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ウェンティのモチーフ考察[原神]
今回はウェンティのモチーフ考察を行いました。
キャラクターデザインから考えると、
ウェンティのモチーフがドイツではなくフランス寄りだという話。
そして天使ミカエルをモチーフとしているかもしれないという話。更に、片翼の天使だったという話。
モンドのフランス要素
モンドはドイツ語で月を表し、
ドイツの要素や北欧神話の要素が強いため、モンド=ドイツという先入観に囚われがちです。
確かにモンドという国全体としてはドイツ色が強めですが、ヨーロッパの他の国々の要素も入っています。
フォンテーヌもヨーロッパの色々な国を参考にしつつ、メインモチーフがフランスとなっています。
特に、ウェンティという神自体は、フランスモチーフの色が強いと思います。
今回はウェンティのデザインやモンドの教会、城のモチーフなどを考えました。
衣装
ウェンティの服装は、英語版の原神のwikiでは、ドイツのケルンの祭りの服装ではないかと言われているようです。
しかし私は、ウェンティの服装が、太陽王と呼ばれたフランスの伝説的国王、ルイ14世あたりを意識していると考えています。
ウェンティの服は、現代日本の価値観だと女性的に見えますが、
むしろこれらは中世以降のフランスの国王や貴族など男性がよく着ていたものです。つまりその時代においては、男性的な服装なんです。
特におしゃれに敏感だったルイ14世は、クラバット(クラバットはフランス語です。フリフリのネクタイみたいなもの。)を取り入れ、フランスで流行らせます。
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ウェンティはマントのリボンで隠れていますが、よく見ると首にクラバットをつけています。
また、白いタイツや、丸みを帯びたキュロットパンツ、フリフリの袖口の服も、フランス国王がよく着ていたものでした。
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※補足。キュロットもフランス語です。
ルイ14世の絵画も載せておきますね。
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ウェンティはベレー帽を被っています。
ベレー帽は、ナポレオン3世が「バスク・ベレー」と名づけ(それ以前にも存在はしていました)、フランスからどんどん広まっていきました。
他にも、古代ギリシャやローマにおいて、白百合は特別な花でした。
祝福や女性を象徴する花です。
ギリシャに大きな影響を受けたヨーロッパ各国は、百合を象徴とした紋様を好んで使いました。
特に、百合を好んだのはフランスです。
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フランスにおいて、フルール・ド・リス(フランス語)と呼ばれる百合の紋様は、フランス王家の象徴としてよく使われていました。
ルイ14世もよく服装に取り入れていました。
ウェンティの服装にも、しっかりしたものから簡略化されたものまで、フルール・ド・リスがいくつか取り入れられています。
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このフルール・ド・リスはモンドのあらゆる場所に隠されています。
一番見つけやすいのは、風神バルバトスをまつる教会、西風大聖堂。
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若干アレンジされたフルール・ド・リスが見られます。
西風大聖堂は実はフランスをかなり意識しています。
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まず建て方がゴシック建築様式(フランス発祥の建築様式)です。
そして、原神の「モンドタワー」という書籍に、西風大聖堂前にかつてあった塔の成り立ちや、当時の大司教について書いてあるのですが、
この書籍はユゴーの有名な小説『ノートル=ダム・ド・パリ』の物語をモチーフにした物語になっています。
つまり、西風大聖堂は、フランスのノートルダム大聖堂をモチーフの1つにしている可能性があります。
ノートルダム大聖堂もゴシック建築様式です。
(火災によって屋根の上の尖塔が無くなっていますが…)
そして、湖に浮かぶモンド城は、外観からもフランスのモン・サン=ミシェルをモチーフにしていると思います。
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そもそもモンド城が建っている湖は、シードル湖といって、フランス語由来の名前です。
ミカエル要素
ウェンティだけ他の七神以上に「天使」の要素が強いのは、もしかしたらミカエルの要素を持っているからかもしれません。
モン・サン=ミッシェルのミッシェルはミカエルMichelから来ています。
海に囲まれたケルト信仰の地に、
ミカエルのお告げでキリスト教系の修道院を建てたので、モン・サン=ミッシェルと名付けられました。
モンド城も湖の上に、ウェンティの代から城が建てられています。
また、ウェンティは公式の漫画で
「Vade retro dracco」という言葉を使いました。
