本棚と原神考察
こんにちは、Hanaです。
今回は本棚紹介と、原神を考察する時に役立ちそうな作品を、初心者向けから上級者向けの本まで幅広くご紹介したいと思います。
特に原神は、世界各地の有名な文学作品や、神話などをモチーフにすることが多いため、ものすごく真剣に向き合おうとすると沢山の作品に触れる必要が出てきて大変です💦
原神に出てくる作品を調べる手間を短縮したい方、ぜひご活用ください。
モンドとカーンルイア(ギリシャ神話+北欧神話+ドイツ要素)
北欧神話の多くは北欧ではないドイツでまとめられました。
ドイツのゲルマン民族(の中のザクセン人)の神話は北欧神話と深く関わっているため、北欧神話を知りたいならドイツを避けられません。
原神の始まりの地モンドと、終わりの地カーンルイアは、おそらく「意図的に」同じ国をモチーフとしています。
モンドもカーンルイアも、「ドイツ」モチーフであり、北欧神話の影響が強いことが明かされている情報から推測できます。
まず最初に、北欧神話を知りたいなら『ニーベルンゲンの歌』を読んでみるといいと思います。おすすめはちくま文庫の石川さんの訳です。
ニーベルンゲンの歌に出てくる名前が、原神内にも出てきているので、読むと様々な発見があると思います。
次に読んでいただきたいのは、ワーグナーがニーベルンゲンの歌を自己流にアレンジした『ニーベルングの指環』です。
これはモンドとカーンルイアの最も重要なモチーフストーリーであると考えられます。原神に関わりがある内容がたくさん出てきます。
しかし『ニーベルングの指環』は本来すごく長いオペラなので、簡単に理解したい方は漫画版を読むことをおすすめします。
しっかり理解したいよという形には、こちらの単行本版の4冊をおすすめします。
ガイアのモチーフストーリーかもしれない(不確定)作品として、イソップ寓話の虚飾で彩られた烏と、ヘミングウェイの午後の死があります。
ヘミングウェイの午後の死は、日本語訳が見つけられなかったので、洋書を購入しました。
ガイアは午後の死というお酒がお気に入りだそうです。
アルベドメインの期間限定イベントでは星の王子さまがモチーフストーリーになっていたこともありました。
魔女会関係はゲーテのファウストという作品の中の、ワルプルギスの夜から引用してきているみたいです。
モンド関連の書籍に「モンドタワー」と呼ばれるものがあります。
かつてのモンドの逸話が載っているようですが、ユゴーのノートル=ダム・ド・パリを下敷きとしたようなストーリーになっており、モンドがフランスの影響も受けていることがわかります。
璃月(主に道教の影響が強い)
璃月のキャラは主に道教モチーフが多いです。
道教について手っ取り早く知りたい方はこの本がおすすめ。
ただしこの「講談社学術文庫」は「学術」と名前についている通り、書いている方が専門家であり、初心者向けというよりは中〜上級者向けの内容になります。
昔、考察動画として出しましたが、無妄の丘につたわる「鯨の歌」のモチーフは「楚辞 九歌」です。(確定ではない)
璃月は楚辞をモチーフとした話が多いのかもしれません。
若陀龍王のBGMも楚辞に影響を受けています。
稲妻(日本神話とジブリ要素強め)
原神公式が明言していましたが、稲妻はジブリの影響を受けています。
これは私の予想ですが、とくに、もののけ姫の要素が強いです。
あと、直接関係があるわけではないですが、アイヌの勉強をする時にこの本を参考にしました。
一番わかりやすいモチーフは椿説弓張月
原神には「曚雲」という人物が出てきますが、それはこの弓張月がモチーフです。
あと、日本神話が結構モチーフに使われていたので、古事記を使って調べることも多かったです。
草薙の剣とかまさに古事記から持ってきた話です。
稲妻地域は特に古事記がメインモチーフなので、稲妻を深く考えたい方は古事記・日本書紀中心に読んでみるといいかも。
スメール(インド・エジプト・アラビア・ペルシャ・シュメール神話)
スメールは広大な地域をモチーフにしているため、調べるのが大変です。
今のところ確実に出てきているモチーフは
「千夜一夜物語」
特にメインモチーフになっているのはマハーバーラタとラーマーヤナだと思います。
本当はもっと長い作品なのですが、流石に全部は読みきれないので短縮版を買って読んでいます。
スメールを考察したい方は上の2作を読むとより考察しやすいと思います。
スメールに限らず、原神全体の神々の考察をする時に、メソポタミア地域の神話を参考にすることが多かったです。
メソポタミアの神話はギリシャ神話やキリスト教などにも影響を与えているので、メソポタミア神話の出来事が原神の重要な書籍の下地になっていることがあります。
あとホスローとシーリーンというペルシャ文学がモチーフとして利用されていることもありました。
その他
淵下宮や、ベネット、タルタリヤのモチーフに採用されているのはギリシャ神話です。
特にトロイア戦争がテーマに使われている節があるので、イリアスやオデュッセイアは複数回原神内のストーリーに採用されているところを見かけました。
上の作品は私が原神内のモチーフを調べる時によく手にしている本です。
これは私の予想ですが、タルタリヤは「白鯨」という物語がモチーフになっています。
他にも、世界観構成に神智学や神秘学を利用していたり、「ヨハネの黙示録」や「創世記」の内容が原神内の禁書やアイテムに利用されていたりします。
占星術や錬金術のシステムを理解したいと思ったときは宇宙像の変遷という本や、西洋占星術史が役に立ちました。
原神公式のお気に入りはフランス文学?
なぜかわかりませんが、NPCにアレクサンドルデュマの作品の登場人物名がついていることが多いです。
あと、公式動画「足跡」に怪盗らしきキャラが映っていたのですが、フォンテーヌ(フランス)の怪盗といえば、ルパンです。
追記12/11 シラノ・ド・ベルジュラック
(フランスのオペラ)
イギリス文学もよくわからないタイミングで利用されている?
草神が仲良かったのは「ナイチンゲールと薔薇」だとゲーム内に書いてあったのですが、ナイチンゲールと薔薇は、確実にイギリスの超人気作家だったオスカーワイルドを意識しています。
なぜスメールにオスカーワイルドを持ってきたのかは謎です。
でもモンドのNPCやタルタリヤがアメリカ文学の「白鯨」の伏線を持っていることを踏まえると、あまり国にとらわれて考えすぎない方がいいのかも。
ゼンダ城の虜の登場人物名が原神のNPCにつけられていることもありました。
あと、シニョーラの恋人だったルースタンや、若陀龍王はペルシャ神話の「王書」由来のキャラでもあります。
なぜモンドや璃月にペルシャ神話由来のキャラが分散しているのかは謎です。
あとダンテの神曲も名前に利用されているのを見たことがあります。
もっと原神に登場している作品はあった気がするのですが、パッと思いつく限りは以上です。
また思い出したら追加しますね。