーで、レジうちを始めたBくんの昼食は、食パンから菓子パンへとバージョンupした。
ブラックで有名なそのスーパーで、笑顔と引き換えに昼食を手に入れた。

次回はそのブラックスーパーで先輩アルバイトだったCちゃんの話。



いいなと思ったら応援しよう!