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これはVade retro satanaという悪魔を払う言葉で、ドイツの聖ミカエル修道院で見つかった悪魔祓いの言葉を原神風にアレンジしています。
この点からもウェンティはミカエルと縁があるキャラクターだとわかります。
更に、ウェンティの神の目は天使の6枚羽根がついています。また、マントの形も6枚羽根です。
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ミカエルは6枚の羽を持っていると言われていますので、数も一致します。※羽の数は諸説ありますが、6枚説が一番多いです。
(ただし漫画版の人型のウェンティは6枚も羽根を持っていません。)
名前
ウェンティの名前はVentiで、ラテン語で風を表します。
しかし同時に、Ventiはイタリア語で20を意味します。
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ラテン語もイタリア語もどちらにせよ、イタリア圏の言葉というのには変わりないです。
ウェンティの腰には、
ローマ数字で
19を表すIXX(昔は19をこう書いた。今はXIX)、
20を表すXX、
21を表すXXI
が描かれています。
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この意味は私もいまだに掴みきれていないですが、21まで、そしてローマ数字ということは、
タロットカードを意味するのかもしれません。
19は太陽、
20は審判、
21は世界。
タロットカードの発祥は諸説あり、不明ですが、
イタリアやフランスの歴史とともに発展してきたカードです。
それがのちに他の国でも使われるようになっていきます。
ウェンティの数字が何を意味するかは現時点で確定できませんので、タロットを表すという上の話は、完全な当てずっぽうです。
余談・タロット
しかし、一応ウェンティとタロットが関係しているかもしれないという根拠を見つけられなくもないです。
ウェンティのPVにて、
「それは秘密なり。時の樹枝から生まれ、繁栄と寂寥を記録し、遍在する神を見届けた。」
と書かれていたことがあります。
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この時の樹は世界樹のことだと思われ、その世界樹に関係するアイテム「新生の白き枝」に、
タロット12番の「吊られた男」をモチーフとした記述が存在しています。
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〈「樹木」は知恵の象徴でもある。どこかの伝説には、木で逆さ吊りにされた賢人は、符文を記して言霊を操る知性を獲得し、樹木の根に沿って作られた王国は、最後に魔天の秘密を垣間見たというものがある。〉
日本語版では符文と訳されていますが、これは英語版ではルーン文字を意味します。
原神においてルーン文字は深淵の関係者がよく使っています。
このアイテムの説明は、
北欧神話の主神オーディンが世界樹ユグドラシル(イルミンズールともされる)の枝で逆さ吊りになりルーン文字を習得した話がモチーフとなっています。
そしてその北欧神話は、タロットの吊られた男のモチーフでもあると言われます。
※補足。日本語版の独眼王エルミンは世界樹イルミンズールのイルミンのこと。英語版ではエルミンはIrminと表記されている。
このエピソードは深淵の独眼王エルミンを表すエピソードだと思います。
オーディンは知恵を得るために片目を犠牲にして独眼となりました。
このオーディンは詩文の神であり、吟遊詩人たちの神でもあります。そしてよく放浪してます。
また、ドイツは北欧神話をまとめた国なので、北欧神話といえばドイツという印象が強いです。
そういった意味では、ウェンティとも何故か繋がってくる神です。
実はモンドのキャラも北欧神話由来の名前が多いです。
タロットは愚者が世界を旅して、成長する物語だと言われることがあります。
そしてこの愚者の姿は、ウェンティのようにフランス風の貴族や宮廷道化師のような格好で描かれることがあります。
そう考えると、カーンルイアと同じくドイツの要素を強めに持っているモンドという地域、
そしてそこの神であるウェンティはタロットカードと繋がりがある…とこじつけられるかもしれません_(:3 」∠)_
ギリシャ神話
かなり話が脱線しましたが、ウェンティの腰には風車アスターの飾りがついています。(花弁の枚数が4枚ですが…)
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モンドに咲くアスターと呼ばれる花と同じ名前の花が、私たちの世界にも存在します。キク科の花です。
天使ミカエルを祝う日に花盛りを迎えるため、別名ミカエルマス・デージー(Michaelmas Daisy)と呼ばれることもあるそうです。
風車アスターのAsterはギリシャ語で星を意味します。
モンド地域は、ギリシャやローマ関係の用語も多く、そういった意味ではフォンテーヌとかなり似ています。
そもそもフォンテーヌも古代はギリシャやローマをモチーフとした単語が多く、
今の時代はフランスを特に参考にしていると予告番組で言及がありました。
ドイツ(モンド)とフランス(フォンテーヌ)はフランク王国から分離した国ですので、文化的に似てるのは当たり前(?)
