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リネの衣装モチーフ考察[原神]

実は歴史に基づいてデザインされているという話。

紳士服

フリーナと同じく、全体的に16~19世紀のフランス男性貴族の服装(紳士服)をモチーフとしています。

フランスで19世紀に活躍した奇術師ジャン・ウジェーヌ・ロベール=ウーダンは、近代奇術の父と呼ばれ、マジシャン界の伝説的人物でした。

マジシャンとは暗くて黒魔術に精通した恐ろしい存在というイメージを帰るために、
マジシャンの服装を当時紳士がよく来ていた燕尾服とシルクハットの組み合わせに変えて広めたのも、ウーダンです。

後ろが長いのは燕尾服の特徴

なので、それに則ってリネの服装も燕尾服とシルクハットモチーフになっていると思います。
(フリーナも燕尾服+シルクハットです。)

ちなみに、モチーフとなったかもしれないロベール=ウーダンは、リネの伝説任務に登場します。

リネに限らず、モチーフになっていそうな人物の名前のNPCが登場するのは、原神あるあるです。

権威の象徴

ウェンティやフリーナ考察の時にも触れたのですが、元々ストッキングやヒールなどは男性貴族の方がよく身につけていました。
(フリルやリボンは権威の象徴で、男女共によくつけていました。かなり人気の装飾で、当時の絵を眺めている時に本当によく見かけます。)

そもそも女性貴族が足を見せる行為ははしたないとされており、むしろ美脚を競っていたのは男性貴族の方です。

中世のイギリス貴族や王族の間でストッキングが広まっていき、同時にストッキングが落ちないようにガーターベルトのようなもので留めておくようになりました。

ずり落ちないように留めてある

(リネは少し現代的にデザインされているので、違和感があるのかもしれませんが、私はリネの服がとても好きです。)

流行

リネのマントは片側のみになっています。

実は17世紀フランスの作法書によると、両肩にかけるのが望ましい…と書かれています。しかし、実際は片側にかけるのが流行だったそう。

袖口がふんわりとしているのも中世ヨーロッパ特有です。

袖口はふんわり

なので、ウェンティもリネもフリーナも(フリーナは女性ですが)、紳士服を着ているのに女性っぽく見えるのは、昔の男性貴族が着ていたものを現代の女性がよく身につけるようになったから…という事情があります。

原神のデザイン担当の人はちゃんと文化に基づいている訳です。
(現代風に大分アレンジされていますが…)

余談・孤児院のモチーフ

リネがいつか後継者となるであろう「ブーフ・ド・エテの館」のモチーフについて。

リネたちを含む孤児が集められた『ブーフ・ド・エテの館』(Bouffes d'ete)のブーフとは、

フランスのブフ・パリジャン座(Theatre des Bouffes Parisiens)を意味し、
ここで上演されたオペラのことを意味します。

ここで上演された演劇には『アルレッキーノの理髪師』という作品もあります。

(余談:この物語はセビリアの理髪師という作品が元となっていて、セビリアの理髪師の続編に位置するのが、かの有名な「フィガロの結婚」です。この2つは繋がっています。)

アルレッキーノは召使の別名です。リネたちの「お父様」でもあります。

この館の後継者は恐らくリネであり、
リネはそれについてこんなことを述べています。

リネ---- 「お父様」についての文
《子供だけで作られた王国…僕たちの王は「お父様」。僕は知っている——国王がいつか後継者を選ぶことも、その後継者が僕になることも…でも同時に、僕はそれに対して恐怖を抱くんだ…。》

※今回の考察はXにて先行公開していたものです。普段モチーフ考察はXにて投稿していますが、これからnoteにもまとめていこうと思います。(HanaのXアカウント)

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