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脳脊髄液減少症の再発について
脳脊髄液減少症は、脳や脊髄を保護する役割を持つ脳脊髄液が、何らかの原因で漏れてしまう疾患です。この液体が減少することで、頭痛、倦怠感、めまいなど、生活に支障をきたすさまざまな症状が現れるのが特徴です。特に外傷や激しい運動がきっかけになる場合があり、治療後も再発の可能性があることが知られています。再発するきっかけとして、頭部や背中への衝撃が挙げられる場合がありますが、その具体的なデータや原因は、まだ十分に解明されていない部分もあります。
私の場合、約10年ぶりに再発を経験しました。その状況を記録することで、同じ症状に悩む方やこれから治療を受ける方の参考になればと思います。現在も治療中の身ですが、過去の再発歴や今回のきっかけを振り返りながら、記録を残します。
私の脳脊髄液減少症の再発歴
私が初めて脳脊髄液減少症を発症したのは11歳のときでした。その後も15歳、17歳で再発し、今回は27歳で再び再発しました。それぞれの再発には、以下のようなきっかけがありました。
1. 11歳
スケートで尻もちをついたり、バスケットボールが頭に当たったり、テニスボールが顔に当たったりと、いくつかの要因が重なりました。どれがきっかけだったかは明確には分かりません。尻もちをついた3ヶ月後くらいから体調不良がではじめました。
2. 15歳
1日のうちに2回もバスケットボールが頭に当たるという出来事がありました。その2週間後に体調を崩しました。
3. 17歳
重いカバンが棚から落ちてきて、背中に衝撃を受けました。この時は、治療後の経過観察中だったので、体調不良が以前から続いている状況でした。
4. 27歳
重い荷物を持ち上げたことがきっかけでした。約2ヶ月後から前兆のようなものがあり、4ヶ月後に体調を崩しました。
これまでの再発歴を振り返ると、特にバスケットボールとの相性が悪かったように感じます。しかし、不思議とバスケットボールは私がスポーツが好きで、バスケットボールは体育の授業の中では特に好きです。友人たちには「バスケットボール中は、水を得た魚のよう」と言われるほどでした。今もスポーツは好きですが、再発のリスクを考えると、今後も衝撃を伴うスポーツを控えようと思います。
治療後の注意点と私の経験
脳脊髄液減少症の治療には「ブラッドパッチ」という方法があります。これは、患者自身の血液を硬膜外腔(こうまくがいくう)という部位に注入し、漏れた脳脊髄液を封じる治療法です。この治療を受けた後には、いくつか注意点があります。
私の場合、医師から以下のような指示を受けました。
治療後2週間はなるべく安静に横になること
治療後1年間は、20kg以上の物を持たないこと
背中に衝撃を与えないこと
私は前回のブラッドパッチから10年以上経過しており、重さに関する制限も解除されていました。しかし、30kgほどの重い物を持ち上げてしまったことで、再発した可能性が高いです。ですが、現在も治療中で、回復したわけではないので、他の可能性がないとは言い切れません。医師からは、脳脊髄液減少症の特有の所見があるそうです。
私は、重い物を持った時、特に異変を感じませんでしたが、後から考えると違和感がありました。重い物を持った直後、背骨や腰にじんわりとした温かい感覚が広がるような感覚がありました。当時は「誰でも重い物を持てばこうなる」と思っていましたが、よく重い物を持つ友人に確認したところ、「そのような感覚はない」と言われました。そのため、この感覚は異変だったのではないかと考えてしまいます。あくまで主観的な出来事ではあります。
再発のきっかけと前兆について
私が再発のきっかけとなる出来事を経験したのは、2024年7月末のことでした。その後、振り返ってみると、いくつかの前兆がありました。前兆という言い方が正しいのか、それとも症状が出始めていたと言うべきかは悩むところです。主に以下のような異変がありました。
1. 腰痛(8月〜10月)
重い物を持った1週間後から、腰が痛み、腫れ始めました。腫れは青黒く広がり、服がきつく感じるほどでした。医師には「座りすぎが原因」と診断され、炎症止めの注射や薬、冷やした後の温めなどで改善しました。私はデスクワークだったり、仕事後も座っていることが多かったため、診察に対して疑問はありませんでした。その後、10月頃には痛みはほぼ治まりました。
2. 視覚の異常(9月〜現在も続く)
光がいつもよりも眩しく感じるようになり、特に夜間は街灯や車のヘッドライトで目が眩むことが増えました。これにより、夜道を歩くのが少し怖くなりました。
3. 嗅覚の異常(9月〜現在も続く)
合成香料に過敏になるようになりました。以前、脳脊髄液減少症を発症していたときにも化学物質過敏症のような症状があり、「なりかけ」という診察をされたことがあります。脳脊髄液減少症が落ち着いてからは、合成香料で体調を崩すことは、ほとんどありませんでした。しかし今年の9月、電車内の香水でクラクラする症状が久々に現れました。現在も香水などの合成香料には過敏になっています。
これらの異変を経て、体調を大きく崩したのは12月初旬でした。今思えば、再発を示唆するサインがいくつもあったと感じています。しかし、再発など信じたくないものです。以前も現在も、再発を疑う気持ちはどこかにあるままです。
おわりに
現状についても整理する予定ですが、公開はまだ先になりそうです。今は、ブラッドパッチなどの治療中ですが、あまり良くならず模索しています。
最後に、1つ言えることですが、脳脊髄液減少症は症状が良くなっても、慎重に向き合う必要があるということです。
経験者のみなさんは、再発しないように、重い物や衝撃には油断せずに過ごすことをおすすめします。
患者の周囲の方々も、重い物を持たせないことや、背中を叩かないなど、注意して頂けると幸いです。
とは言え、発症を予防することは難しいです。
もし再発の気配があったら、
①保存療法(2週間ほど安静と多めの水分摂取)
②専門医受診やブラッドパッチの検討
これらを行ってください。
脳脊髄液減少症は、保存療法で治る方もいるそうです。
たった2週間で治るなら、数年の寝たりよりも良いものです。