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ティナリのモチーフ考察[原神]

今回はティナリのモチーフ考察をしました。

ティナリのキャラデザインは北アフリカのベルベル人モチーフ
命の星座は、インド要素が強いです。

命の星座①

ティナリは植物学者であったアッ=ティグナリーというアラブ系イスラーム教徒をモチーフとしていると思います。

彼の命の星座は、ティグナリーに合わせて植物が成長する過程を表すようです。

種から根がはり全てが始まる→1凸
茎がのび枝※がのび進化する→2凸、3凸
葉が青々とした後萎れ始め→4凸
花が咲き→5凸
最後に実(種)に戻り因果となる→6凸

※枝と聞くと木を思い出しそうですが、枝は木に限らず植物の主となる茎以外の部分も意味します。

ティナリのキャラデザインの話の後に詳しく述べますが、この命の星座はインド要素というか仏教要素強めだと思います。

種子から花(悟り)へと向かい、また種子(果実)に戻るという過程を表します。

モチーフ人物と民族

モチーフとなったティグナリーの生い立ちの方を見ていきます。
ティグナリーは今からおよそ1000年前、現在のスペインの位置で生まれました。

当時(ティグナリーの時代)は、
ズィール朝というベルベル人のイスラーム王朝がこの地域を支配しており、
ティグナル村という所で生まれたのでこの名前になったようです。

なのでティナリはベルベル人と縁が深いキャラクターとなっているように見えます。

恐らくミホヨさんは、ベルベル人の民族衣装を調べて全体的にデザインしています。

ベルベル人は北アフリカの先住民族で、容姿は西ユーラシア人(ヨーロッパやアラブに多い)の特徴を持った民族です。

衣装

ベルベル人はエジプト最西部から大西洋岸のモロッコにかけて、北アフリカ一帯にいます。

(かなりの余談ですが、
ベルベル人という呼び名はギリシャ人による蔑称バルバロイ(訳がわからぬ言葉を話す者=野蛮人)から派生しており、
バーバラという名前もバルバロイ(バルバロス)から派生しています。)

ティナリの服装は北アフリカ地域の影響をかなり受けていると思います。

例えばティナリのフードがついたマントは、
ベルベル人がよく着ていた「バーヌース」というマントがモチーフだと思われます。

私は最初モロッコのフードが着いた伝統衣装ジュラバかと思いましたが、

バーヌースそれ自体がマントとフードを兼ね備えているので、恐らくバーヌースの方だと思います。

腰のベルトはベルベル人の民族グループ・カビールのアグースというカラフルな組紐ベルトのように見えます。kabyle agousで検索していただくと、見ることが出来ます。

ティナリは全体的に若干カラフルなのですが、ベルベル人の民族衣装はもっとカラフルです。
「Berber dress」とか「berber clothing」とかGoogleで検索していただいたらわかると思います。
当時ここまでカラフルだったかは分かりませんが…。

これを少し控えめにして現代風にアレンジし、統一感を出したらティナリの衣装になったようです。

ティナリは白のショールをつけていますが、ショールを肩あたりからたらすのも、アラブの男性はよくする格好です。

ショールの上の花弁の形は恐らくサボテンです。本来サボテンは南北アメリカ大陸の植物ですが、世界各地に移植されました。スメールの砂漠にも見られます。

スメールのサボテン

色味を強くしたサボテンの花弁の中央を円形のブローチで留めているようです。

ティナリはペルシャ発祥とされ北アフリカまで伝来した、サルエルパンツを履いています。
このサルエルパンツはベルベル人の男性も履いているようです。

ティナリは肩にも沢山装飾をほどこしています。肩の大きな留め具はティナリが母に貰った虫眼鏡を改造したものではないか?と言われていますが、これは公式では触れられていないので、真偽不明です。

(キャラストによれば、虫眼鏡を改造したものを服につけているらしい。一応鞄にも小さいものがついています。)

ティナリの一族は砂漠から来たワルカシュナValuka Shunaの一族です。
サンスクリット語Valuka(砂)、Shuna(犬)。

ティナリが砂漠に生きるフェネックモチーフであることと関係した名前だと思われます。多分…きっと…。

命の星座②と天賦

ティナリの命の星座の話に戻ります。

ティナリの命の星座は、北アフリカ寄りのデザインから一変して、インドらしい仏教の要素が取り入れられていると思います。

種子(因縁)が全ての始まりとなり、根、茎、枝、葉、花、果実(果報)となるという1凸から6凸までの流れは、仏教の因果という考え方や輪廻という考え方に繋がります。

仏教ではよく種子を因(原因のようなもの)、果実を果(結果のようなもの)として例えることがよくあるんです。

またティナリがよく蹴っているスキルの種子は花を咲かせています。


キノコ生やしてる時もありますが…

この種子は識果榴弾(識種の心榴弾)と呼ばれており、これも仏教要素強めの用語です。

なぜこの話をキャラデザインの後にしたのかというと、めちゃくちゃ難しいからです。

私も本当は難しすぎて語りたくないですが、ざっくりと説明します(無茶ぶり)

<スキルの説明文①>
識種の心榴弾を前方へ投げ、草元素範囲ダメージを与える。

▶︎仏教には阿頼耶識という考えがあります。
これは通常は意識されることのない識を意味します。
(無意識とは厳密には異なりますが、そんなこと言ってたら理解できないと思うので無意識に近いものとして捉えてください。)

この阿頼耶識にはこれまで経験したことが種子として溜め込まれていきます。

そしてこの種子なるものが私たちの世界の見方やあり方を、私たちも気づかないうちに変化させていきます。

ざっくり意訳すると、人によって経験してきたものは違うので、その後の見え方生き方も異なるという感じです。
この考えが因果論や輪廻の話に繋がっていきます。

(本当はそんな簡単に理解できるようなことではないです。でも深く説明するには難しすぎる概念なので…。
意味わからなくてもとりあえずニュアンスで捉えてください。)

<スキルの説明文②>
識蘊の領域を生成し、不思議な幻像が領域内にいる敵を挑発し、攻撃を引き付ける。

▶︎識蘊とは事実の認識、幻像とは本来見えないものを見る。
つまりティナリがスキルで生成する花のフィールドは、ティナリの識(の中の種子)から生まれた創造物(想像物)ということだと思います。

<スキルの説明文③>
ティナリは「通塞識」効果を獲得し、花筐の矢のチャージ時間-2.4秒。この効果は継続時間終了、またはティナリが花筐の矢を3回発射した後になくなる。

▶︎通塞識とは恐らく仏教の識通塞のことで、真理(悟り)に通じるものか妨げるものかを見極め、悟りへと繋げることを意味します。
ティナリにおける悟りとは、花筐(はながたみ)、つまり花のことだと思います。

悟り(花)へ繋がるようにチャージ時間短縮効果がついています。

ちなみにティナリの通常攻撃・「蔵蘊散悩」も蓄えていた煩悩を散らして悟りに近づくという仏教的な意味合いがあります。

この考え方は七聖召喚のナヒーダの「心識蘊蔵の種」のカードにも投影されていますが、その話はまた別の時に…。

ティナリは実装からよく使うキャラなので、考察していてとても楽しかったです。

※今回の考察はXにて先行公開していたものです。普段モチーフ考察はXにて投稿していますが、これからnoteにもまとめていこうと思います。(HanaのXアカウント)

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