バルバトス(ウェンティ)は、ギリシャ神話に登場する竪琴を持った詩人オルフェウス(オルペウス)を連想させるキャラでもあります。
オルペウスといえば……淵下宮の禁書の『パネース』という原初神は、神話においてオルペウスが言い伝えた創世神であるとされています。
漫画において、ウェンティが原初の時代に関することを語るシーンもありました。
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盤古(中国神話)もユミル(北欧神話)もプルシャ(インド神話)も、世界の始まりを表します。
その物語を語るウェンティはまるでパネースの創世の物語を語るオルフェウスのよう(?)……かもしれません_(:3 」∠)_
片翼の天使
ウェンティは7神になってから、しっかりと両方の翼を持っていますが、
精霊時代は片翼の天使でした。
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片翼の天使とは、堕天使を意味します。
(7神は名前自体が悪魔のものとなっていますが、ウェンティは7神になる前から片翼でした。)
6枚羽根の天使はそもそもかなり高位の天使です。
しかし、神に逆らった天使は、神によって羽根をもぎとられ、天界からも冥界からも忌むべき存在として嫌われてしまいます。
ウェンティが精霊となる前、もしかしたら仙霊の伝説のように、偉大なる存在であったけど、神(7神以上の存在)に呪われて、片翼を取られてしまったのかもしれませんね。
(余談ですが、ウェンティが神の目につけている羽根は恐らく、ウェンティが仲間の少年のために集めていたという鷹の羽根を変化させたもの。
〈風の城に生まれ、空を飛ぶ鳥を見たことがない少年のために、元素精霊ウェンティは鷹の羽根を集めた。〉
ウェンティが頭に着けている花は、
少年が胸元に付けていた花で、
少年たちの抗争の旗の花です。
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そして花弁の数が漫画版では変化していましたが、白い花びらに赤いやく、葉の形や葉脈から推測するに、恐らくセシリアの花です。
そしてセシリアの花は形状から百合がモチーフっぽい…。
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ウェンティは百合の紋章フルール・ド・リスや百合自体と、縁が深いキャラのようです。)
命の星座
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始まりの神であるにも関わらず、ウェンティに関しては謎が多いです。なので、命の星座の考察もまとまっていません。
現段階の考察として、ウェンティの命の星座は、風(抗争)がどんどん強くなっていく様子を表すように思います。
第1重・矢先の蒼風
▶︎狙い撃ちの際に、矢先に現れる緑の風のエフェクトのこと?
実際に凸効果も通常攻撃に関係するもの。
蒼色は日本においても中国においても草木の色を表し、青色や緑色をさす。
第2重・恋い焦がれるそよ風
▶︎唯一わからない。そよ風自体は時折モンド関係のコンテンツの名前になっていることがある。
▶︎1凸2凸ともに、3凸以降と比べると弱めの風である。
第3重・千の風の詩
▶︎千風の神殿など時の神に関係することだと思われる。
だとすればまだ時の神が忘れられていなかった時代を表す?
▶︎もしくは、元素爆発は千の風を集めたものなので、その前の準備段階という意味かも。
第4重・自由の凛風
▶︎ 奔狼(アンドリアス)のことを凛風奔狼と呼んでいるので、そこと関係すると思われる。
第5重・高天の協奏
▶︎スキルの「高天の詩」のことだと思われる。
〈詩を奏でる風を呼び、塵泥の中を歩くものを高空まで届ける。〉
▶︎ 詩を奏でる風を呼ぶとは、スキルの際に魔法陣が描かれウェンティが召喚されることを意味する。
漫画版では実際にウェンティが魔法陣によって現れていた。
〈人と神がまだ共に大地にいた時代、無数の歌が四方の空に伝わっていた。それらはすでに忘れ去られた曲である。〉
▶︎神がまだ大地にいた時代(恐らく天が啓示をしていた時代)
▶︎もしくはモンドにはセレスティアへの道(門)が隠されているような伏線があるので、高天はもしかしたらそれを意味するかも。
第6重・抗争の暴風
▶︎恐らく元素爆発のことだと思われる。
〈千の風を集めた矢を放ち、前方に巨大な暴風の目を作る。爆風は敵を巻き込み、風元素ダメージを持続的に与える。〉--風神の詩
↓
〈風神の詩効果終了後、ウェンティの元素エネルギーを15回復する。〉--暴風の目
▶︎ウェンティは自由・詩人の神であると共に、抗争(暴風)の神でもある。
それはモンドの天賦本の説明で匂わされている。それが命の星座にも反映されているよう…?
重撃の弱めの風やそよ風から始まって、
スキルのような少し強い風を経て、
元素爆発のような暴風(抗争)に繋がっているように見えます。
これは恐らく、ウェンティが元素精霊のような小さな風だったのに対し、次第に風神のような大きな風に成長したことも暗示していると思います。
※補足
過去の考察から分かったことですが、原神のキャラの命の星座は、1つのテーマに沿っていることが多いです。恐らくウェンティも1つの流れとして繋がります。
ウェンティの考察に関してはまだまだ改定できる余地がありそうなので、今後少しづつ手直ししていきますね。
※今回の考察はXにて先行公開していたものです。普段モチーフ考察はXにて投稿していますが、これからnoteにもまとめていこうと思います。(HanaのXアカウント)