マジカルバケーションの話
マジカルバケーションってゲーム知ってますか?GBAのソフトなんですけど、僕はこのゲームが凄い好きなんです。ストーリーもキャラも世界の雰囲気も凄い好みです。絵柄とか雰囲気は聖剣伝説LOMみたいな感じです。デザインが同じ人なので。GBA初期に発売したとは思えない美麗なグラフィック。物語序盤に出てくるヴァレンシア海岸にて海のグラフィックに驚いた方も多いのでは。そしてクオリティの高いBGM。斬新なゲームシステム。魅力満載です。今回はマジバケの魅力的な部分を紹介していきたいと思います。多少ネタバレアリかも。
・魔法のシステムが面白い!
何と言ってもこのゲームの大きな特徴はコレ。このゲームの主人公や仲間たちは、魔法学校の生徒です。なので、戦闘も主に魔法を使用して戦います。仲間キャラは全員魔法の属性が異なっており、使用出来る魔法が違います。ゲームに登場する魔法の属性は全部で16種類。めっちゃ多い。一般的な火や水などの能力はもちろん、「刃」や「美」、「愛」等といった珍しい属性も。
※属性は「火」「風」「毒」「美」「刃」「音」「石」「虫」「木」「獣」「水」「雷」「古」「闇」「光」「愛」があり、それぞれ有利・不利が設定されてます。
主人公は最初に好きな属性を選べるんですけど、とある条件を満たさない限りは「闇」「光」「愛」以外の中から選ぶことになります。それでも十分すぎる程に多い。初プレイ時はどの属性にするか悩みました。一応軽い説明はしてくれます。例えば「雷」は敵が痺れる事があり、攻撃範囲も広めで初心者向けとか、「刃」の魔法は攻撃力があるけど範囲が狭くて上級者向けだよとか。もちろんストーリーを進めるにあたって使いやすい属性と使いにくい属性はあるんですけど、自分の好みで選んで問題ないかと思います。
このゲームの面白い要素として、戦闘中に魔法で属性の精霊を呼び出す事が出来ます。水の精霊が一体いる時に水の魔法を使うと、精霊を消費してダメージを2倍にしてくれます。2体いれば4倍。3体で8倍。最大で7体で128倍というとんでもない数値を叩きだしてくれます。まあこの精霊コンボは敵も使えるので、自分が食らった時はとんでもないダメージを受けるんですけど。この精霊はストーリーを進めていく途中で徐々に仲間にしていく事が出来るんですけど、仲間にするのが大変な精霊がいたりするので、その辺も属性選びの有利不利に結びついて来ます。あと、火の精霊を出せるのは火の魔法使いなので、主人公が火の魔法使いにした場合、もう一人火の魔法を使うクラスメイトがいた方が精霊コンボを繋げやすくなります。ただ、クラスメイト達は加入時期がそれぞれ違っているので、比較的序盤に仲間になり、なおかつあまり離脱しないキャラと同じ属性にすれば、進めやすくなったりもします。さらに、ぶっちゃけてしまえば、このゲームのシステムに置いて不遇な属性・キャラがいます。主に魔法を使用して戦うので、相手の物理攻撃力を下げる効果を持つ属性とかは、正直微妙な性能になったりしちゃいます。なのでキャラも物理攻撃の高いキャラとかは、使いにくい印象を受けます。まあその辺はキャラ愛と属性愛で乗り越えられますので、やっぱり使ってみたい属性を使うのが一番かと!
・どんなストーリー?
