対応力とポテンシャル
スポーツの技術において
スキルには大きく2つの分類があります
まず1つは、外的要因よって
プレーが左右されるオープンスキルと
もうひとつは、自分の中だけで
プレーが完結するクローズドスキルです
テニスのプレーで例えると
ストロークやボレーはオープンスキル
サービスがクローズドスキル
つまり、テニスは圧倒的に
オープンスキルが多いスポーツ
ということですね
ちなみにクローズドスキルは
外的要因に関わらず練習できるので
スキル習熟がオープンスキルに比べ
簡単だとも言われています
となると、やはりテニスは
オープンスキルの練習に
多く時間が取れる学校が有利ですね
では、練習に時間を取れない学校が
試合で勝つのは難しいということでしょうか?
いえ、そんなことはありません
もし、そうであったなら
学校ごとに練習時間を提出して
練習時間で順位を決めればいいんです
でもそうじゃないですよね?
結果は試合をしてみないと分からない
勝ったほうが勝ちなんです
話が飛びましたので戻します
かなり無理やりですが
オープンスキルは対応力
クローズドスキルはポテンシャル
とでも言い換えてみましょう
ボールの勢いや回転、相手の状況など
同時に考慮した上で最適な答えが出せるのが
対応力の高さ
自分が思い描くショットを
忠実に再現できるかどうかが
ポテンシャルの高さ
ストロークの場面で説明すると
ボールを自分の懐まで
持ってくることが対応力で
懐に入ったボールを打つのに必要なのが
ポテンシャルです
クローズドスキルなサーブだって
落ちてくるボールに応じて
叩く位置やタイミングを合わせますし
部分的に見れば
オープンスキルとも言えますよね?
ショットの全体を見て
オープンやクローズドと言ってしまうと
真逆なスキルのように感じますが
こうして見ると密接な関係にあります
対応力にポテンシャルが組み合えば
より質の高いボールが打てます
ポテンシャルだって
対応力の良さがあれば補うこともできます
どちらのスキルも
練習で鍛えることができますが
大事なのは時間の長さではなく
質の高さです
練習時間が取れないからと
短い時間で多くの練習を入れても
一つ一つの練習時間も短くなるため
コツや気付きも生まれにくくなります
毎日同じ練習を
ダラダラと続けても意味がありません
その練習で養われるのは慣れであって
対応力ではありません
今日は基礎練中心
明日は展開練習、のように
メニューを日によってガラッと変えたり
テーマを決めるのもいいと思います
もしあなたに練習メニューを
決める権限がないなどの理由があれば
状況設定や目標設定を変えてみましょう
ボレー練習であれば
タイミングばっちりのボレーのほか
読みのコースを外されたボレー
弾くボレーやストップボレーなど
いろいろと工夫してみてください
それぞれのプレーに
違いや共通点を感じることができたら
それは対応力が上がった証拠です
それぞれのプレーにおいて
高いレベルのボールが打てるようになれば
ポテンシャルが上がったということです
ありとあらゆるプレーにおいて
まんべんなく高いプレーができるようなるには
たくさん練習が必要でしょう
でも、まんべんなく練習する必要はありません
基本となる共通点の精度を上げましょう
そのためにも共通点を見つけましょう
ボールへの入り方、力の伝え方
共通する部分の感覚を養うことで
格段にプレースキルは育ちます
環境や他人の才能を羨むのではなく
自身の持つセンスを磨いてみましょう