オダサク探訪②「それでも私は行く」の先斗町その2
さて、前回はちょっと取材時間がなくて入口だけでしたが、今回は宵闇がせまる頃合いに、ゆっくり先斗町を歩いてみました。
前回の記事で紹介した四条通りの入り口から入って、竜馬通り方面へ。
ご覧の通り、幅2m程度の狭い通りの両側に飲食店がひしめいています。なるべく人が映り込まないタイミングを見計らったのでまばらに見えますが、土曜日の夕飯時、多くの人でにぎわっていました。
『それでも私は行く』には、鶴雄君の実家「桔梗屋」の2階は「鴨川をへだてて、四条京阪のプラットホームや南座の灯が見える部屋」と書かれているので、通りの東側にあたる鴨川沿い、どちらかというと四条寄りにある設定だと思われます。
龍馬通り近くまでくると、先斗町の歌舞練場が見えてきます。冒頭で君勇が稽古のために向かおうとしていた場所であり、ナンパしてきた望月を適当にあしらって入っていった建物でもあります。
作中にある君勇が駆け上がっていったという「石段」は何かわからないな…。階段のようなものをイメージしていましたが、この石造りのポーチと入口の段差のことを言ってるのかなあ。
先斗町春の風物詩、「鴨川をどり」の看板がありました。『それでも私は行く』は春先の物語。冒頭で君勇が歌舞練場に行こうとするのも、「鴨川をどり」の稽古のためでした。
先斗町通りと木屋町通りの間には、こんな感じの薄暗い極細の抜け道が点在しています。袋小路になっている場合は路地、通り抜けできるものは辻子というそうです。
ちょっとあやしくて一人で足を踏み入れるのは一瞬躊躇してしまいますが(くねくね入り組んだ辻子もあるので)、一度通ってみればなんてことはありません。別の世界に出てしまっている可能性は否めませんが。
しかしこの辻子の中にも隠れ家的なお店があったりして、このあたりも制覇すれば先斗町の「通」になれそうですね。
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では、次回はこの辻子を通り抜けたその先、木屋町界隈を歩きたいと思います。
(大阪の人間なのでついつい南北の道を「木屋町筋」とか書いてしまう編集O)