物語を進めていくと、立ち寄る村でイベントが発生したりするんですけど、ことごとく鬱ストーリー。暗いイベントが多い。綺麗なグラフィックとBGMで誤魔化してるけど、めちゃくちゃ重いし、救いの無い話もあったり。GBAで鬱ストーリーと言うとパワポケを思い出しますね。マジバケもパワポケも全体的な雰囲気としてはそうでもないのに、所々で暗い話をぶっこんで来ますね。ただ重いだけではなく、考えさせられるようなイベントが多いです。
物語の大筋としては、臨海学校の途中で、突如出現したエニグマと呼ばれる敵の手によって、別世界へと飛ばされてしまったクラスメイト達を探しに行くストーリーとなっています。物語を進めていくと、徐々にクラスメイト達と合流してパーティに入れられる仲間が増えて行きます。前述の通り、イベントでは暗い話が多いんですけど、クラスメイトの仲間たちは良いキャラをしているので、終始重苦しい雰囲気と言う訳では無く、むしろ楽しく旅をしている感じです。
・魅力的なキャラ達
このマジバケの世界は、人間以外の種族も存在するのですが、クラスメイトの仲間たちの中にも人間以外の種族がいます。
例えば、木属性の魔法を使うピスタチオ。この子はヴォークスと呼ばれる種族で、犬型の人間って感じの種族ですね。雷を使うレモンは、ニャムネルトと呼ばれる猫型人間の種族。毒を使うカベルネは、人形のような形をしたパペット族です。他にも種族は多数存在しますが割愛。
数名だけキャラ紹介をしたいと思います。クラスメイト1人1人に個性や良さがあるので全部紹介したいのですが、なんせキャラクターが多すぎるので…。ほんの少しネタバレあるかも知れないのでお気をつけて。
まずは、「ピスタチオ・メイプルウッド」というキャラについて。
上にも書いた通り、人間では無くヴォークスという犬のような見た目の種族の男の子。異世界に着いてから、最初に仲間になるキャラです。属性は木。
クラスメイトの中では一番魔法が下手で成績も悪い。とっても臆病なキャラだけど、強い味方がいる時だけ調子に乗っちゃう事もあったり。
ステータスの上がり方も他キャラに比べて少なく、序盤では「速さ」以外のステータス全てが弱い。その代わり速さだけはピカイチ。(臆病だし犬だしって事で逃げ足が速いのかな…)木属性の特徴としては、魔法攻撃時に相手の「精神」を下げてくれます。精神はいわゆる魔法防御なので、魔法がメインのこのゲームにおいては使いやすい属性ではあります。また、最初の方に書いた「精霊コンボ」が非常に強力なシステムなので、相手に割り込ませずに行動出来る速さのステータスは結構重要になってきます。しかし、全体的に弱すぎるため、普通にプレイしていると、自由にパーティを組めるようになってからは使わなくなってしまう方が多いと思われます。
しかしこのキャラ、実は驚異的な潜在能力を持っているんです。一定のレベルを超えてからはグングンと全体的なステータスが上がるんです。気付いた時には強キャラへと変貌します。とはいえ、そのレベルも、クリア前くらいまで進んだレベルで初めて伸び始めるため、使いづらいと言えば使いづらい。
続いて「カシス・ランバーヤード」というキャラ。
種族は人間。属性は刃。普段はナンパな性格だが、クラスメイトの中では最年長(マッドマンと言う岩人間のような種族のキャラと、古代機械のキャラ等の年齢不詳キャラを除けば)であるためか、ここぞと言う時に頼れるアニキ。
このゲームの戦闘システムは、前列三人後列三人の、計六人が戦闘に参加します。敵も同じく六体まで。魔法の攻撃範囲は、好きな1マスだったり、2×2の範囲、横3マスや縦2マスの範囲、全体6マスの範囲だったりと、属性や魔法の強さによって変わります。
カシスが使う刃の魔法は、最初から最後まで1マス範囲の攻撃しか覚えません。しかも、前列のみなので、後列にいる的には攻撃出来ません。一応、前列にいるキャラが倒されると、後列のキャラは前に出てくるため、攻撃が出来なくなるという事はありませんが。その代わりに、その攻撃力は絶大。精霊コンボを使用すれば更に攻撃力は高くなるため、ボス戦などでは活躍します。
お次は「ブルーベリー・レイクサイド」と言うキャラ。
人間族の女の子で、属性は水。とっても冷静な女の子で、イメージとしてはコナンに出てくる灰原みたいなキャラ。あそこまで大人じみてはいないけど。優等生で魔法は強いけど、身体が弱いので物理的には強くない。
水の追加効果は「守り」を下げる。守りは物理防御なので、このゲームにおいてはこの追加効果はあまり強くない。けど、水属性の大きな特徴は、その魔法の範囲である。刃属性とは正反対で、攻撃範囲が広く早めに全体攻撃魔法を覚えます。主人公も水属性にしていると、雑魚戦などで精霊召喚からの全体魔法で一掃出来たりしちゃいます。
最後は「ペシュ・ファーマー」というキャラ。
「愛の大使」という種族の女の子。愛の大使は、その名の通り、愛に生きる種族。お察しの通り、使う魔法の属性は愛。真面目で、学級委員長のような存在ですね。リーダーシップがあるって訳ではないですけど。
愛属性の魔法は数ある属性の中でも特殊であり、唯一のHP回復魔法を覚えます。しかし、回復魔法は、使用者のMPを全て消費します。使いづらい魔法ではありますね。その使ったMPが多いほど回復量も上がる仕様となっています。魔法がメインとなるゲームのため、毎ターンMPは回復するのですが、全部を使うとなると、普段の戦闘ではあまり目立たないキャラに。
