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【読了記録01】神様ゲーム(2015)

結論

 面白かった!2時間でサクッと読めるお手軽さにも関わらず、どんでん返し要素も、不気味さも、スリリングなシーンもあって大満足です。
 小学生中心のストーリーもご近所感があって良かったんですが、いかんせん子ども達(特に男の子達)がしっかりしすぎて……。
 台詞回しも達観してると言うのか。20以上年を食ってる私よりも、冷静で推理力も高かったです。

作品概要

 タイトル『神様ゲーム』
 著者 麻耶雄嵩
 2015年7月15日 1刷発行
 発行所 講談社

 あらすじ 単行本背表紙参照
 神降市に勃発した連続猫殺し事件。芳雄憧れの同級生ミチルの愛猫も殺された。街が騒然とするなか、謎の転校生・鈴木太郎が犯人を瞬時に言い当てる。鈴木は自称「神様」で、世の中のことは全てお見通しだというのだ。鈴木の予言通り起こる殺人事件。芳雄は転校生を信じるべきか、疑うべきか。神様シリーズ第一作。

感想(ネタバレあり)

良い🌸 うーん☔️

🌸文章が優しく、会話も多いのでスラスラ読んでいくことができた。
 前述の通り、約2時間で読了しました。読むのはかなり遅い方ですが、200ページと本の厚みも少なくあっという間に読みきれた感覚です。
 読書が苦手な人でも飽きずに読めるのかな?と。
 少年少女が主人公ですが、中学生以上向きかなとは思います。

🌸神様ポジションの鈴木少年が「神様」発言する時の台詞がよかった。
 ↓以下好きな台詞の抜粋。

①「この国の法律では、猫を殺したくらいでは死刑にならないよ。人をひとり殺してもしばらくすれば刑務所から出て来られる呑気な国なんだから」

 猫殺しに怒りを露わにし、死刑にならないかなと軽くちを叩く芳雄へ放った言葉。
 まさにこの呑気な国!ってものすごく共感。
 過激かも知れませんが、私は人を殺すなら殺されても仕方ないと思う方なので。

 ここでは多く語りませんが、日本は犯罪者にあまりに優しすぎると憤っております。

②「人間を助けるのは神様じゃなく人間自身の役目だよ」

 極悪人に天誅をくわえるくらいやってくれたっていいんじゃないかと言う芳雄に向けての返し。
 まさしくその通りだと痛感。
 鈴木自身も神様を拠り所にすることは自由と付け加えてくれていますが、結局神頼みじゃ何も変わらない、変えられないと再認識させられました。
 ただ、ストーリーではこのあと神頼みで「天誅!」されます。(笑)

🌸神様による「天誅」がいつ実行されるのかドキドキした。
 これはもう、登場人物全員怪しくなっちゃって⋯⋯。
 親友英樹の死因も「天誅」と疑ったし(芳雄が作中で代弁してくれた笑)、なんなら芳雄自身が死ぬのか?とか、リーダー孝志(人生2週目系)が?とか。
 最後も父親が死ぬと見せかけてって感じで、理解力の低い私は脳みそしっちゃかめっちゃかさせられました。

🌸井戸から発見された親友に、恐怖慄いた。
 猫殺しをでっち上げ証拠で捕まえることも大概「子ども怖い…」ってなったのに、友達の死体発見するとか、証拠集めに立ち入り禁止テープ潜って侵入するとかぁ…。
 一般おばさんはいろんな意味でヒヤヒヤしました。
 井戸のふた越しにミチル(憧れの自由奔放少女)と対峙するシーンも、ただでさえ不気味だったのに真相がわかってからもっと恐怖しました。


まとめ

 調べてみてミステリ大賞の作品と知りました。
 そんな小学生おるかいな、と思うところは多々ありますがめちゃくちゃ面白かったです!

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