【短編小説】二番目の女の話
あの男は、男からも女からも好かれていた。
音を楽しみ、煙草を吸い、酒を嗜む、いかにも「かっこいい」男だった。
歳の割に長い髪、痩せ型で、服装はいつだってお洒落で、どこか頼りなく見えても、ほんの少しの凶暴性を隠してるようで、抱かれてる間はたまらないほどに魅力的だった。
私はあの男を本当に好きだったのかも、本当は嫌いだったのかもわからない。
ただ彼が回してる音に酔わされたのだろう、古くていいレコードがあると誘われて、彼の部屋に行った。
もちろんタワマンなんかじゃない、普通のアパー