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心から。

第五回芝不器男俳句新人賞。僕にとって初めての大規模な賞への応募だった。100句、既発表作品応募可。きっと様々な人がこれまでの自分の最善を尽くしてやって来るだろう、楽しみに来るのだろう、戦いに来るのだろう、そう思いながら、作品を編むのは非常に心躍るものだった。

結果は一次選考通過、賞には届かず。
僕は44番で、すべての句を「教祖」という題材で詠んだ完全新作で勝負した(作った後、「教祖」に呪われたか、特大級のスランプが来たのだが)。楽しく作れたし、心から「あ、今自分の俳句してる」と思えた、それは何にも替え難い感情だった。しかし、そのなかでもやはり「この句は・・・幼いなぁ」「この句は・・・さすがに浮くよなあ」という感覚を得たものもあり、事実、選考でも技術不足は言及されていたという。

今回、僕は入賞しなくてよかった、と思えている。というのも、こうやって、自覚している課題がある以上、まだ作家としては二流以下で、認められるにはまだ遠いところにいることは確実だからだ。これは謙遜ではなく、事実だ。実際、受賞された方々の作品は(個人的な好みを除けば)素敵な作品だった。ああいった作品はつくれない、しかし、今僕の課題さえクリアすれば、彼らを超克することだって夢ではないだろう、きっと。心から楽しめた賞だが、心の底から野心と決意が湧き上がるカンフル剤としての出来事であったとも僕は思えている。

次こそ待ってろ。

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