愛の魔法を使うペシュは好みが大きく分かれると思います。MP全消費は使いづらいと感じて、ペシュを使わず回復は全てアイテムで済ましてしまう人もいれば、ペシュは絶対に連れて行くといった方もいます。一度使ってみて合うか合わないか試してみるのが一番ですね。
ちなみに、キャラ名でピンと来た方もいるかもしれませんが、このゲームに登場するクラスメイトや村人キャラ、村の名前やダンジョンの名前には食べ物が関連している事が多いです。
・やりこみ要素が豊富
良い点でもあり悪い点でもあるやりこみ要素。これが盛り沢山用意されています。
まず隠しダンジョン。隠しダンジョンがあるゲームは多いですね。本編クリア後に挑む更に難しいダンジョン。これが三種類良いされており、そのうちメインの一つは難易度も三段階から選ぶ事が出来ます。
そして隠しキャラ。基本的にクリアまではクラスメイト達のみで進みます。一応物語の道中でマジックドールと呼ばれる人形が手に入ります。このマジックドールは、簡単に言ってしまうとキャラのコピーを作成出来ます。主人公のソウルを入れたマジックドールは主人公と同じ魔法を使用出来ます。もちろんソウルを入れたキャラも普通にパーティに入れられるので、マジックドールがいると精霊コンボがしやすくなります。マジックドールも種類がいくつかあるのですが、そのマジックドール以外にもいろいろなキャラが仲間になります。こんな奴が仲間に!?ってキャラもいます。
レベルも最大999。ストーリー上のラスボス戦での適正レベルがいくつだったかは定かではないですが、70~80もあればクリア出来た気がします。
ここからは、鬼畜難易度のコンプリート要素について紹介します。
このゲーム、フルコンプしようとすると取り返しのつかない要素やどうしようもなくキツイ要素が多いんです。もちろんストーリークリアだけならそんな事も無いんですけど。
まず精霊のコンプについて。
精霊は各属性の精霊が7体ずついます。仲間になる条件は各精霊ごとに異なっており、拾ったり敵を倒すと手に入る金貨と言うアイテムを要求されたり、状態以上回復アイテムを要求されたり。後半は要求数も多くなるので、状態以上回復アイテムなら買う事が出来るので楽ですが、金貨だと集めるのが大変です。でもまだこれは楽な方。
「愛」の精霊であるウィッシュは、カエルグミの入手数によって仲間になるかならないかが決まります。このカエルグミってアイテムは、メインとなるHP回復アイテムです。店でも売られてるし、探索中にもそこら中にカエルがぴょこぴょこ跳ねていて、捕まえると獲得出来るアイテムです。このカエルグミを、購入・捕獲を一度でもしてしまうと愛の精霊がコンプリート出来ません。さらに、カエルグミが大量に発生しつつ、触れただけで捕獲してしまうダンジョンすらある。初見では絶対にコンプリート出来ないでしょう。
さらに「光」の精霊は、闇の精霊と2体以上契約していると仲間に出来ません。順番的には「愛」と「光」をそろえてから「闇」の精霊をそろえる。でも「闇」の精霊をコンプするにはカエルグミを1000匹捕獲が必要になるんです。愛の精霊をコンプするためにカエルグミ捕まえずにここまで来たのに、今度は1000匹捕まえろって…。もっと詳しく言えば、光の精霊を仲間にするための隠しダンジョンに入る条件やら何やらが色々と重なって、ややこしい進め方をしないとコンプリート出来ないのです。
そもそもの話、ここまで前提として通信プレイの出来る環境が必須です。なぜなら、通信プレイを100人と行う事で(100回では無く100人)主人公の属性を「闇」する事が出来ます。ちなみに「愛」を使うには、主人公と同じ属性を選んだ人5人と通信。「光」を使うには、闇と愛を含めすべての魔法を習得。自分が最初に選んだ属性以外の魔法を使うには、その属性を選んだ人と通信が必要。つまりどうあがいても通信プレイを行わないと、最初に選んだ属性以外の魔法は一つも使えません。
Wi-Fiのような環境もなく、ケーブル繋いで顔を合わせて通信しなくてはならないGBAのシステムで100人と通信をした人は実際に存在するのだろうか…。おそらく多くの人がGBAとソフトを2台用意して、片方のデータを消去→通信→消去→通信…とした方が多いのではないでしょうか。
上記の他にも、隠しキャラも手順を間違えると二度と仲間にならなかったり、特定のタイミング・場所でしか契約出来ない精霊がいたりとか。
色々と鬼畜難易度な要素を紹介してきましたが、ぶっちゃけ全てをコンプリートしようとしなければそこまで気になりません。逆に全てをコンプリートしたい方は中々やり応えのある内容となっているのではないでしょうか。
現在ではWiiUでVCが配信されており、VC版では通信が出来ないため、救済措置として、主人公の選択した以外の属性魔法や闇魔法などの要素を通信を行わずに開放する事も出来ます。
GBA版を遊んだけれど、通信出来ず闇魔法を使った事の無い方や、この記事で興味を持った方など。GBAがあるならGBA版、WiiUがあるならばVC版で一度プレイしてみてはいかがでしょうか。コンプを目指すのも良いですが、是非一週目は攻略を見ないで伸び伸びとプレイしてほしいです。コンプを目指すなら2週目以降に攻略をじっくりと見ながら挑んでみては。