A高校の日常2

今回はCちゃんについて。
Cちゃんはいわゆる、オタク女子。
といっても、女子なので、ちょっと引っ込み思案。
ちよっとぽっちゃり。
何オタクかというと、ある作画さんオタクで、その人が作られた作品、当時、プリキュアの作画さんが、ガンダムをやったとかでめっちゃ話題になっていた、そのかたが大好きだった。
彼女はとにかくニコニコ癒し系女子。
誰からでも彼女は好かれていた。
全校生徒が私のことをしたの名前で呼び捨てするのに、彼女だけは「せんせ」とよんでくれていた。

しかし、彼女にはみんなが真似できないような短所が一つあった。
それは会話のキャッチボールが非常に苦手ということである。
自分の大好きなことについては話せるのに、それ以外のことについてはキャッチボールが2往復までしかできないのである。

例えば、
C「せんせ、私夏休み7kg痩せてん」
私「え?すごいやん!どうやって?」
C「お母さんの知ってる歌手のダンス」
私「ん?お母さん?どんな歌?」
C「お母さんは8kg痩せてん」
私「ん?ダンスの映像とか真似するん?」
C「二人とも汗すごかったわー」
私「結局なんのうたなん?」
C「2980円のDVD」

という感じある。
このやり取りの中で、「trf」という単語を引っ張って来るのに何回キャッチボールしたか。。。

そんな彼女が、先輩に誘われ、同じブラックスーパーでレジ係として働き出してしまった。
働き出して約1週間、彼女がおかしくなっていく。

C「せんせ、頭いたい。これ、バイトのせいやわ。」
私「どうしたん?」
C「バイト先、冷房効き過ぎて、寒くて頭いたくなるねん」
私「服重ね着とかできひんの?」
C「とりあえず、ロキソニンのんでるねん」
私「ロキソニン癖になるからあんまりのまんようにしいなよー」
C「1日4粒飲んでるけど、きかへん」
私「それは飲み過ぎやわ!止め!」
C「でものまな仕事できひん!もうええわ!」

なんと会話のキャッチボールがところどころおかしいけど、できるようになったのだ。
彼女が心配になって、学校から徒歩3分のそのスーパーのレジに並んだ。
すると彼女は私をフル無視したのだ。
そして次の日、昨日のことを聞くと、
「頭いたくて覚えてない」
という。

会話のキャッチボールができるようになったのはバイトのおかげかもしれないが、明らかに精神的におかしくなった彼女を説得し、なんとかバイトは止めてくれた。

そんなやり取りを3年間した彼女に、卒業間際、ある質問をした。
私「Cちゃん、私のこと、いっつも、せんせ、っていうけど、私の名前知ってる?」
彼女は走って逃げた。

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